多面体F

集会報告、読書記録、観劇記録などの「ときどき日記」

秋葉原の電気街に赤津加あり

2009年03月31日 | 居酒屋・銭湯紹介
秋葉原の電気街のなか、総武線からわずか30mくらいしか離れていない場所なのに、黒い板塀、白壁に「菊正宗」の看板がかかる居酒屋がある。東京の「奇跡」とでもいうような店だ。店内はちりひとつなく、磨き上げられたテーブルや床、きちんと神棚が祀られていて清潔さを感じさせる。

この店にはいろんなものが掛けてある。正面入り口の上には、浅政、丹藤、古門、谷口、松正、三幸、角助など木の表札がかかっている。落語の一門かと思って尋ねると、青果市場の屋号だそうだ。調べてみると、青果市場は昭和3年から平成元年まで61年間、秋葉原駅北口にあった(その後大田区東海に移転)。
入って右の壁には、朱色の手形をいくつか押してある額がかかっていた。これはお相撲さんの手形だそうだ。また色鮮やかな鷲神社・酉の市の熊手も華やかに飾られていた。
さらに、常連客のグループらしい「赤子会」からママさんへの感謝状も飾られていた(ただし2004年4月のもの)

席数は、コの字型カウンターに14席、座敷に6人程度、4人掛けテーブルが6つと、中くらいの規模だ。しかし6時半から8時ころまでは予約の客が入るのでほぼ満席で、運がよければ入れるとのことだ。

この日食べたのは、穴子の照焼(850円)、お新香(450円)、肉じゃがだった。青果市場の屋号の札が並んでいるだけのことはあり、お新香のなすや肉じゃがのじゃがなど、野菜がうまかった。
その他のメニューは、中とろ1200円、まぐろぶつ850円、たこぶつ850円、丸干し650円、えいひれ650円、川えび唐揚げ600円、冷奴450円、揚げ出し豆腐520円、やきとり520円、帆立かき揚げ 880円 まぐろたたき豆腐 650円など。またメニューに季節料理赤津加とうたうだけあり、この日は、白子フライ800円、牡蠣ちり蒸し780円、蛍いかとふきの卵〆750円、若竹造り800円などおいしそうなメニューが並んでいた。
一品ずつみると、わたしが行くような店よりちょっと高めだが、「正しい居酒屋」ではこういう価格帯だったように思う。

じつはこの店には、10年近く前に一度来たことがあった。太田和彦さんの「完本・居酒屋大全(小学館文庫 1998.10)を読んだからだ。99年夏、勤務先の事務所が虎ノ門から渋谷に移転することになり、行きにくくなる方向の店をいまのうちに集中的に行っておこうと考え、この本をガイドに回り始めた。(この点、佃島から横浜に転勤された浜田さんと事情がちょっと似ている)。それでお茶の水の鶴八、神田の新八、根岸の鍵屋、人形町の笹新、湯島のシンスケなどを訪ね歩いた。いま考えてもいい店が多い。太田さんも昨年冬にCS放送収録のため再訪されたと、店の人が言っていた。
電話:03-3251-2585
住所:東京都千代田区外神田1-10-2
営業: 17:00-22:30(土曜は21:30)、日祝および第1・3土休
  瓶ビール 720円、生ビール中ジョッキ 560円
  日本酒 菊正宗・本醸造(一合) 460円


☆秋葉原で降りたのは数年ぶりだ。駅北口には超高層の秋葉原UDXとダイビルがそびえていた。UDXは、22階建て、延床面積16万平方メートル、2006年3月にオープンした。4階には東京アニメセンターがある。小学館、角川グループ、バンダイなどが協賛しているのでドラえもんや、ケロロ軍曹などの人形やアニメグッズが並んでいた。5階から上のオフィス部分は閑散としていた。2階の南側にかなり大きな休憩スペースがあり、秋葉原の町を訪れる人にとってありがたい。
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