先週の土曜学童の様子です。
お別れ会は13日の予定ですがお迎えの前に、この日で一応しばしのお別れということでMoちゃんが代表してKoさんに花束贈呈。KoさんはMoちゃんのあこがれだったし、おそらく優しいけど一番厳しいお姉さんだったことでしょう。そのことを知ったのはきっと「おやつ事件」でKoさんに叱られた時だったでしょう。
「怒ることと叱ることは違います」
(最近も、ある支援学校に行ったときに若い先生が私たちに言われた古くて新しいことばですが、確かに!しかし、難しいことです。安心と信頼を寄せる人から怒られるからしっかり受け入れることが出来るのです。顔色を見たり、叱られたときの浮ウを思い出したりして言うことを聞くのとはわけが違います。優しい人、厳しい人、おもろい人…など色んな人がいるから子どもたちは社会性を身につけていきます。一人の中で色々な役回りを演じることは難しいし、怒ったり優しくしたりをコロコロ繰り返すようでは子どもたちは混乱するでしょう。もっとも子どもたちは直感的に本質を見抜きますが…。それにしても、学校では子どもたちの問題に見える言動があるとすぐに反応して怒って(叱って)ばかりいたような気がする。学校には目に見えない一定の秩序を保つためのライン・空気のようなものが存在するように思う。中からも外からも監視され、評価にさらされ、だんだんそれが強まってきているようだ。私はぽぽろに来てそこから少し開放され、随分と子どもたちに試され鍛えられたように思う。)
YuくんがKoさんに渡すプレゼントのメッセージを書いています。YuくんもKoさん大ファンの一人です。この日は公園に行かずに残ってバイトスタッフのHuさんとメッセージを書いていました。
さて、この日のハイライト。昨日書いたドッヂボールです。
YuくんがバイトスタッフのHuくんと真剣勝負です。その向こうで、Maちゃんがドッヂに興味を示して見ているようです。
バイトスタッフのMaくんがMaちゃんにボールを渡しました。こっからMaちゃんの参加です。向こうでYoくんも台車に乗って待っています。両手で抱えて投げていたHaくんの写真がないのが残念。KoiちゃんもMoちゃんから離れて参加してきました。
ここからがMoちゃんの参加。参加したいのに身体が動かないMoちゃんのいつもの姿です。バイトスタッフのHuくんが何度か誘いをかけます。(Huくんは学習会の中で「Moちゃんには好きな人(=若者)のランクがあって、俺はMoちゃんの中では最下位や」と言って皆を笑わせた。彼はべったりという関わり方を求め「こっち来てや!」と言うMoちゃんに対して意識的に「Moちゃん、そこから口で言ってよ。」と間接的に関わるように心がけているから、最下位のように振る舞われるのかもしれない。おっさんを入れると正真正銘私が最下位ですが…)以前は反発が先に立つMoちゃんでしたが最近は「やりたいけど自信がないねん」と微妙な表情の笑顔で気持ちを教えてくれているようです。
しかし、少しずつ寄っていってHuくんを支えに照れながら下からボールを投げるところから始めました。
これは「どうしたら上手にとばせるん?」と聞いているところ。「肩の上にボールをのせてごらん」と教えてもらいました。超素直に聞いています。Yuくんも向こう側で真似をして励ましています。
教えてもらった通りに肩の上に投げるボールを構えるMoちゃん。
ヤッタァー!!思わず大きな拍手がおきました。
ただでさえ片マヒのために右手足の自由が利かない上に通常の学校で背伸びして頑張ってきたと思われるMoちゃん。ドッヂボールなんか、はなからあきらめていたのだと思います。多分、彼女の左手の機能なら右手の代わりに自分のお腹や胸を使って左手でボールを受けるのは十分に可能だと思います。それをいきなりやらせようとするものならたちまち失敗を恐れて今でもこわい顔でイヤァー!と拒否してしまうでしょう。
そこが「共に学び、共に育つ教育」の課題でもあり、可能性(どこまで可能なのか、限界もあるよということ…)の問題でもあると思う。健常児が圧涛Iに多数の一斉授業の中でどのような「合理的配慮」をするか?健常児に毎回利き手を使わないでドッヂをさせるわけにもいくまい。おそらく、Moちゃんのために片手ドッヂなどすらやらせてもらっていないのだろう。ギリギリまで通常学級で頑張って、ついていけなくなったら支援学級で国語と算数だけ個別対応で受ける。じゃぁ、体育や理科…は?どれだけ多くの子どもらが「見学」に甘んじていることか。
国連・障害者の権利条約のインクルーシブ教育とは「包み込む教育」「排除しない教育」と訳されます。大阪で「先進的に」行われてきた地域の学校で「共に学び、共に育つ教育」のことを指して言われる場合もあります。
通常の学校に期待しながら入学したはずのMoちゃんでしたが、中学からは支援学校に転校。今、年度途中から特別支援学校に転校する子どもが増えています。通常学校での教育がよくなれば転校しなくてもすむ子どもたちも増えてくるはず。また、通常の学級や支援学級で学べる可能性も広がってくると思います。通常の学校も特別支援学校も充実して、場合によっては複数の学びの場や教育内容が選択できるように複数学籍になれば、子どもたちも家族ももっとハッピーになるのに…。
この日のドッヂボールの様子を見ながら、そして大阪市内の特別支援学校の増設をめぐる運動についての報道を思い浮かべながら思ったものです。
また、夕方の学習会でも語られたMoちゃんの自我発達に関わる背景の一つでもありました。
この日の公園で至福の時間を過ごした子どもたちの様子はまた載せますね。
