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基本製図操作 スタイルブックから 4

2006-10-02 16:13:48 | 製図の基本

<よくある質問>

パタピッ は、製図解説付きの スタイルブック からは引けないの?

身頃 の活用方法

原型を元に引く製図を例に解説します。

右製図で使用されている「原型」は、バストを基準に計算の法則が設けら、各個人のサイズに作成するものです。原型の定番とされ、昔から現在に至るまで広く愛用され親しまれています。

パソコンという道具が一般に普及したのは近頃のことですから、手書きで製図を起こす手段としては、この様な「原型」は製図の案内役として日本の近代ファッションを何十年と息長く支えてきました。

この類の手書き原型は、現代に至るまでこの他に数種類が使われてきました。

平面の布を立体という人間の身体にフィットさせるという作業は実に複雑でまた繊細です。右図の様な製図解説で十分に満たすものではありません。手書きでは、多分これ以上難解にはできなかったのでしょう。補助として原型を補正する手引きも用意されていますが、洋裁離れが進む近頃では、原型に忠実に引くことすら悲しいかな疎まれてしまう様子が見られます。そんな中で掲載紙面を広げてきたのが、先に解説した「囲み製図」ですが、更に粗雑さを加速させているのが現状です。

アパレル業界では「立体裁断」という手段があります。ボディーに布を巻きつけて製図を起こす方法ですが、平面で計算するよりボディーに布を巻き付けた方がイメージを具現化し易いので利用されている方法です。

標準サイズのボディーに布をピン打ちしながら服のイメージを作り上げていきます。既製服ではこの方法でじっくり時間をかけて試作を繰り返しながらマスターパターン(標準サイズ(例えば9号)のパターン)を作成し、そこから各サイズ(5号、7号、11号、13号など)に展開していきます。

この立体裁断という手段は、個人が一つの服を作成するにはあまりに時間がかかりすぎ実用的ではありません。自分の身体と同じボディーを用意する手間も大変です。オーダー事業などでも、お客様の体型が異なりますから、やはり平面製図に頼るしかありません。

パタピッ ソフトの動きは、身体を立体と捕らえて複雑にプログラムを組み込んでいますので、どちらかというとこの「立体裁断」に近いでしょうか。さらに、ボディーは各個人を想定していますので、「立体裁断」でも「平面製図」でも叶えられなかった難しい「バランス」を瞬間で計算し製図を作り上げます。

文頭で説明しましたが、原型はバストサイズから計算してでき上がります。バストが大きいと背肩幅は広く、アームホールも大きくなり、結果として袖が太くなります。バストが大きくても肩は狭く腕の細い人は補正が難しくなります。あれこれ補正を繰り返すうちにバランスは崩れ、格好の悪い服に仕上がってしまったという経験をした人も多いでしょう。

本題に入りましょう。一つ一つ例題を元に活用方法を説明していきます。


原型とパタピッ ソフトと一致する点はネックラインです。パタピッ のネック情報を「0」と入力した時のネックラインは原型と同じ「首の付け根」です。組み込んだプログラムの計算の違いがありますので微妙にサイズは異なりますが、「0」入力で「首の付け根」という認識は同じです。

上の製図は、スクエアネックのブラウス製図です。「このデザインを作ってみたい」という人は、前身頃、後身頃のネックラインからの距離が参考になるでしょう。他の部分はまったく異なります。

原型からの製図では「背肩幅」や「アームホール」が合わないという問題が生じます。問題点をパタピッ 操作で解決しながら活用していただきたいと思いますので、ネックライン以外はパタピッ の動きに任せましょう。パタピッは「背肩幅」が指示でき、アームホールを調節することができます。これらの問題はパタピッ 操作で簡単に解決します。

このデザインは、バストダーツとウエストダーツのブラウスですから、パタピッ ソフトではを使用しましょう。

市販の洋裁関連の書物で気になる点として「ゆとり分量」があります。この製図でもゆとりに注目てみましょう。原型にはすでに10cmのゆとりが入っていますので、さらに前身頃で2cm、後身頃で3cmが加わりますので、合計20cmのゆとりとなります。かなり大きなブラウスです。

更に、ブラウスやジャケットなどの上着類では、ヒップとの関係もとても大事です。どの書物でもこの個人のヒップは考慮の対象外です。実際に作ると、「ヒップがきつすぎる」という人や、逆に「ヒップがぶかつく」という人など、なかなかジャストフィットという訳にはいきません。パタピッ 操作では「ヒップ」入力がありますので、この点でも簡単に問題は解決します。

手書きという手段で製図を解説する場合は、肩幅を合わせ、バストを合わせ、ウエストやヒップ、アームホールを合わせる・・・などなど、多くを満たすのはやはり限界かと思われます。

以前にも説明しましたが、服はバランスがとても重要です。上から「背肩幅」「バスト」「ウエスト」「ヒップ」の順できれいなシルエットを描きながら製図を仕上げなければいけません。どの箇所も個人個人皆異なるサイズです。それをバランスよくつなげるという解説は複雑怪奇で、まず不可能でしょう。ここはやはりコンピューターに組み込んだプログラムに任せるのが賢明です。何しろ数値を打ち込んで待つこと数秒でそのバランスを整えた身頃製図ができ上がるのですから。

