テンシュテット「THE GREAT EMI RECORDINGS」

             

 タワーレコード渋谷本店でテンシュテットの「THE GREAT EMI RECORDINGS」ボックスを購入しました。14枚で3190円、1枚あたり228円です、安い。16枚で3600円くらいのマーラー・ボックスもあったのですが、テンシュテットのマーラーは比較的聴いている方で先日もジンマンの全集を購入したばかりなので、むしろあまり聴いていないロマン派ドイツ音楽集です。

 大半はロンドンフィルだと思っていたのですが、6枚がベルリンフィル、1枚がシカゴ交響楽団、7枚がロンドン・フィルです。ちょっと嬉しい感じです。


〔CD1〕ベートーヴェン 交響曲第3番『英雄』他 ロンドン・フィル

 第3番、以前聴いたウィーンフィルとのライブで、劇的でヒロイックな装飾付はしないことは予習していたので、静かでオーソドックスな始まり、展開も想定内です。フィナーレに向かって徐々に高まっていき、最後は堂々と大きく締めくくられます。

〔CD2〕ベートーヴェン 交響曲第6番『田園』、第8番他 ロンドン・フィル

 第6番、弦がしなやかで柔らかく流線型の音楽を奏でます。ロンドンフィル、いいです。トップオーケストラの響きに聴こえます。タワーレコード店頭の手書きポップに田園の美しさが書かれていましたが確かに素晴らしい。

〔CD3〕ブラームス 交響曲第1番、ドイツ・レクィエム ロンドン・フィル

 焦らず前のめりすることのない悠然としたテンポの第1番です。力みのない自然な演奏、空回りすることはありません。曲がいいのでそれだけで十分に盛り上がります。

〔CD4〕ブラームス ドイツ・レクィエム(続き)他 ロンドン・フィル

 ドイツ・レクイエムはかなりスローです。第1曲は12分58秒も要しています。こんなに遅いのは始めてかもしれません。非常にゆっくりと囁くように曲を綴っていくのでメロディ重視の単に壮麗でとにかく美しい演奏とは違います。不気味なアーノンクール盤と並んで内容主義、それでもスケールが大きくて美しい。これは大変な名演です。これまでのベストと思っていたバレンボイムの旧盤も同じロンドン・フィルでした。この曲と相性がいいのかもしれません。

〔CD5〕ブルックナー 交響曲第4番『ロマンティック』 ベルリン・フィル

 ブルックナーはちょっと変わっています。いわゆるブルックナーらしい神々しい広がり、大きさを感じさせる自然な進行の演奏ではなくて、もっと感情移入して想いを揺らして、たたみかけて爆発させています。これまで聴こえなかった低音がガリガリ聴こえたり、アプローチの違う演奏です。ベルリンフィルの厚みのあるサウンドのサポートがあり破綻はしていません。勘違いではなくて従来の演奏様式を承知したうえで確信犯でやったんだと思います。第4楽章はオケと一緒にやりきった清々しさすら感じます。こういう演奏が好きとも言い切れないですが、ここまでやると面白いかもしれません。

〔CD6〕ブルックナー 交響曲第8番 ロンドン・フィル

 こちらも激しく刻んでテンポを自在に変化させる感情移入したマーラーのようなブルックナーです。これは明らかに違うかなという演奏です。それでも、ブルックナー爺さんがせっかちで執念深く癇癪持ちなんだったらこの演奏は正しいです。

〔CD7〕マーラー 交響曲第1番『巨人』 シカゴ交響楽団

 初めて第1番を聴いたのは同じシカゴ響、アバド指揮のレコードでした。緊張感のある弱音の弦の響きを覚えています。テンシュテットはゆったりとしたテンポで音を開放的に鳴らしていきます。極めてオーソドックスに始まりますが第2楽章から一転、粘っこく激しいマーラー節全開です。それでも客演だからでしょうか、やり過ぎない節度ある美しいマーラーです。

〔CD8〕シューマン 交響曲第3番『ライン』、第4番 ベルリン・フィル

 非常に堂々とした演奏、ベートーヴェンのようなシューマンです。大きく鳴らして広がります。ここまで金管が輝かしく響くのは初めてかもしれません。指揮もあるでしょうがベルリンフィルの機能美を強く感じます。弦も分厚くてとても美しいです。
 第3番、第4番はあまり聴かないのでうまく比較できないのですが、第3番はこれまでの中でも最もよい印象です。いい曲だなあと聴き惚れました。第4番の自然な推進力も極上です。ダイナミックで迫力があります。テンシュテットのシューマンは素晴らしい。

