現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

風景遊歩@丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

2005-04-30 | アート感想@遠征
瀬戸大橋を渡り、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(写真)へ。ここはアクセス(丸亀駅の目の前)、建築(谷口吉生設計)、企画の三拍子揃った美術館で、これで4回目の来訪。(東京在住にしてはちょっと多過ぎ?)

風景遊歩 sight-cruising

「風景」といっても単純に景色を描いたものではなくて、作家の多様な個性を風景(のようなもの)に反映した作品を集めた展覧会。「あたらしい風景」と「みえない風景」に分類された作品は、部屋の両側に向き合うように配置されていて、二つの風景の対比がとても刺激的だった。

なかでも特に印象に残ったのは以下の3点。

大岩オスカール幸男の《エイジアン・ドラゴン》は、アジアっぽい発展途上国のごちゃごちゃしたスラムと工場を描いた作品。滝のような雨がが降り注ぐなか、工場や貨物列車には「竜」のイメージが重なっていて、日本が高度成長の過程で失ったものを観てしまったような気がした。

会田誠の《人(hi-to:human being)PROJECT》は、今回初めて実物を観ることができて感激!映画「≒会田誠」では、作家本人が途中で描くのに飽きていたけど、その大きさと緻密さを目の当たりにしてそれにも納得。絵には日本語と英語でプロジェクトの説明が書いてあるけど、日・英で少し文章を変えてあったのは、何か意味があるのだろうか?

高木正勝の《bloomy girls》は、長い髪の少女をイメージしたヴィデオ・インスタレーション。絨毯に置かれたビーズクッションにもたれて、色とりどりの映像と聴きやすい音楽に身を任せると本当に心地いい!ミュージアムホールでも上映があって、映画館並みの設備で作品を楽しめるのも良かった。

上の挙げたのは「みえない風景」ばかりだけど、「あたらしい風景」では畠山直哉の《Underground》シリーズや、野村仁の《赤道上の太陽》が印象的だった。

6月12日まで、会期中無休。

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