


前回までのノースリーブの基本操作は、袖と無関係でした。
袖と関係することで製図は難しくなりますが、パタピッは両者を実に正確に組み上げます。
すべて自動ですから、ユーザーは何ら苦労はありません。
基本をしっかりと覚えてください。デザインが仮に複雑になっても基本法則さえ外れなければ、大きくは狂いません。特殊な体型の場合はプラスの法則が加わりますが、これも覚えてしまえば今までに無い着心地の良さを体感できます。既製服も合わない、自分で製図してもうまくいかないという方もこの法則で着易く格好の良い服を叶えてください。
手書き製図で引いた袖の収まりが悪かったり、格好が今ひとつだったり、着づらかったりと苦労していたことが、パタピッ を操作した途端に「マジックのように解けた!」「どうして?」「何が違うの?」と・・・摩訶不思議 それを一つ一つ解説していきます。
(★印は「スーパーパタピッセット」に含まれるソフトです。)
上3ソフトは、レディース、メンズ、キッズ共通です。
スーパーパタピッ ソフトは、異なるサイズに対応し、様々なデザインへの展開を限りなく可能にします。
ブラウスソフトは、フィット具合から次の4つのソフトに分かれます。 状況に合わせて、一つを選んで操作します。
選択方法は9月8日の「ノースリーブ」の解説と同じです。参考にご覧ください。
今回のイラストのデザインは、若い人が着るのであれば、布帛で作るならなら「スリム」、ニット素材なら「超スリム」が適合します。
ご年配の方では、着易さを優先して作るのであれば、布帛なら「ノーマル」、ニット素材は「スリム」が良いでしょう。
イラストとは見た目のフィット具合は異なりますが、「ワイド」を使用すると、更に動きやすいゆったりとしたブラウスができ上がります。
微妙な調整は、バストやウエスト、ヒップなどの打ち込む数値を増減することで可能です。
「ノースリーブの型紙が手元にある。それに袖を付けよう」・・・これは大きな誤りです。
逆に「袖付きで使用した身頃の型紙がある。それでノースリーブを作ろう」・・・これも大きな間違いです。
前回までのノースリーブ操作で、ノースリーブ用身頃の入力操作を説明しましたが、それはノースリーブに欠かせない大事な事柄です。それはそれでしっかりと覚えてくださいね。
手元に着古してゴミ箱行きのブラウスがもしあれば、袖をハサミで切り落として着てみるとよく分かるでしょう。現象としては、「背肩幅が広い」「アームホールが大きい」「バストの辺りがぶかぶかする」・・・となるでしょう。
袖が付くデザインでは、腕を動かすためのゆとり(運動量)が必要です。腕は上下前後に動きます。その動きに合わせた袖の形状が大切です。また、直立不動の状態では余分なたるみじわの無い美しさも大事です。
この理想は、有能なパタンナーでも、デザインの多様な変化や、異なる体型となると、仮縫いや試作を繰り返して時間をかけ結構四苦八苦するものです。それをパタピッ は、誰が操作しても理想に非常に近い状態で一瞬の内に仕上げます。(変形デザインであったり、体型的に特殊である場合は、補正操作が必要な場合がありますが、袖ソフトは多くの変化を許容する動きにプログラムされていますので、手書きの苦労とは比較になりません。)
下表を参考にパタピッに数値を打ち込むと身頃製図ができ上がります。
下表の「あなたのサイズ」を参考にあなたの数値を打ち込みましょう。
S,M,Lは参考数値としてご利用ください。
体型的に癖のある人は、マニュアルの「補正解説」を参考に操作しましょう。
「入力項目」の名称の意味や採寸箇所等はマニュアルが詳しく解説しています。

パタピッ 身頃ソフトは本来袖付き用の動きをしますので、ノースリーブの時の様に数値を増減したりする変更操作はほとんどありません。上表でも分かる様に、採寸したままの数値を入力します。個人の好みの違いがありますので、もし「もう少しゆとりが欲しい」とか「もっと細く」という場合はバストやヒップを微量に増減して調節してください。
数値を打ち込んで数秒待つと、左の製図が画面に現れます。(家庭用のA4、A3 プリンターでは自動分割印刷で実物大型紙が得られます。大型プリンターを持つ事業所では、この後の袖や襟も含めて一紙にまとめて印刷しましょう。)
前立て線を引き、ボタンを並べて仕上げます。
ボタン位置や個数には決まりがありません。
普段着ているシャツを参考にしたり、店頭の既製服なども参考になるでしょう。
ボタンは、プチCADの「マーク」機能を使います。
CADを持たないユーザーは、印刷後に書き込みましょう。
上身頃の前後アームホールを計測し袖ソフトを呼び出して入力します。
アームホールの計測は、アームホールの線上をクリックすると画面に計測数値が表示されます。簡単です!


ここでは 「1タック」> を使用しました。

カフスは自動ではボタンが1つなので、このデザインでは3つ並べて仕上げます。
このデザインの袖では七分丈を想定して数値を打ち込みましたが、もちろん長袖、六分、八分など自由に操作できます。
パタピッ 袖ソフトは、この他に次の種類があります。
デザインや素材や用途に合わせて選んで使用します。
身頃もブラウス以外にスーツソフト、ジャケットソフトなどが揃っていますので、デザインで使い分け、上の各袖ソフトと組み合わせて同じ様に使用します。
ラグラン袖は、ソフトの構造が複雑で一般では現段階では使用できないため、マニュアルで身頃ソフトからラグラン袖を引く方法を載せています。基本に基づいて使用すると正確なラグラン袖ができ上がりますので、それも合わせてご利用ください。
※ 袖ソフトは「袖丈」「袖山」「袖口幅」等をデザインに合わせて自由に数値操作できます。「身長」を入力することで子供サイズから大人サイズまでをバランスよく仕上げます。
※ ワンピース操作も基本的には同じです。ワンピースソフトに袖を組み合わせて様々なデザインを創造してください。
「袖山」の決定はデザインと動きやすさ(運動量)から数値を決めます。この点については次回説明します。
身頃と袖との関係では、体型的な癖がある場合は、プラスの操作が必要ですが、これについても次回説明します。
上身頃の前後ネックラインを計測し襟ソフトを呼び出して入力します。右の製図が自動で画面に現われます。
基本的な襟先が3タイプ同時に現れますから、一つを選んで使用します。
襟先の表現は自由です。形を変えて個性を表すこともできます。
他の襟ソフトと組み合わせたり、ノーカラーへのデザインに変更する方法はノースリーブの場合と同じです。前回の解説をご覧ください。
