
先日、写真家の藤田めぐみさんからいただいた一冊。
藤田めぐみさんは写真家としてたくさんの作品を発表されていますが、川柳作家の徳永政二さん(私が大好きな作家さんです)の句集にも余韻のある写真を添えていらっしゃる素敵な女性。そして川柳家としてもご活躍です。
徳永さんの3作目であるフォト川柳句集「くりかえす」は、心が甘酸っぱい何かを思い起こさせる川柳とめぐみさんのストーリー性たっぷりの写真のコラボで
何度も読み返したくなる、そして傍らに置いておきたくなる句集です。
今回皆さまにご紹介したいのは、2011年に逝去された山内令南(やまうちれいなん)さんの作品集「夢の誕生日」です。
山内さんは看護士として働いていましたが、2010年7月に食道がんが見つかりその後療養生活に入られます。
2011年、療養中に書いた小説「癌だましい」で第112回文學界新人賞を受賞、二作目の「癌ふるい」を書きあげた直後にお亡くなりになりました。
今回の作品集は彼女が亡くなってから関係者の方が遺稿をまとめて出版されたものです。
写真家のめぐみさんは、お仕事の依頼があった時に複雑な想いがおありだったとのことですが、令南さんの言葉を照らし出すような素晴らしい写真を添えていらっしゃいます。

この本には死を悟った令南さんの目と心でとらえた世界が川柳、俳句、短歌、詩を通して動く言葉で表現されています。
そしてめぐみさんの写真が令南さんの気持ちを代弁しているかのように訴えかけてきます。
『これから作るわたしの夢の誕生日』 山内令南
今を生きることは生かされていること。この世に姿形が無くなっても言葉は伝えられていくものであることを想った作品集でした。
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