現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

CHIKAKU@向ヶ丘遊園

2006-04-08 | アート感想@関東
小田急の向ヶ丘遊園からてくてく歩き、生田緑地の中にある美術館へ。

CHIKAKU/四次元との対話
―岡本太郎からはじまる日本の現代美術


オーストリアとスペインで開催された「日本の知覚」展をもとにした、日本での帰国展。それまで考古学の資料に過ぎなかった縄文土器を、はじめて美術的に評価した岡本太郎。その岡本が「四次元」と呼んだ日本人の呪術的感覚を切り口に、岡本を含む15人の作家たちの作品で構成された展覧会。

とにかく豪華なメンバーによる展覧会だった。草間彌生やなぎみわ須田悦弘小谷元彦など、ベテランから若手まで個性的な顔ぶれがそろう。それらに加え、森山大道中平卓馬杉本博と日本写真史をリードしてきた写真家も出展。これら3人の写真と並んで、岡本太郎の写真も展示されていたけど、写真界の巨匠たちと並べても全く見劣りしない存在感はさすが。

今回最も印象に残った作品は、エントランスホール中央に吊るされていた森脇裕之の《Lake Awareness》。この作品は電子基盤をすり鉢状に組み合わせた作品で、手を近づけるとLEDが青色から白色に変化し、鈴虫のような音が鳴るというもの。作品の表面に沿って手を動かせば光の軌跡が残るし、近づけた手を動かさずにいると光が作品全体にわーっと広がっていく。この感覚が面白くて、夢中になって遊んでしまった。それと、すり鉢の中央に入って、光に包まれることも可能。

このほか、伊藤高志による、無人の体育館で撮影した700枚の作品を再構成した映像作品《SPACY》が印象的だった。ただ、小谷元彦は、《ベレニス》が電気系統の故障のため見られず、《スケルトン》だけだったのが残念。あと、須田悦弘は2点出展しているけど、下手をすると両方とも見落としそうなので注意!

川崎市岡本太郎美術館にて、6月25日まで(月曜休館)。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBご迷惑でしたら削除してください (悠歩(まめどまめ改め))
2006-04-16 20:40:18
まめどまめの名で発信していたブログ(すでに閉鎖)で何度かTBさせていただきました。

アートは好きなのですが、アートを見る目や文章力がないもので、お恥ずかしいことばかりです。

pizzさんのレビューには教えられることが多いです。

私からのTB、ご迷惑なようでしたら、どうぞ削除してください。

これからも貴ブログの記事で勉強させていただきます。
返信する
悠歩さんへ (pizz)
2006-04-17 07:05:01
コメント&TBありがとうございます。

私も、正規の美術教育を受けているわけではないので、

まったくの我流で、あんまり参考にならないかもしれません。

ただ、肩肘張らずに、書いて(できれば読む方も)楽しいブログを、

続けていければと考えています。

返信する
Unknown (fivesenses)
2006-04-25 00:59:33
いつも拝見しております。

本当に現代美術がお好きなのが伝わってきます。ご迷惑でなければTBさせてください。
返信する
fivesensesさんへ (pizz)
2006-04-25 08:36:56
コメントありがとうございます。

TBはご自由にどうぞ。



(本来、TBは相手の記事に言及したことを伝えると同時に、相互リンクを一方的に完成させるものだそうですけど、私はカタいことを言うつもりはないです。)

返信する