現代アート道楽の日々。

首都圏の展覧会の感想など。しばしば遠征。【不定期更新】

現代中国の美術展@茨城近美

2006-01-04 | アート感想@関東
水戸へ行ってきた。今年初の展覧会めぐり。

水戸駅北口8番乗り場からバスに乗り、文化センター入口で下車。水戸はバスの本数が多くて便利。バス停の目と鼻の先にあるのが、茨城県近代美術館(写真)。

現代中国の美術展

もともと水戸芸が目当てで、こっちはついでだったけど、質・量ともにレベルが高い展覧会でビックリ!はっきり言って、水戸芸よりもこっちの方が良かった。

この展覧会では、中国最大の公募展「全国美術展」の受賞作品の中から、日本側主催美術館が厳選した95点の作品を展示。予算の都合で絵画作品のみだけど、数万点の中から選ばれただけあって、完成度のきわめて高い作品ばかり。

しかも、モチーフ・技法ともに作家の個性が強く出ていて、ただ眺めているだけでも十分に刺激的な作品ばかり。近年中国では、国際展で活躍する「反体制側」の作家の実力を、国が認めるようになってきているらしいので、それも影響しているのかも。

出展作品は、中国画、油彩画、版画、水彩画、漆画、年画、連環画、漫画と多彩。なかでも日本画とほぼ同じ技法を用いる中国画に印象的な作品が多かった。

王申勇/ワン・シェンヨンの《パンダ》は、中国的な表現で描かれた木に、西洋的な写実表現で描かれた5頭のパンダが戯れるのを描いた作品。パンダの毛の一本一本までが丁寧に描かていれ、毛のモコモコ感がとにかく可愛らしかった。

何暁雲/フー・シァオユンの《質朴と華麗》は、都会らしいオシャレな格好の女性が行きかう街の中で、軍服姿の女性2人がキリリと歩く作品。現代中国を象徴したモチーフと、遠くからでは真っ白に見えてしまうくらい淡い色使いが印象的だった。

このほか中国画では、中国初の有人宇宙船「神舟」をマンガのような立体感で描いた王利/ワン・リーの《日月星辰》や、農村の女性・牛・犬を写実的に描いた王宓/ワン・ミーの《納湖湖畔》が特に印象に残った。

油彩画では冷軍/ロン・ジュンの《モナリザ―微笑のデザイン》が凄まじかった。皮膚から透けて見える血管までを徹底した写実で描いたこの作品は、写真よりもリアルな存在感があり、本物の女性に見つめられているような感覚を覚えた。印刷だとこの凄みは伝わってこないので、ぜひ本物を観てほしい!

茨城県近代美術館にて、2月5日まで(月曜休館、ただし1/9開館、1/10休館)。

その後、新潟市美術館(4/7~5/14)、日中友好会館美術館(東京、5/20~7/2)、福岡アジア美術館(9/16~10/29)に巡回予定。


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4 コメント

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きとさちさんへ (pizz)
2006-05-08 07:57:41
コメントありがとうございます。

今ちょうど新潟でやっているんでしたね。

こんど東京にも巡回するので、また行こうと思っています。

ホント、いろんな人に観てもらいたい展覧会ですよね。

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Unknown (きとさち)
2006-05-03 19:09:35
はじめまして。

わたしは新潟市美術館で見てきましたが、

本当に絵画から伝わるパワーに圧倒されました。いろんな人にみてもらいたい展覧会ですね。
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イッセーさんへ (pizz)
2006-01-08 12:38:09
最初にチラシで見たとき、私も写真かと思いました。

しかも、実物は写真以上と言っても過言ではないくらい。

ホント、新年早々凄いのを観てしまいましたね。

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Unknown (イッセー)
2006-01-07 18:21:44
pizzさん

こんばんは、コメントありがとうございます。

私も軽い気持ちで行ったんですけど、レベルの高さに驚きました。

「モナリザー微笑のデザイン」は凄かった。写真家と思いました。私も図録買ってしまいました(笑)。
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