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文化逍遥。

良質な文化の紹介。

『縄文美術館』小川忠博 写真、2013平凡社

2014年03月23日 | 本と雑誌
縄文時代の遺物には、懐かしさと共に心惹かれるものが多い。
以前は土偶などに関して「稚拙」と評価されることもあったが、今では再評価が進み独自の世界観を表現した文化財として正当に評価されるようになってきた。
実際、デフォルメされた象形は奥が深く、現代美術にも通じるものがあるように感じる。


Zyoumon

昨年3月に出たこの写真集は、撮る者の縄文文化に対するいとおしさが滲み出ているような優れた写真ばかりだ。
わたしも長年古文書などをマイクロ写真にする仕事を続けてきたが、縦横しかない文書を写真に撮るのもなかなかうまくいかない事が多い。ましてや縦横に高さが加わる3次元の世界を平面である写真に写しかえるのは、レンズやカメラさらに光の使い方に熟達した者でなければ不可能なのだ。その点、この写真集を見ていると「んー、すげぇ・・・」と思わず唸ってしまう。
ぜひ、多くの人に手にとって貰いたい一冊である。




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梅にメジロ

2014年03月16日 | バードウォチング
家の狭い庭にある梅に今年も花が咲くと、匂いに誘われてか毎年のようにやってくるメジロ。

Ume1
たいがい二羽で来る。やはりツガイだろうか。


Ume2


Ume3


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梅の蜜が好きらしい。


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童謡詩人の死

2014年03月09日 | 音楽
2月28日童謡詩人のまど・みちお氏が亡くなった。104歳だった。

わたしは、童謡が嫌いだった。正確には学校で教わった童謡などの歌はみな嫌いだった。
ちっ、にい、さん、しい、と拍を強調して弾く先生のオルガンに合わせて、正確に音程を取れないと怒られた。成績はともかくとして、社会に出てから歌が譜面どおりに歌えなくても誰も困らないし、音楽学校でもない限り将来プロのミュージシャンになる子どもはほとんどいないのだから譜面を理解する必要もない。もっと音楽することの楽しさを教えて欲しかった。

童謡など無くてもいい、と思っていた。

そんな認識が変わったのは、認知症になった母の介護をするようになってからだった。
童謡のCDを流していると母の気持ちは少し安定し、時にうれしそうにいっしょに歌っていた。また、寝たきりになってからは、ケアを頼んでいるヘルパーさん達も童謡が流れたいると落ち着いて仕事が出来るようだった。

そういう音楽の場もあるんだなあ、と思った。
今は、若い頃の視野の狭さを恥じ入るばかりだ。



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パコ デ ルシア氏を悼んで

2014年03月01日 | わたしのレコード棚
2月26日パコ デ ルシア(Paco de Lucia)氏が滞在先のメキシコで心臓発作のため亡くなった。66歳だった。
フラメンコ・ギターを基とし、新たな音楽を模索し続けた優れたミュージシャンだった。

Paco
わたしが繰り返し聴いたのは、この1974年マドリードのテアトル・レアルでのライブ盤。
フラメンコ・ギターの素晴らしさを世界が認識した、と言っても過言ではない録音だ。
その後ジャズに近づいた演奏をするようになって、伝統的なフラメンコ愛好家からは受け入れられないところもあったようだ。が、音楽は広く寛容であった方が良いのだ。

ずいぶん前1990年代中頃だったか、わたしは渋谷の東急文化村ホールで生演奏に接したこともある。カニサレスらとのギタートリオで伝統的なフラメンコを中心としたプログラムで、落ち着いた良い演奏だった。

世界中を精力的に飛び回り活動していた人だったので体に無理がかかったのだろうか、まだまだ活動を続けて欲しかった。

合掌


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