原型から起こす製図では、「自分の身体に合わせて製図すると格好が悪くなる」と思っている方が多いようです。これは、手書きでは「バランスを整える」ということが難しく、補正の過程で返って体型を強調してしまうからです。実際にパタピッ ソフトで引く多くのユーザーはこの点は楽にクリアしています。手書き製図より明らかに服のシルエットは美しく、各箇所では程よいゆとりの自分サイズの服ですから着心地が良いのです。


 購入当初は自分サイズより標準サイズで数値入力してこわごわ使用する様子も見られますが、いざ作るとやっぱり「ヒップがきつかった!」や「肩幅が合わない!」という現象が起こり補正しなければいけません。それならと自分サイズで入力すると着易くておしゃれでバランス良くでき上がるので、こわごわ使用していたユーザーも結果としては自分サイズで使用するようになります。


という訳で、上のブラウス製図は、を使用し、若い方は「スリム」、40~50代では「ノーマル」、ご高齢者は「ワイド」かまたはワイドに数センチプラスして操作すると程よいブラウスができ上がります。・・・ですから、この製図では、ネックラインを参考にするにとどまります。上製図のダーツの位置や幅、長さなどは気になさらずに、パタピッ ソフトで仕上がった製図をそのまま使用してください。


右の製図は、ウエスト下を脇の部分で切り替えてフレアに広げたブラウスです。近頃流行です。

もうお分かりですね。で製図し、切り替えてフレアを出す部分は右製図を参考にします。ネックラインの数値やボタンの配置等も参考にして構わないでしょう。それ以外はパタピッ ソフトで引きましょう。












左製図はどうでしょうか。

肩から切り替えた身頃製図とショールカラーの上着です。を使用すると自動で左製図ができ上がります。セットで購入されたユーザーは、を「肩からの切り替えライン」に変更する方法をマニュアルで説明していますので、その方法に従ってください。前後中心から切り替え線までの距離やダーツの幅などは、この図の数値は参考にしないでソフトに任せてください。体型に合わせてバランス良く配分しますのでシルエットがきれいです。バストのゆとりもやはり図の数値は多いので、ソフトの「スリム」「ノーマル」「ワイド」の何れかの選択で操作してください。

襟はネックラインを計りを呼び出して操作しましょう。このデザインは「襟こし中」を使用します。襟幅や襟先の形状などは参考にしても良いかも知れません。


右製図はベストの製図です。バストダーツをアームホールに移動する方法が横に載っています。

パタピッ ソフトでは、サイドダーツの前身頃と、バストダーツをアームホールに移動した前身頃の2つの製図が画面に現れますから、移動した方の製図をそのまま印刷して使用してください。右図の様に展開する手間は要りません。

このデザインはを使用してベスト製図の操作をします。「AAA」に「1」と入力し、アームホールを「UPA」操作で広げるだけで簡単にベストの製図が引けます。

襟は、に前後のネックラインの数値を打ち込むとでき上がります。


右はぺプラムの上着です。前身頃のみを表示しました。

身頃ソフトを使用してぺプラムの部分を参考に引くと良いでしょう。

バストダーツをたたんでウエストダーツを切り開く図解が載っています。これも参考にして良いでしょう。














右は、前身頃にピンタックをあしらったデザインです。

これももうお分かりですね。で身頃製図を引き、ピンタックの部分を参考に製図を仕上げます。

前身頃のウエストダーツは削除しましょう。ピンタックのデザインがポイントですから、ウエストダーツの線が邪魔になるのでしょう。同様にバストダーツもこのデザインでは消去されていますが、バストダーツもウエストダーツもない前身頃は平坦すぎて返って問題です。特にバストの大きな方は、バストダーツは必要です。平坦すぎる製図はバスト周辺にしわができますので、せめてバストダーツは必要でしょう。パタピッ の基本操作でパストダーツは自動で現れたり消えたりします。必要に合わせて操作してください。

襟はを使用します。

先の例題では、身頃に限定し袖の解説を省略しましたが、この製図では袖も載せてみました。

後の項目で「袖」の解説をしますが、その前座としてこのデザインで少し説明します。

原型を使用した手書き製図では、身頃を作成した後、袖を図の案内に従って製図します。前アームホールと後ろアームホールの寸法と袖山の寸法でまず案内線としての三角を描き、図の数値に従ってカーブを描いて仕上げます。

手書き製図の袖の問題点は「袖幅」(袖の太さ)の表示が無いことです。これも、様々な体型の異なるアームホールと袖山、袖丈などのバランスを満たすべく数値表示をするとなると難しく、どの製図も「袖幅」の表示を避けています。ここでも表示の難しさ、限界が見えます。
このデザインの袖はを使用しましょう。袖幅の操作も可能ですから、着用者の腕の太さに合った袖ができ上がります。

もう1~2回 身頃製図の活用方法を解説しますが、その後で「袖」について説明します。



パタピッ 製図で ステキなファッションの創造を楽しみましょう。

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