それでも生きるために

「生きづらい」人びとのためにいくらかでも役に立つ情報を提供したり、共に生きるための提案や呼びかけをしたいと考えています。

「教えるとは希望を語ること 学ぶとは誠実を胸に刻むこと」

2008-12-31 | いろいろ
 これはフランスの詩人ルイ・アラゴン(1897~1982)の「ストラスブール大学」という題名の詩の一節です。この詩が収録されている『フランスの起床ラッパ』という詩集は1942~43頃、ナチスドイツによる占領に対する抵抗運動の中で書かれた詩をまとめたものです。この続きの部分は「かれらはなおも苦難のなかで その大学をふたたび開いた フランスのまんなかクレルモンに」(大島博光訳)とあります。当時、クレルモンに疎開していたストラスブール大学の教授や学生が銃殺されたり逮捕された事件を背景とした作品です。

 どんな状況に置かれても、どこかに希望を見いだしながら、そしてできることなら、時には何か希望を語りながら生きていきたいと思います。

 来年もよろしくお願いします。

野宿(ホームレス)を強いられても生きていくために

2008-12-30 | いろいろ
 今年の冬は例年にまして野宿生活を強いられたまま年を越さなければならない方が多いようです。凍死、栄養失調死、自死(自殺)などの増加が心配されます。各地で支援団体による炊き出しなどの活動が行われています。少しでも希望をもって新しい年を迎えたいものです。

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08年→09年越冬闘争に連帯する学生・フリーター実行委員会ブログ

 年末年始の野宿者支援活動についての情報


ケーテ・コルヴィッツの作品

2008-12-30 | いろいろ
ケーテ・コルヴィッツ(1867~1945、ドイツ)、美術家(版画、彫刻)。

 ベルリンの貧民街で貧困に苦しむ人々を描いた作品や第1次大戦で我が子を亡くした悲しみをもとにした作品を残しています。苦難の時代に生きていくことの重みが胸に迫ってきます。

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その生涯と作品(英語)


『ケーテ・コルヴィッツの肖像』 志真斗美恵 績文堂出版 
『ケーテ・コルヴィッツ』 清眞人 御茶の水書房

「生きづらい」時代に、人と人との「つながり」をつくること

2008-12-29 | 「つながり」をつくる
 毎年3万人以上が自死(自殺)、また孤独死する人びとも2万人とも3万人とも言われています。「いじめ」が学校だけでなく職場にも広がっています(「社内いじめ」、パワハラ)。「自己責任」原理、「競争」原理が強いられ、貧困が広がっている時代です。

 「生きづらい」人が孤立を深めると、ますます生きていくのがむずかしくなるでしょう。

 この「生きづらい」時代を、それでも生きていくためには、人との何らかの「つながり」をつくり、「つながり」の中で生きていくことが必要だと思います。その「つながり」とは人間的な信頼関係を深めていける「つながり」、お互いに生を支え合える「つながり」ではないでしょうか。

 これからも、「『つながり』をつくること」をテーマに書いていきたいと考えています。


メンタルな面で「生きづらい」人たちが働ける場

2008-12-29 | 「つながり」をつくる
 最近の急速な景気悪化にともなって、「派遣切り」や解雇されて失業される方がふえています。仕事を失うと経済的な困難だけでなく、自分の存在価値が失われた、あるいは否定されたように感じて精神的にもダメージを受けた方も多いと思います。そのほかにも、採用の面接を何度も受けても採用してもらえない方や求人票を見ても自分にできそうな仕事がなかなか見つからないという方もいることでしょう。

 いろいろな事情で自信を失ったりして、なかなか仕事に就けない、仕事を探す意欲を失っている方もいるでしょう。私は以前から不登校の子どもとその保護者からの相談を受けてきましたが、学校に行けなくなり、家に閉じこもりがちになって、成人しても社会に出ていきにくい方のことも聞いています。精神科の診療を受けるほどではないけれど、「生きづらさ」を感じ、仕事も思うようにならないという方のこともよく聞きます。

 知的障害や精神障害のある方のためには作業所などの就労支援の福祉サービスが制度化されています。しかし、福祉制度の枠にはいらないけれど就労困難な人々が「生きられる場」、「働ける場」が求められているのではと思います。

