大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

水曜学童(ストレス発散)

2009年06月10日 | 児童デイサービス
 お待たせしました。本日は学童の2回分一挙掲載です。一つ前のブログも読んでね。

 近々、夏休みの予約表をホームページに明日以降アップします。印刷した予約表と「教室だより」は今日からぽぽろに置いてあります。
 「育てる会」の会員さんの受け付けは持参される場合が20日(土)まで、FAXなら22日(月)までです。それから調整させていただきます。早く申し込んだら100%OKということは絶対にあり得ませんので、22日までにじっくり考えてお申し込みください。「とりあえず押さえて後でキャンセル」という風にならないようにできるだけご協力くださいね。


 Tさんは縄跳びが1~2回できました。これはすごいことです。ちゃんと縄の手前に来るのを目を皿のようにして見て乗り越えていました。ヘルパーさんと来て交流している時間です。TさんはこのヘルパーのKさんをとても信頼しています。他の子どもたちもいっぱい遊んでもらいました。
 私はTさんとピアノで「かえるの歌」を連弾しました。リズムはばっちりでした。
 Tさんは来るなり「おおきなかぶ」の歌をずっと歌っていましたので、大きいバルーンボールを布にくるんでカブにして引っ張り合いっこをしました。

 Mくんの野球が進化しました。今日は長ーいことボールを投げては打ち、拾っては投げ返しというやりとりが続きました。以前はバットでボールを打つと同時にバットも投げていましたが、今日はほとんど投げずに次のボールを構えていました。
 しかし、さすがにわれわれの数倍も目がいいMくんです。バットへの命中率は8割台でしょう。ある時は真剣に、ある時はアハハと笑いながら…5分以上だと思いますが長い間遊びました。

 画伯Yくんは久しぶりにペンをとって集中していました。今までと違う絵だね。

 MちゃんはしばらくHくんと窓際の壁の向こうに落ちた小さいプラスチックのカラーボールを捜していました。二人でいつの間にか高い壁を乗り越えて40センチの隙間に降り立って探検していました。
 私のところに来たMくんが指を一本突き立てて、もう1個ボールを拾ってくれと要求します。「で、どこにあんの?」彼の手話?とジェスチャーと発声でだいたい言っていることが分かるようになってきました。「エーッ!ウッソ」何と彼が指さしたのは壁にあいた直径10センチくらいの穴です。高さが1メートル以上もあるから手を突っ込んでも下まで届くはずがありません。何度「ムリムリ!」と言っても聞いてくれないMちゃんでした。「君が落としたんか?」

 ドドドドッとやってきました東大阪組。にぎやかなこと。先ずは玉入れで盛り上がりました。次にドッジボール。サッカー。野球。
 Yちゃんはマイペース。Sくんはトーンが普通ですが遠慮がなくなってきました。YくんとRくんはたまったストレスを身体ごとぶつけてきているという感じです。汗いっぱいかいたよなぁ。帰り際にSくんが「あー、おもしろかった!」と言って帰っていきました。

 Mちゃんは大学生のMくんが来てくれてご機嫌。回転椅子を回してもらって喜んでいましたが、だんだん気持ち悪くなってきたかな?
 この後で、親切にもSくんが押してくれましたが、Mちゃんは少し乱暴に「やめろー」と叩いていました。何で怒られているのかわからないSくんでしたが、ケガの痕にバンドエイドが貼ってあるのを見て、急に顔色を変えて優しくなって「どうしたん?」と聞くMちゃん。滑り台の階段でこけて大怪我をしたそうです。Mちゃんそれを聞いてニヤッと笑って何か言おうとしたけど、冗談を言ってはダメだと感じたのか同情顔になりました。

 この日の男たちはあかんたれです。ボールの空気を抜いた画伯Yくんに先ずは空気を入れてもらいました。次々にYくん、Mちゃん、Rくん、Hくんと男の子たちが変わります。しかし、長続きしないのです。根気が続きません。ほとんど一人で膨らむまでやってくれたのはYちゃんでした。えらい!

 はい、おやつ。「子どもは矛盾を食べて育つ」とはだれの言葉だっけ?若いころによく聞いたよなぁ。好きなお菓子から1個ずつ皿に入れます。ちょっと眼が血走ったり、緊張が走ります。「子どもはお菓子を食べて育つ…」ほんまかいな?

 本日のハイライトはこれ、「おばけやしき」です。ガラクタも含めて全部ここに運び込み、囲いを作って家の出来上がり。電気を消すとお化け屋敷です。
 バットの取り合いでけんかになったHくんとRくん(「お前、何歳や?!」と聞いていた。)も仲良しになりました。はじめての大東組と東大阪組の「メンチ切り」、他流試合でした。
 はい、お化け屋敷づくりをほとんどリードしたのは彼でした。Hくんはお迎えが早すぎて(30分も早く…)おもしろすぎたのでなかなか帰れませんでした。


土曜学童(ちびっこ先生)

2009年06月10日 | 児童デイサービス
 「ハーイ、今日はちびっこ先生にやってもらいます。一番大きいお兄ちゃんのKくん、お願いします」「エッなにするの?」「センセイの代わりやんか!」「エッー、ぼくは?!」「ちびっこ先生の次のセンセイやんか」「ヨッシャー!」てな調子で、不調気味の私はこの日は少し引いて、大きいお兄ちゃん達に任せました。

 おー!すばらしい!最近だれ気味のゴムの輪もばっちり決まりました。すごーい!