お別れ会は13日の予定ですがお迎えの前に、この日で一応しばしのお別れということでMoちゃんが代表してKoさんに花束贈呈。KoさんはMoちゃんのあこがれだったし、おそらく優しいけど一番厳しいお姉さんだったことでしょう。そのことを知ったのはきっと「おやつ事件」でKoさんに叱られた時だったでしょう。
「怒ることと叱ることは違います」
(最近も、ある支援学校に行ったときに若い先生が私たちに言われた古くて新しいことばですが、確かに!しかし、難しいことです。安心と信頼を寄せる人から怒られるからしっかり受け入れることが出来るのです。顔色を見たり、叱られたときの浮ウを思い出したりして言うことを聞くのとはわけが違います。優しい人、厳しい人、おもろい人…など色んな人がいるから子どもたちは社会性を身につけていきます。一人の中で色々な役回りを演じることは難しいし、怒ったり優しくしたりをコロコロ繰り返すようでは子どもたちは混乱するでしょう。もっとも子どもたちは直感的に本質を見抜きますが…。それにしても、学校では子どもたちの問題に見える言動があるとすぐに反応して怒って(叱って)ばかりいたような気がする。学校には目に見えない一定の秩序を保つためのライン・空気のようなものが存在するように思う。中からも外からも監視され、評価にさらされ、だんだんそれが強まってきているようだ。私はぽぽろに来てそこから少し開放され、随分と子どもたちに試され鍛えられたように思う。)
YuくんがKoさんに渡すプレゼントのメッセージを書いています。YuくんもKoさん大ファンの一人です。この日は公園に行かずに残ってバイトスタッフのHuさんとメッセージを書いていました。
さて、この日のハイライト。昨日書いたドッヂボールです。
YuくんがバイトスタッフのHuくんと真剣勝負です。その向こうで、Maちゃんがドッヂに興味を示して見ているようです。
バイトスタッフのMaくんがMaちゃんにボールを渡しました。こっからMaちゃんの参加です。向こうでYoくんも台車に乗って待っています。両手で抱えて投げていたHaくんの写真がないのが残念。KoiちゃんもMoちゃんから離れて参加してきました。
ここからがMoちゃんの参加。参加したいのに身体が動かないMoちゃんのいつもの姿です。バイトスタッフのHuくんが何度か誘いをかけます。(Huくんは学習会の中で「Moちゃんには好きな人(=若者)のランクがあって、俺はMoちゃんの中では最下位や」と言って皆を笑わせた。彼はべったりという関わり方を求め「こっち来てや!」と言うMoちゃんに対して意識的に「Moちゃん、そこから口で言ってよ。」と間接的に関わるように心がけているから、最下位のように振る舞われるのかもしれない。おっさんを入れると正真正銘私が最下位ですが…)以前は反発が先に立つMoちゃんでしたが最近は「やりたいけど自信がないねん」と微妙な表情の笑顔で気持ちを教えてくれているようです。
しかし、少しずつ寄っていってHuくんを支えに照れながら下からボールを投げるところから始めました。
これは「どうしたら上手にとばせるん?」と聞いているところ。「肩の上にボールをのせてごらん」と教えてもらいました。超素直に聞いています。Yuくんも向こう側で真似をして励ましています。
教えてもらった通りに肩の上に投げるボールを構えるMoちゃん。
ヤッタァー!!思わず大きな拍手がおきました。
ただでさえ片マヒのために右手足の自由が利かない上に通常の学校で背伸びして頑張ってきたと思われるMoちゃん。ドッヂボールなんか、はなからあきらめていたのだと思います。多分、彼女の左手の機能なら右手の代わりに自分のお腹や胸を使って左手でボールを受けるのは十分に可能だと思います。それをいきなりやらせようとするものならたちまち失敗を恐れて今でもこわい顔でイヤァー!と拒否してしまうでしょう。
そこが「共に学び、共に育つ教育」の課題でもあり、可能性(どこまで可能なのか、限界もあるよということ…)の問題でもあると思う。健常児が圧涛Iに多数の一斉授業の中でどのような「合理的配慮」をするか?健常児に毎回利き手を使わないでドッヂをさせるわけにもいくまい。おそらく、Moちゃんのために片手ドッヂなどすらやらせてもらっていないのだろう。ギリギリまで通常学級で頑張って、ついていけなくなったら支援学級で国語と算数だけ個別対応で受ける。じゃぁ、体育や理科…は?どれだけ多くの子どもらが「見学」に甘んじていることか。
国連・障害者の権利条約のインクルーシブ教育とは「包み込む教育」「排除しない教育」と訳されます。大阪で「先進的に」行われてきた地域の学校で「共に学び、共に育つ教育」のことを指して言われる場合もあります。
通常の学校に期待しながら入学したはずのMoちゃんでしたが、中学からは支援学校に転校。今、年度途中から特別支援学校に転校する子どもが増えています。通常学校での教育がよくなれば転校しなくてもすむ子どもたちも増えてくるはず。また、通常の学級や支援学級で学べる可能性も広がってくると思います。通常の学校も特別支援学校も充実して、場合によっては複数の学びの場や教育内容が選択できるように複数学籍になれば、子どもたちも家族ももっとハッピーになるのに…。
この日のドッヂボールの様子を見ながら、そして大阪市内の特別支援学校の増設をめぐる運動についての報道を思い浮かべながら思ったものです。
また、夕方の学習会でも語られたMoちゃんの自我発達に関わる背景の一つでもありました。
この日の公園で至福の時間を過ごした子どもたちの様子はまた載せますね。