農園の愉しみ, 感動の種を蒔きたい。

畑から一句(俳句)
畑のエピソード(エッセイ)
畑の感動(写真)

里芋や 芋名月の 月見かな

2018-09-28 09:56:24 | 日記
唐突ですが、時として人々を虜にしてしまう満月と、キヌカツギや煮っ転がしでよく知られる里芋は、切っても切れない関係にあります。里芋は、お供えとして、中秋の名月といわれる十五夜のお月見に、必ず登場していますね。それぞれに意味合いはありますが、里芋を中心とした芋類や野菜、団子、そしてススキをお供えとして、平安貴族の時代から一年で最も美しい月の観賞は行われてきたのです。では、なぜ里芋か? この時期は、里芋などの芋類の収穫期にあたり、月の神様をお招きし、お供えを用意し収穫のお礼をしているわけです。このような理由から十五夜の月は、中秋の名月と呼ばれるとともに、収穫を祝う主役として芋名月という別名でも呼ばれるようになってきたのです。見た目は地味な存在の里芋が、お月見のお供えに、どのお宅でも並べられてきたのは、偶然の出来事ではないわけです。ところで、先日の3連休の最終日にあたる、24日の月曜日、私たち農園メンバーは朝から農園で汗を流し、夜はそれぞれ自宅で中秋の名月を愉しむ充実の時間を過ごすことができました。例年栽培をしている里芋の収穫には少し早いので、試し掘りも、じっと我慢の連休でした。ただ嬉しいことに、23日の秋分の日(小望月)から翌日の十五夜、十六夜、立待月、居待月と、満月及び、ほぼ満月の夜が5日ほど連続。すべて快晴ではなかったものの、まん丸の月を堪能した人も多いと思われます。夜空に浮かぶ上野原の月も、思いがけない都内の月も、なかなか良いものですね(ストロー・ハット)。










土寄せや ネギ一線に ピンと立ち

2018-09-19 10:11:26 | 日記
本職の農家の指導で野菜作りだけでなく、道具の使い方、そしてちょっとしたコツまで学べる農園に体験農園があります。かなり以前に学んだことですが、体験農園での体験は、私たちの農園生活にかなり役立っているとも言えます。そのひとつに、土寄せがあります。なぜ、土寄せをするのか。私が学んだ知識では、関東以北で食べられている根深ネギ、つまり長ネギの葉鞘(白い部分)に土をかぶせることで、太陽光をさえぎり白さを保つことになります。それに比べ、関西や九州方面では上から下まで緑色をした葉ネギ(緑葉)が食べられ、白い部分を食べないため、土寄せの仕事が不要となるわけです。生活習慣と食習慣は、こんなにも違うものかと、改めて驚いてしまいますね。土寄せは、ネギの生育に合わせて何回か定期的に行うことが大切といわれますので、今年もしっかりネギの土寄せに励んだ次第です。ところが先日の台風と豪雨。畝が斜面の最下部にあるネギは、雨の洗礼を受けてしまい、ネギの畝は傾いてしまいました。それでも、土寄せ後の一週間で、ピン!と立つとは驚きです。ただ、それだけでなく、「レッドブーツ女史」が発見、おススメ中の野菜と土壌の活力剤のキキメがあるかと思われます。「HB」という、サッカー、ラグビー、アメフトのポジションの名のような、この活力剤の活躍の場は、土寄せ同様、野菜作りの武器となるかもしれません。それにしても、直立不動、横一直線のネギの美しさ。収穫してしまうのが惜しくなりますね。(ストロー・ハット)。