〔CD9〕R・シュトラウス 「ツァラトゥストラはかく語りき」、「ドン・ファン」他 ロンドン・フィル

 正統派の大きな演奏でよいと思います。他のディスクとの比較はよく分かりません。

〔CD10〕 ワーグナー リング管弦楽曲集 ベルリン・フィル
〔CD11〕 ワーグナー 「タンホイザー序曲」「リエンツィ序曲」他 ベルリン・フィル

 リングはドキッとするくらい激しく鳴らして刺激的です。ただ歌なしリング集は好んで聴きたいとは思いません。
 タンホイザー、リエンツイ、ローエングリン、マイスタージンガーはオペラ風ではなくて管弦楽曲として表情をたっぷり付けた、咆哮する演奏です。これらの曲については大好きな演奏があるのでそれをスタンダードとすると若干違和感があります。

〔CD12〕メンデルスゾーン 交響曲第4番、シューベルト 交響曲第9番 ベルリン・フィル

 イタリアは粘っこいやつかと想像していたら、意外や軽くて明るい演奏です。カラヤンとベルリンフィル盤の印象しかなくてそれと比べてしまうと重いですがテンシュテットも結構イケます。
 グレートは有名曲だと思うのですが何故か縁がなくてこれまで2~3回しか聴いたことがなくてどういう曲なのかほとんど頭の中にメロディが残っていません。厚めの装飾を施した非常にダイナミックな演奏です。オーケストラを掻き鳴らすのに適した曲のようです。

〔CD13〕ムソルグスキー 交響詩『禿山の一夜』、コダーイ:組曲『ハーリ・ヤーノシュ』他 ロンドン・フィル

 こういう曲はホールで聴けたら面白いんだと思います。金管の音が美しいです。

〔CD14〕ドヴォルザーク 交響曲第9番『新世界より』他 ベルリン・フィル

 最後の1枚。1曲目はレオノーレ3番、ベートーヴェンを得意にしているのであれば感動的な演奏を期待大ですすが、まあ普通のオーソドックスな演奏です。テンシュテットには濃い演奏とさっぱりした演奏とありますがその選択の理由はよく分かりません。
 シューマンのホルン協奏曲を挟んで、最後の最後は新世界、バランスの良さ、推進力、オケの機能美が求められるところです。これは激しい演奏です。オーケストラがバンバン、ドンドン鳴らします。


 このセットは想像をはるかに超えた充実ぶりでした。私にはテンシュテット再発見となりました。お買得のボックスセットです。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

「日吉大勝軒」(日吉)

〔7/2〕

          

 最近は「野菜盛りワンタン麺」の麺半分、900円です。見た目とは違いこってり濃厚スープ、スープに絡む中太ストレート麺、ぴりっとコショウの効いたシャキシャキ野菜とどれも相変わらず旨いです。そしてこの野菜盛りが実に美しい。最高の一杯です。



〔6/7〕

          

 前回気になったメニュー‘釜揚げ’を注文しました。チャーシューせいろの釜揚げです。茹で上げた麺が湯の中に入れて提供されます。チャーシューも湯の中です。

 熱い汁に熱い麺、所謂‘あつあつ’は相性がいいです。もっちり麺をズルズルいただけました。初めて食べましたが要するに中華麺を別椀のつけ汁で食べるものです。
 ハムのような上質脂のチャーシューもお湯にくぐらせるとさっぱりとして味が変わりますがいい感じです。釜揚げ麺も湯通しチャーシューもとても気に入りました。



〔6/5〕

          


 久しぶりに日吉大勝軒です。大好きな「野菜せいろ」(950円)にワンタン(50円)をトッピングです。

 茹でたキャベツともやしに黒こしょうが振られていてぴりっとシャキシャキ美味です。せいろだと麺をぺろっと食べられるので量多めを忘れがちですが、やっぱり結構な量があります。ここは体調万全、間違いない空腹感のある時に行く店ですね。
 温かい中華麺もたまに試したくなるのですが、私には量が多過ぎです。麺半分もありますが50円引きだともったいないようで・・・。別のお客さんが中華麺の大盛りを注文していました・・・ここの大盛りを食べられるとは凄いです、私には無理です。


          

 つけ汁は濃厚な脂の浮いたこってりスープです。とても美味しかったです。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )