大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

全障研レメ[トも全開!

2011年07月30日 | 児童デイサービス
 スタッフは全障研大会二日目の分科会でレメ[ト発表をします。放出と大東から学童の取り組みを一本ずつ、そしてヤング「学ぶ作業所」のとりくみが一本。みんな緊張しています。私ぽぽろ番は要員・会場案内係です。みんな!頑張ってなぁ~!

 発表に先立つ木曜日、レメ[ターであるスタッフのHiさんと奈良教育大学の学生(アルバイト)さん二人と私とで、わずか15分のレメ[ト報告の中で何をどのように報告するか、分担も含めて話し合いをしました。
 レメ[トの事例はKちゃんとのとりくみです。写真の報告も含めてお母さんの了解も得ました。

 取り組みの方向性として

 ①Kちゃんの発達へのねがいを明らかにする。
 ●Kちゃんの発達へのねがいは広がりつつある第二者・大人との関係においては「やりとりあそび」を楽しめるようになること。
 ●お友だちの中でも、「押して楽しむ」からお友だちの中で並行して楽しい遊びを共有できるようになること。
 「一次元形成期」(「~だ~だ」)の世界にあるKちゃんとの遊びの中で「一次元可逆操作」(「~だはない~だ」)の世界の獲得を支援する。

 ②どんなとりくみをするのか?
 ●一方的、一方向的な「押して楽しむ」という「あそび」に変化・抵抗を加え、かくれんぼ遊びや、逆の押されたり追いかけられたりして楽しめるようにはたらきかける。
 ●どうしても直接的な関係の遊びになってしまう遊びの中に玩具や遊具、楽しめる素材など物を入れ・物を介して遊べるようにする。
 ●「友達を押したりする姿が見られない楽しい遊び(プール)を友だちと共有できるように、並行した遊びややりとりのある遊びへと発展させる。

 この日は生協の行事があってプールができませんでした。そこで、プールをプレールームに上げると、Riちゃんがネズミばあさん着ぐるみを持ってきて私に催促したもんだから、もうプールをひっくり返して「ネズミばあさんごっこ」の始まり始まり。

 その延長線上でKちゃんとの感動的なやり取りあそびが展開しました。
 プールではお友だちに対して手が出る(背中を押すこと)こともなく、「1,2のドボン」とか、トランャ潟唐フようにビニールプールのふちに座ってはねるあそびに夢中になっている様子が見られました。
 そこで、昨日の話し合いの結論、「プールの中でお友だちも巻き込んで平行遊びややり取りあそびを楽しませよう」を思い出しました。
 まずは私が引っ張られ、押されてドボン。その私を「よいこらしょ」と引っ張りあげます。「押すのではなく、引っ張る」(~ではない~だ)

 今度は押して楽しむKちゃんを反対に「押されて自らドボンとやって楽しむ」Kちゃんに。(~ではない~だ)

 楽しくてしょうがありません。

 この日、二人の大きなお友だちがKちゃんに押されて楽しむ役をやってくれました。その一人がYuくん。彼もドボンと飛び込みます。それに続いて「次はKちゃん!」と誘われてドボン。

 次はHiさんとの「やりとりあそび」です。



 「それ~、プールの中に隠れろ~」「プールの中に飛び込んで逃げろ~!」と言います。
 この日のもう一人の「押され役」を引き受けてくれたSくん。隠れたプールをKちゃんが持ち上げます。このときばかりは感動的でした。なぜなら、相手の姿が隠れると追い鰍ッ回していたKちゃんはとたんに興味を失い、隠れた場所から逃げ去っていたからです。(例えば、ただ押されるだけでなく曲がり角に隠れるとか、傘の中に隠れて探させるという遊びなどをしてきましたが、なかなか続きませんでした。)こうしたあそびの積み重ねと、楽しくてたまらないこの日の気持ちがプールを持ち上げさせたのでしょう。

 プールの中に飛び込んだS君に対しても、自ら入っていって引っ張って外に出そうとするKちゃんがいました。

 テントの中のSくんも見失うことなく発見して、入り口を探し出し、中に入っていっていました。

 そんなSくんにお弁当の時間にソワソワして食べなくなって立ちだしたKちゃんの前に座ってもらいました。すると、さすがです。Kちゃんがまた食べだし、完食しました。



 隠れたYuくんとのやり取りです。




 圧巻はこれからです。
 水がなくてもビニールプールでトランャ潟唐ェできます。



 これまた昨日の話し合いを思い出し、「これだ」とばかりに他のお友だちも誘います。
 皆で立てた「仮説」の通りに取り組みが進むなんて、本当に感激です。
 Kちゃんは平行あそびから、皆で跳びあいっこするやりとりあそびに発展したのでした。



 もう後方から押すKちゃんの姿は見られませんでした。
 お友だちも、こんなKちゃんの姿に安心してあそんでいました。


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