それでも生きるために

「生きづらい」人びとのためにいくらかでも役に立つ情報を提供したり、共に生きるための提案や呼びかけをしたいと考えています。

「生きづらさ」と向精神薬依存

2009-01-21 | いろいろ
 先日、ある芸能人が向精神薬の大量服用と思われる症状で病院に運ばれたというニュースがありました。先月、自宅で孤独死したある芸能人(この方も女性でしたが)も精神科で薬物療法を受けていたということです。
 「競争」や「成果主義」が強調される職場での精神的ストレスから「うつ」状態になった方、不登校の子どもや「ひきこもり」・摂食障害・自傷(リストカットなど)の若者など「生きづらさ」をかかえて精神科での治療を受ける方が増えています。精神科での治療は向精神薬の処方がメインとなりますが、それに伴って向精神薬依存になる患者が増えていると言われています。向精神薬(精神安定剤、睡眠剤、抗うつ剤など)は脳の神経細胞に作用する化学物質ですが、副作用(かなり危険な症状も含まれる)や依存性といった危険性が明らかにされています。
 アルコール依存症など「依存症」と名前が付けば本人に問題があるかのような受けとめられ方をされることが多いことでしょう。しかし、向精神薬依存については精神医療の実態も問題にされるべきだと思われます。さらに言えば、「生きづらい」人を増やしている今の社会状況や人間関係のあり方をみんなで考えていかなければと思うのです。
 そういえば、生誕百年を迎えた太宰治(この人も「生きづらい」人でしたが)も睡眠剤で自死(自殺)を図っていました。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
国と医師会と製薬会社と・・・ (しゃぼん玉)
2010-04-21 10:00:08
こんにちは。向精神薬依存の問題は、乱用に関してではありません。処方薬の「常用量依存」が、問題なのです。ベンゾジアゼピン睡眠薬は、連用で3週間程度で依存ができてしまいます。アメリカでは何十年も前から問題視されており、日本はトップクラスの向精神薬消費国です。やはり、国民皆保険で人口も多いので製薬会社が期待するのも当然だと思います。「向精神薬 常用量依存」で検索してください。
返信する
コメントありがとうございました (數寳照夫)
2010-04-21 11:33:38
精神科での治療を通じて依存状態になった方は広い意味で医療被害者あるいは医療政策の被害者と言えるかもしれません。実態の調査と議論が求められるテーマだと思います。
返信する

コメントを投稿