スコヴィルや すこぶる話題 唐辛子

2018-09-18 13:19:41 | 日記
世界各国では、若い人や激辛フリークを中心とした激辛ブームが続いていますね。その料理で使われる辛さの源泉は、大半が唐辛子。ハバネロ、ハラペーニョ等の南米系が圧倒的に辛く、これにそれなりの辛さを持った韓国唐辛子や、日本の島唐辛子や鷹の爪が続き、江戸時代から栽培され、種の復活運動に成功した江戸東京伝統野菜の「内藤とうがらし」をはじめとした八つ房系唐辛子が挙げられます。この唐辛子の辛さを図る尺度に、スコヴィル値という耳慣れない言葉があります。これは、唐辛子の辛味成分に含まれるカプサイシンの含有量を数値化しています。ちなみにハバネロのスコヴィル値は、日本の定番唐辛子である鷹の爪の7~8倍という激辛ぶり。ただ激辛料理が目的でなければ、一般的にそれなりの辛さを持つ鷹の爪がよく使われていますが、旨さと香りを求めて、八つ房唐辛子系の「内藤とうがらし」という、手があるわけです。私たちは、この「内藤とうがらし」をJR上野原駅からクネクネと3キロメートルほど甲州街道を上った交差点脇の農園で種子から育てているわけです。今年も順調に生育し、4センチから5センチの激赤唐辛子の収穫となりました。いわば、上野原の地産地消「内藤とうがらし」。また、甲州街道を挟んだ向かいの畑で、以前から上野原原産、唐辛子がつくられています。外見からは、「内藤とうがらし」と同じ八つ房系唐辛子の様な、鷹の爪の様な、旨さと辛さは、八つ房系を上回るような。写真で見ると微妙です(右、上野原の地産地消「内藤とうがらし」。左、上野原原産、唐辛子)。ところで日本には50種以上の唐辛子があり、交配も多いといわれるだけに、由来をまだまだ調べてみたくなりますね(ストロー・ハット)。










東雲は 茜に染まり 秋野菜

2018-09-12 13:14:53 | 日記
連続台風、連続豪雨、連続地震と、天変地異に襲われ続けている日本列島。さらに、この頃の世界的な自然災害にも、厳しいものがありますね。それでも、じっと周囲を見回すと、心休まる感動的な場面に出会うことが、よくあります。悪天候明けの先週土曜日が、そうでした。運よく遭遇した人も多いかと思いますが、東雲(しののめ)の茜雲(あかねぐも)が、それです。いくつかの辞書によれば、東雲とは、夜明け前の僅かな時間、夜が明ける頃の東の空の様子、と記されています。こういった現象は、短い時間のようですが、茜色に染まった燃えるような雲と空はドラマチックでもあります。私たち農園4人組は、毎週末の早朝に、都内の自宅から農園への集合場所に向かうわけですが、今回それぞれに、東雲を体験。異口同音に、その感動を話し合ったものです。この空模様、農園のある上野原に着くと、こんどは、抜けるような青空へ、空は刻々と変化を見せてくれました。こちらの空も、かなりのドラマチックぶり。秋空の美しさに、農作業も順調そのものです、秋野菜の王様といわれる、里芋や長葱の土寄せ、秋植え野菜の畝作り、茄子やピーマン、唐辛子の収穫と、結構作業がありますが、先週故障してしまったピアンタも修理を終えて帰ってきたこともあり、ますます順調。耕うん機のパワーと、耕うん機の操縦者である「ピアンタ」さんの労力の賜でもありますね。東雲と、青空と、皆さんに、感謝、感謝(ストロー・ハット)。










巣へ急ぐ 働きアリの 夏終わる

2018-09-10 08:55:18 | 日記
上野原の農園で、畑に鍬を入れ始めて、気付いたことがあります。畝の数か所にアリの巣があり、彼らは炎天下の畝で食料の類いを運び込んでいました。アリがいて、土があれば当たり前のことですね。ところが、農業に盲目的に打ち込むだけの私たちは、アリのなわばりの単なるおジャマ虫。そのうえ植物性ではありますが、アリ退治用のスプレーを使って毎年アリの進出に対処してきました。冷静に考えてみれば、我々人間の存在は、先住者のアリにとっては迷惑者。毎年夏になってアリの姿が目立つようになると、殺虫剤ではなく、アリの嫌う成分の入ったスプレーをまき、これで畑への出入りを少なくしていました。アリさんご免なさいですね。今年の場合も、いつもの時期に、いつもの場所に、巣穴を発見。気のせいでしょうか、9月に入っても、猛暑、豪雨が続く中、急ピッチで働くアリの姿が目につきます。巣穴へ、巣穴へ。これで、働きアリは、仕事を終えるワケですが、私たちには終わりなし。新たな仕事の始まりです。まだ夏野菜の収穫が残り、秋ナスは、ますます元気。秋野菜も里芋を始めグングン成長。これからの畝作りと種蒔き・植付けと、私たちの仕事はまだ山積です。仕事には、アリにはアリの、人には人のやり方があるようですが、収穫の秋に向って、野菜作りを愉しみながら頑張りたいと思っています(ストロー・ハット)。