 「ねずみばあさん」も結構盛り上がっております。

 オイオイ!取り合いすんなよ!実は「遊園地ごっこ」のジェットコースター。Tくんがさっと膝の上に座るや後方のダブルHくんがまたその間に割り込んできます。もてる男はつらいよ!

 全くマイペースのHくん。もう少し年長の自覚を持ってほしんだけどなぁ…。
 いつもは最後に出てきて「やればいいでしょ」の彼も、この日は少し頑固でした。

 久しぶりに決まったぁー!もう得点は9.99です。
 この頃は上に乗って踏みつけたりするもんだからとうとうてっぺんの継ぎ目が切れてしまいました。元教材部長のSさんのせっかくの手作りをダメにしては申し訳ないと思い、この日はバルーンの中に入りました。しばらくすると、ちびっこ先生を中心にしたお兄ちゃんたちの協力もあって、本当に久しぶりに舞い上がり、回転もできました。
 スタッフの皆さんも大感激!!
 ちびっこ先生は働き者です。
 「観覧車」のてっぺんから勇気のジャンプ。私は飛び降りる前で「一回転」とか「でんぐり返り」などと言って挑発。次々と降りる子たちに両手でタッチ!!写真に写っていない子も含めて全員が飛びましたよ。

 午後は定番の公園。ヤンボラの日でヤンボラのボスも久しぶりに駆けつけてくれました。


 帰り際にKくんはお迎えのお母さんに「今日はぼく、ちびっこ先生って呼ばれたんやでー!」と嬉しそうに伝えていました。

ホットケーキづくり(加筆)

2009年06月09日 | 児童デイサービス
 
     子どもは夕方育つ

随分前から写真だけ貼り付けて下書きとして投稿(公開されない)され、日の目を見るのを待っている記事がこれです。
 スタッフのKさんがぽぽろでは実践だけではなく実務もしなければならないし、忙しいから書こうとすると休日になります。休日は休まないと体がもちません。というわけで、勝手に書きましょう。先々週の金曜日学童。

 「子どもたちは夕方育つ」というのは食事や入浴準備などで忙しく手薄になる入所施設の夕方の時間帯の話です。学校などから帰ってきた子どもたちが、大人の目がないのびのびできる環境の中で力試しをしたりして自信や意欲を育てていく夕方の光景を見て言われたことばだそうです。

 この写真、彼らにとってお姉さんのような存在であるスタッフのKさんとホットケーキづくりの材料を買いに近くのスーパーまでお買い物に出かけた時の様子です。金曜日放課後はだいたいこの3人が定着してきています。

 写真がとてもいいですね。多分、いつも伝えたい感動や視点が定まっているからいい写真が撮れるのでしょう。いつも写真がいいからよい記事が書けるのですね。(と、ほめておこう。)
 これからもスタッフの中で子どもの見方や発達の視点などを共有する努力を大切にしたいと思います。

 だから、この写真なんかは解説は不要ですね。じっとながめてください。あとでまたKさんがつけ加えるでしょう。

<以下が加筆部分>
3人で仲良く手をつなぎ、「本当にあった浮「話obake」をしながら、近くのコンビニへ。

中1、小4、小2と年齢はばらばらですが、「自分より小さいから譲ってあげよう」とか、年上のお姉さんがする事を見て、憧れの気持ちを持ったり・・・と異年齢でのかかわりが自然と生まれるのが学童保育のいいところだなと思います。


牛乳、たまごを見つけてレジへ。
お金を払いたかったMさん。
Yくんの、「僕が払いたい!!」の一言で、「いいよ!」と譲りました。
おつり、レシートをもらい、お店を出ました。
「持つ!!」と言ってくれたのは、Mさん。
たまごが入っているので慎重に運びました。

 <続きを読みたい方は以下の「続きを読む」へ>


牛乳をいれる係り、ホットケーキミックスを入れる係り、たまごを割る係り、と3人で分担して生地を作りました。

牛乳は目分量で。
ホットケーキは何度も作ったことがあるというMさんが、「もう少し」「ストップ!!」と的確にアドバイスしていました。

よくかき混ぜて、ホットプレートへ。

裏返すのを心待ちにしていました。

Mさんは、真っ先に「Uさんに渡してくるわ!!」と事務所で仕事をしていたUさんのところへ運びにいきました。

2枚ずつペロリと食べ、そのあとは・・・


それぞれ、お皿を台所へ運び、洗剤をつけて洗いました。拭いて、食器棚の片付けるところまで。

この日、なぜホットケーキ作りをしようと思ったのか・・・というと
右手の麻痺があるMさんは、ほとんど右手を出そうとしません。

Mさんが右手を使おうとしているときを見たのは、
お菓子の袋をどうしても開けれず、開けてくれる人が近くに居なかったため、仕方なくこぶしで袋を押さえお菓子を開けた時と、
私とアルプス一万尺をした時だけです。

