当地のテーブルの上に置かれている楊枝は「SAMURAI」なんです。どーいう連想なんでしょうかね。しかもその絵柄が、勧進帳の弁慶が崩れた感じで、何か誤解しているとしか思えないシロモノです。右に刀差してるし。
イタリアでは70年代後半に「木枯らし紋次郎」が大ヒットしたので、爪楊枝と日本の時代劇のイメージが結びついたのでしょう。
そういうわけで、この高原に来てわたしが観た映画が、日本からDVDを持って来た吉川英治原作の「宮本武蔵」。サムライの中のサムライを描いた50年前の映画です。萬屋錦之介主演。内田吐夢監督。全5作。10時間あります。筋を知っていても相当見応えあります。殺陣もすごい。
まあこの萬屋錦之介の武藏、文句のつけようのない役作り、堪能できます。佐々木小次郎が高倉健で、これがまあどうかという感じがしますが。あと三國連太郎の沢庵禅師、木村功の又八、浪花千栄子の本位田のおばば、いーですねえ。音楽が一作目だけ伊福部昭なんですよ。迫力あります。鎖鎌の宍戸梅軒がまるまるカットされてるんだよなあ、残念。
武藏を10年以上も追い回したお通というのは、究極のストーカーだな。