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『老人ホーム リアルな暮らし』を読みました

2019-08-24 22:22:22 | 本と映画


小嶋勝利さんの『老人ホーム リアルな暮らし』を読みました。
第一の感想は、なんて正直な・・・と。

介護職の仕事が大変(そう)なのは風の噂で誰もが知るところだと
思うのですが、著者はこのように書いています。

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(P23~)
私は前々から、介護保険事業は失業者に対する雇用政策の中で発展してきた業界で
あると言ってきていますが、まさに、資格さえ取得すれば、どのような人であって
も、仕事にありつけ、一定の所得を得ることができるという仕組みになっているので
す。昨今の現状では、資格さえあれば、ほぼ無条件で仕事に就くことがで
きるはずです。


(P99~)
批判を恐れずにいれば、私自身も含め、介護業界で働いている人たちは、皆、
「負け組」だと思います。(中略) リストラされたり、自らドロップアウトせ
ざるを得ない人たちが、仕事を求め、介護業界に流れ着き、結果、たくさんの
人たちが働いています。


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確かに、敷居が低い(すぐに雇ってくれそうな)業界のイメージはありますね。
以前わたしも保険代わりに、ヘルパー2級の資格でも取っておこうかと
考えたことがあります。
でも、入ってみると何かと制限が多く、窮屈なようです。
しかも給料が安い。ストレスたまりそう。↓↓↓

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(P24~)さらに、ホームの運営には、行政が決めたルールがあるので(中略)
どの事業者も同じような運営方法にならざるを得ません。(中略)
工夫してサービスの内容を考えても、「そのサービスはルール違反ですよ」と
言われてしまう業界です。私もそうですが、介護業界に身を置いた者の多くが
感じていることは、「余計なことはしないで、言われたことを忠実にやっていれ
ばそれでよい」という圧力です。


(P102~)
今後、高齢者が一定数存在し、それをリカバリーするには介護職員は必要と
いうのであれば、まずやらなければならないことは、介護職員に対し、高い
ハードルを設けないことです。(中略)利用者や入居者に対して、介護とは
介護保険制度という国が運営している仕組みあってのことなので、最低限の
ことしか期待しないでほしいという教育をしなければなりません。(中略)


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日本のサービスはいままで良過ぎたんですよ。
最近は徐々に自己責任やセルフサービスが増えてきましたが。
人手不足、少子高齢化、財政赤字・・・等々の現実を受け入れなければ。

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(P103~)
介護保険制度は、たしかに良い制度だと思います。1割から2割程度の負担で、
人から具体的な支援を受けることができる制度です。加齢などを理由に
自分のことが自分でできなくなった高齢者が、社会の中で自立して生きて
いくには、必要なサービスだと思います。


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たしかに。
昔のように大家族でお年寄りもさほど長生きせず、旦那の給料もよく、
嫁は専業主婦で・・・なんて時代ではないですからね。
核家族(単身急増)、共働き、お年寄りはやたらと長寿・・・だと無理無理!!
最後に ↓↓↓

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(P103~)
さまざまな経験を重ねていくうちに、認知症や寝たきりは、特別なことである
と考えていたことが、日常的なこと、普通のことという理解に変わった。
人は加齢とともに認知症状を発症するものです。認知症状を発症しないで
死ねるのは運がいいから? ということが自然と理解できてきた・・・


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業界にいればそういう悟り(?)を得られるのかもしれませんが、
自分や実親がそうなったら、やっぱり、いやだ。

最後100ページ弱は実際老人ホームであったエピソードが
つづられていましたが(18人の)、いろいろあるもんですね。

私の祖父も「そよ風」(ユニマット系)という施設にお世話になっていましたが、
職員さんも大変だったんですね。
私が施設に会いに行き挨拶すると、優しそうな笑顔で返してくれるんですが、
ふとした時にその職員さんが視界に入ったとき(たしか食事の時)、
能面みたいな顔で不機嫌そうな顔で立っていたのを思い出します。
まあ、楽しい仕事ではなかっただろうね・・・。

ついでに参考に→
介護保険料年10万円超 大企業の社員、負担ずしり
(8/24日経記事)

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コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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Unknown (ジイジ)
2019-08-25 12:46:31
介護業界で働いている人たちは 皆「負け組」の人達なんですか!
これから高齢化が進むので「負け組」の人達も増えてくれないと!人手不足になりますね。
この仕事を東南アジアの人達に押し付ける方針はどうかと思いますが やってくれる人達が居る事に感謝ですね。

父親は脳梗塞で6年間寝たきりとなり(30年以上前)母親が介護しました。 後で聞いた話ですが 何回殺そうと思ったか…と言ってました。
その母は96歳までの長寿でしたが 最期の2年ほどは老人ホームの世話になって 兄たちが面倒を見てくれました。
私はこっちに上京しているので 介護の大変さを直視しておらず奉仕の体験も無いままに… お世話になる番が近づいています。
歳をとったら「赤ちゃん返り」と言いますが 可愛さなしの「赤ちゃん返り」でしょうから 介護師さんの食事の時の能面みたいな顔も想像できますね。

やたら長生きしたくはありませんが…
今まで乗っていた電動自転車が壊れて 2日前に新しいのと買い換えたんです。
折角新車になったので 肩身を狭くして!!!もう少し長生きして楽しんで乗りたいと思います。
あと 安楽死希望ですが…!。

因みに 今年の介護保険料は81.840円になっています。
返信する
Unknown (poor-girl)
2019-08-25 14:40:11
>介護業界で働いている人たちは 皆「負け組」の人達なんですか!

私に言われてもわかりません。
著者さんはそう感じているようです。
私はそうは思いませんけど。

介護、なかなかできませんよ。
若いときに結婚した相手やかなり好きな人にしかできない。
年取って熟年婚した相手の世話なんかできない気がする。
親の世話だって、ちょっとね。
家族なら愛情で乗りきれるのでしょうか?
ジイジさんはいいお兄様がいらしていいですね。
お嫁さんもいい人なんですね。感謝しきれませんね。
私だったら義母の世話は絶対イヤ。

そよ風の職員さん、なんかめんどくさそうな顔で見てたなあ。
私は祖父が大好きだったか悲しかったです。
返信する
追伸 (poor-girl)
2019-08-25 15:00:11
ジイジさん、介護保険料、超高いですね。
年金生活の人からもそんなにとるんですね。
国会議員を減らしたり報酬を下げたり、
そういうところから着手してほしいですね。
安部さん、定数削減の約束、守ってないし!
返信する

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