 ご意見などありましたらよろしくお願いします。

派遣労働者に対する派遣契約の中途解除(解約)について

2008-12-29 | 労働
1)派遣労働の仕組み

派遣労働者と派遣会社との間で労働契約(雇用契約)がむすばれる。

派遣会社と派遣先(実際に働く会社)との間で労働者派遣契約が結ばれる。

派遣労働者は派遣先の指示に従って働く。


2)派遣契約の中途解除(解約)
派遣契約の中途解除(解約)を派遣労働者に通告しても法的な意味はありません。派遣先が中途解除する場合は派遣会社に通知することになっています。

派遣労働者は派遣契約の中途解除の理由を派遣会社に問うことができます。

派遣契約の中途解除された場合、派遣会社と派遣先には他の職場を探す義務(就業機会確保義務)があります。

3)労働契約(雇用契約)の期間中の解約=解雇
 派遣契約が中途解除されたからといって、派遣会社が契約期間中に自由に解雇できるわけではありません。

 解雇には客観的で合理的な理由が必要であり、社会通念上相当でなければ違法無効となります。たとえ、経営状況の悪化を理由とする場合でも、判例において示されている条件(整理解雇の4要件)を満たさないと解雇は有効になりません。


労働契約法
(解雇)
第十六条  解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

第十七条  使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。



また、派遣会社には解雇予告義務、解雇予告手当支払い義務があります。


労働基準法
(解雇の予告)
第二十条  使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
○2  前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。



人と人の「つながり」を断ち切るもの

2008-12-27 | 「つながり」をつくる
 非正規労働者に対する契約打ち切り(中途解約)が問題になっているいすゞ自動車。報道によると、期間工については賃金減額で期間満了まで雇用、派遣労働者については中途解約するとのことです。正規労働者と非正規労働者との分断だけでなく、非正規労働者の間でも分断がもちこまれる時代なのかと思いました。

「分割して統治せよ(divide and rule)」:被支配者が連帯して支配者に抵抗することを阻止するための古代ローマ帝国の方策。

失職する非正規労働者が8万5千人に(厚労省)

2008-12-26 | 労働
 今年10月から来年3月にかけて製造業の派遣労働者を中心に大量(8万5千人)の人員削減と報じられています。小売業、サービス業なども加えるとさらに数字は大きくなると思われます。

 すでにこのブログに書いていますが、「契約打ち切り、退職勧奨、解雇通知」などが告げられても、はっきりと「認めません」、「お断りします」と意思表示することが重要です。こうした会社からの通告には応じないという内容の通知書を会社に送りましょう。

 個人加盟のできる労働組合(ユニオン)に相談するのもひとつの方法です。

 私も奈良近辺の非正規労働者が個人加盟できる地域合同労組(奈良さわやかユニオン)で労働相談を担当しております。

 私の事務所でも会社あての文書作成や労働組合づくりについてのご相談に対応しております。あきらめないでいつでもご相談ください。

 それでも生きるために。かしこく正しく人間らしく、そして私らしく。


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すほう行政書士事務所 職場の困りごと相談室

レイバーネット

不安定な仲間を支える越冬実行委員会

野宿生活の厳しさ

2008-12-25 | いろいろ
 失業した非正規労働者が住む場所も失い、ホームレスになるというきびしい現実が報道されています。寒さがきびしくなり、野宿をしていると凍死の危険にさらされる季節です。死に方は人それぞれとはいっても、官報に行路死亡人として事務的に記載される死者の無念を思うと心が痛みます。

 野宿をしていると、エアガン、石、花火による襲撃、あるいは暴行、放火などの被害を受けることがしばしばあります。女性だと性的被害を受ける不安も感じながら生きていくことになります。

 公園にテントを張ると、しばしば行政当局より「不法占有」と指摘され、場合によっては強制的に撤去されます。大阪市などでは行政代執行法にもとづく強制撤去も実施されてきました(靭公園、長居公園)。

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ホームレス問題について知るためのWikiプロジェクト

長居公園代執行に対する研究者声明

野宿者ネットワーク

釜ヶ崎パトロールの会