現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

「こども」展2つ@豊田市美

2006-05-05 | アート感想@遠征
豊田市美術館に行ってきた。この日は無料入館日だったけど、お客さんの入りはそこそこで、じっくりと作品を観ることができた。

開館10周年記念 VISION II 「The Child-内なるこども」

「こども」をモチーフにした国内コレクション約80点による企画展。青木繁オーギュスト・ルノワールなど20世紀初頭の絵画から、加藤泉播磨みどりなど今世紀の作品まで、約100年の美術史を「こども」というテーマで概観できる展覧会でもある。

会場に入ると、荒木経惟の写真《さっちんとマー坊》シリーズが目に入ってくる。活き活きとした子どもの表情を見ていると、あの頃の感覚がよみがえってくるような気がした。この展覧会を象徴するような作品かも。

続いて、木村伊兵衛岸田劉生土門拳高松次郎パウル・クレーエドヴァルト・ムンク古賀春江など、ビッグネームの作品が並ぶ。私が好きなクリスチャン・ボルタンスキーの《聖遺物語(プーリムの祭り)》もあったけど、明るい場所に展示されていたのがちょっと残念。

そして、シメはお待ちかねの現代アート。1980年~94年に制作された奈良美智作品を、7点まとめて観られたのが良かった。あと、豊田市美術館の宝(?)会田誠の《あぜ道》もあり。

豊田市美術館にて、6月18日まで(月曜休館)。


秘密基地-現代美術とこどもをテーマにしたコレクション展

前述の「The Child-内なる子ども」展にあわせたコレクション展。「秘密基地」というタイトルのとおり、あの頃のワクワク感を思い出させるような展覧会。

なかでも最初の展示室が素晴らしかった。室内から伸びたレールに誘われるように展示室に入ると、大量の銃のレプリカが整然と並んでいて異様な光景(榎忠《秘密基地 You're on call at the “HUSH-HUSH”》)。その周囲を線路が取り囲み、奇妙な電車が3台停まっている(ヤノベケンジ《サヴァイバル・システム・トレイン》)。そして、そして壁を飾るのが丸亀で観た大岩オスカール幸男の《エイジアン・ドラゴン》。もう、この部屋だけでお腹いっぱい。冒頭の写真は、この展示室を上から眺めた様子。

このほか、コブラ・タテゴトアザラシ・イワシクジラなどの皮で作られたカラフルなランドセルが並ぶ、村上隆の《R.P.(ランドセル・プロジェクト)》や、回転型球形ジャングルジムに小さな写真を大量に貼った、小沢剛の《グローブ・ジャングル》が印象に残った。あと、中原浩大の《無題(レゴ・モンスター)》を上から覗けるのも面白い。それから、須田悦弘の《雑草》も、とある場所にあり。

私にとっては、企画展よりこっちの方が面白かったかも。それにしても、コレクションだけでこれだけの展覧会ができるとは……恐るべし、豊田市美術館。

豊田市美術館にて、6月18日まで(月曜休館)。


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4 コメント

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すごいですね~ (kino)
2006-05-17 21:16:41
榎忠、オスカール幸男、村上隆、小澤剛・・・とすごいラインナップですね、常設?チラシのさっちゃんがインパクト大で、出不精の私も是非行ってみたい展覧会です。
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すごかったです。 (pizz)
2006-05-18 07:40:49
「秘密基地」展ですが、所蔵作品だけであれだけの展覧会ができるとは改めて驚きました。

「内なるこども」展の《さっちんとマー坊》は、作家蔵って書いてありましたけど、世田谷美術館でも所蔵しているみたいですよ。

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.com/ (meme)
2006-05-21 19:43:57
秘密基地展、と内なるこども展の二本立てはたまりませんね。

私はpizzさんが行かれた日の翌日6日に行きましたが、この日は、ヤノベさんのトレインを実際に稼動させたり、榎忠さんのライフルを実際に持ち上げることができたりと楽しい1日でした。
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memeさんへ (pizz)
2006-05-22 07:34:38
コメントありがとうございます。

6日にイベントがあったとは知りませんでした。

1日ずらせばよかった……。

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