生理学研究所(愛知県岡崎市)は12日、感覚運動調節研究部門の柿木隆介教授(62)(神経科学)らの研究グループが、脳に微弱な電流を流すことでかゆみを抑えられることを世界で初めて突き止めたと発表した。慢性的なかゆみを訴えるアトピー性皮膚炎患者などの治療に効果が期待されるという。研究成果はオランダの神経科学誌「クリニカル ニューロフィジオロジー」9月号に掲載される。
柿木教授らは、脳への電気刺激で痛みが抑えられるこれまでの研究結果から、かゆみに対しても同様の効果があるのではないかと着目。被験者14人に対し、左右両側の大脳皮質にある感覚をつかさどる部分(感覚運動野)に電極で1ミリ・アンペアという微弱な電流を15分間流して刺激。同時に左手首に強いかゆみを起こす化学物質のヒスタミンを塗り、皮膚に浸透させてかゆみが変化するかを実験した。
この結果、左手のかゆみを感じる右側の感覚運動野に神経細胞の興奮をもたらすプラス電流を流すと、かゆみが早く鎮まることが分かった。神経を興奮させたほうがかゆくなくなる理由は分かっていないが、脳が興奮状態だと他のシグナルを感じにくいのではないかという。
電流はほとんどの人が感じないほど微弱で、体の負担が少ないうえ、薬を使わないため副作用はなく、持続的に使用が可能で、全身どこのかゆみにも効果が期待できる。
柿木教授らは、脳への電気刺激で痛みが抑えられるこれまでの研究結果から、かゆみに対しても同様の効果があるのではないかと着目。被験者14人に対し、左右両側の大脳皮質にある感覚をつかさどる部分(感覚運動野)に電極で1ミリ・アンペアという微弱な電流を15分間流して刺激。同時に左手首に強いかゆみを起こす化学物質のヒスタミンを塗り、皮膚に浸透させてかゆみが変化するかを実験した。
この結果、左手のかゆみを感じる右側の感覚運動野に神経細胞の興奮をもたらすプラス電流を流すと、かゆみが早く鎮まることが分かった。神経を興奮させたほうがかゆくなくなる理由は分かっていないが、脳が興奮状態だと他のシグナルを感じにくいのではないかという。
電流はほとんどの人が感じないほど微弱で、体の負担が少ないうえ、薬を使わないため副作用はなく、持続的に使用が可能で、全身どこのかゆみにも効果が期待できる。