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500回を迎えた朝鮮学校無償化を求める文科省前金曜行動

2023年12月21日 | 集会報告

12月15日金曜夕方、虎ノ門の文科省前で毎週開催されている金曜行動が500回を迎えた。
金曜行動は、朝鮮学校無償化排除への抗議活動である。高校無償化制度は2010年4月民主党政権下で始まったが、中井洽・拉致問題担当相らが朝鮮学校だけを除外するよう働きかけた。その後2012年末政権を奪還した第二次安倍政権の下村博文大臣が13年2月文科省令を変更して、朝鮮学校を法的に排除した。
これに対し朝鮮大学校学生らが13年5月から文科省前で始めたのが金曜行動の始まりである。それから10年あまり、大きな集会を行い署名を集め、高校生たちが裁判を提訴したり、日本政府が国連人権理事会、人種差別撤廃委員会、人種差別撤廃委員会などから何度も是正勧告を受けたのに、10年間事態はまったく変わらない。
そしてこの日500回目の抗議行動が実施された。


高校に加え19年10月スタートした幼保無償化からも朝鮮幼稚園は除外され、コロナ禍の緊急給付金も朝鮮大学校の学生にだけは支給されなかった。また各自治体の朝鮮学校補助金も減額や停止が相次いだ。
裁判が終結したころ、各朝鮮学校を支援する地域の団体づくりが立ち上がった。わたくしが定期的に(とはいうもののせいぜい月1度に過ぎないが)金曜行動に参加するようになったのも昨年春からなのでまだ2年足らずだ。かなり強い雨が降っても、強風が吹いても、猛暑でも極寒でも文科省前で立ち続けるのが金曜行動だった。

冬の豪雨のなかの金曜行動(2023年2月10日)

文部科学省、文化庁の表札が掲げられた玄関の前だが、わたくしが参加してしばらくは出入口として使用されていたが、いまは閉鎖され玄関としての機能はない。門前払いそのもので、まさに日本政府の態度そのままだ。
この日の金曜行動には500人もの人が集まった。いつもは20-50人くらいなので、驚いた。朝鮮大学校の学生、朝鮮高校の生徒、韓国から来日した市民・学生、いつもは各地で活動している市民など多士済々だった。
10人の方からスピーチがあった。
朝鮮大学校の男女の学生、東京朝鮮高校の生徒、元保護者らから「10年抗議し続けても是正されない」「憲法の教育権を保障しろ」「差別し、弾圧する日本政府」「郷里でも抗議の声を上げたが、東京に来てもまだ叫ばないといけない。くやしさがこみ上げる」「けしてあきらめない、勝つまで闘う」と、次々に抗議の声を上げた。

スピーチする人が交替する合間に、高校生たちが「日本政府はただちに朝鮮高校に対する不当な差別をやめろ!」「すべての子どもたちに学ぶ権利を保障しろ!」とシュプレヒコールを上げ、参加者全員が文科省庁舎に向かって拳を振り上げ唱和し、「やめろ!」「保障しろ!」「適用せよ!」と叫んだ。
韓国から来日した人は、ソウルでも日本大使館前で金曜行動が行われていることを紹介し「皆さんとわたしたちはつながっている。共に闘っていきます」と連帯を強調した。、あた「在日は日本の植民地政策の犠牲者だ! 税金を払う住民でもあるのに権利は保障しない」とこの問題の本質を衝くアピールをした。
大椿ゆう子議員(参議院比例・社民は大阪市生野区の住人で「在日の多い地域なので共生・多様性のまちが形成されている。大阪でも府庁前で火曜日行動を行っており、その歴史は東京より1年古い。それは橋下徹市長(当時)と大阪維新のもと、大阪府・市が2012年に朝鮮学校への補助金交付を停止したからだ。官製ヘイトは大阪から始まった」と述べた。

また、墨田区八広の東京朝鮮第5初中級学校を支援する会(なかま会)の方から、今年10月発足した会の紹介があった。現在校舎の改修工事中だが、焼き鳥を450本売ったり、チャリティコンサートを行い資金協力した。また地域の日本人に民族学校への理解を深めてもらう活動をしている。

最後に、いつも金曜行動の締めに歌う『声よ集まれ、歌となれ』を大合唱した。この歌は現在朝鮮大学校教授の李英哲さんの作詞・作曲である。
 どれだけ叫べばいいのだろう 
 奪われ続けた声がある 聞こえるかい? 聞いているかい? 
 怒りが今また声となる ソリヨモヨラ ノレヨオノラ 
 声よ集まれ歌となれ
 トンムヨモヨラ ノレプルジャ
 友よ集まれ歌を歌おう

まさに、この歌詞どおり「どれだけ叫べばいいのだろう」「怒りが今また声となる」という気分になった
夕暮れ時の文科省前だった。

●アンダーラインの語句にはリンクを貼ってあります。


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