失敗してはいけないという気持ち、使いたくても使えないんだと強く思う気持ち、そうやってMさんは、うまく出来ない自分を否定的に思っているように見えました。

食べることが大好きなMさん。
大好きなホットケーキを作るために、そして皆においしいと言ってもらう中で自信につながり、今まで認めたくなかった右手を受け入れ「もっともっと作って皆に喜んでもらおう!!」
と感じてくれたらいいなと思っています。

現に、自分が食べるよりも先にUさんへホットケーキを持っていき、「ありがとう」と言われた時の表情、食べ終わって、「おいしかったー」と言ってもらった時の表情は、とてもおだやかでいい笑顔でした。

一つひとつの新しい自分との出会いの積み重ねが、他者による心の支えではなく、自分の中に心の支えをつくってくれるのです。
その力は「もっとがんばってみよう」と活動を立て直したり、修正したり、まとめあげたりする力にもなることでしょう。そして、障害をもっている子どもや青年には、障害に立ちむかう力もあたえてくれるのです。
       中略
障害を持った子どもたちの発達を見る視点として、個々の機能や能力の獲得のようすだけではなく、このような人格形成レベルを視野にいれることがたいせつです。
     
 
 発達とは矛盾をのりこえること 
              白石正久
 より 

<以上が加筆部分>

 この日は私(U)はもっぱら実務と電話の応対に追われておりました。でも、Mちゃんが真っ先にできあがったホットケーキを電話中の私のところに持ってきてくれました。普段はおやつをめぐるトラブルが絶えませんが、みんなと一緒に買い物から始まり作ってできあがって、そして片づけるまで過ごした時間の値打ちですね。Mちゃんが一番困っているのでしょうが、家族の悩みも深刻です。でも、このような経験の積み重ねが人への信頼と自分への自信を育ててくれるのではないかと長い目でみるようにしています。

 この1週間もたくさんのドラマがありました。写真もたまっています。でも、書く時間がありません。


フォレスクール

2009年06月08日 | ヤンボラ・ヤンクラ
 昨日お知らせしたフォレスクールというのは「紀南養護専攻科を考える会」が母体になってつくられた「作業所」(自立訓練事業)のようです。以下のホームページに詳しく掲載されています。見学の申し入れはこれからですが、一緒に参加してみたいという方がおられましたら、ぽぽろまでご連絡ください。ただし、「ぽぽろをそだてる会」会員さんに限らせていただきます。
 日時等が正式に決まりましたらお知らせします。
紀南養護専攻科を考える会ホームページ


ヤンプロがスタート

2009年06月07日 | ヤンボラ・ヤンクラ
 アジサイがきれいですね。明日も快晴で大阪の気温は29度まで上がるとか。明日は朝から岸和田の「支援センターかむかむ」(いずみ野福祉会)さんの子育て学習会です。夜は吹田市の施設部会(保育所・療育園関係)研修会です。宜しくお願いします。

 さて、昨日の報告です。第1回ヤングプロジェクト(ヤンプロ)がスタートしました。
 と言っても、ヤングの集まりではありません。一番若い方が共同研究者の京都教育大学の丸山啓史先生。これからもっと若くて興味や志のある現場の教員・福祉職員の方などを引っ張ってこようということになりました。担い手づくりが私たちの役割ですから。
 これから青年分野のとりくみの事業化と周辺の問題の研究・検討を重ねていきたいと思います。
 また、「学童保育の延長線上にはどんな青年・大人の方の生活が連動していくのか?それに匹敵する生活があるのか?」という趣獅フ指摘にはドキッとしてしまいました。家庭と会社・作業所の往復という貧しい生活が待っているのでは面白くありませんものね。せっかく学童保育で身につけてきた力を生かし広げる生活がなかったらどうなるのでしょう?ヤンボラ・ヤンクラの取り組みもきっとその延長線上にあるのだろうと思います。

 今後とも宜しくお願いします。

いつも大げさに言う言葉「振り返ってみたとき、この日が出発(歴史的な日)になったんだなぁと言えるような取り組みにしたいです。」。「またまた言って(やって)しまったね」と言われそうです。自分の中でも十分に煮詰まって整理されているわけではない課題を関係者のニーズと期待、興味・関心と「使命感」でまた一つ増やしたんでしょうか?いやいや、ぽぽろの発足当時からの課題でした。

 次回は9月5日(土)午後3時半から、それぞれが宿題を持ち寄り検討します。また、南河内を中心に事業展開をされている「子ども・若もの支援ネットワークおおさか」の報告も受ける予定です。
 また、夏休みの8月17日(月)には専攻科づくりの取り組みの中で、その中心を担っていた父親などが作った障害者自立支援法の「自立訓練事業」を活用した和歌山県田辺市のフォレスクールの見学に行くことになりました。相手にはまだ伝えていませんが…。