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おしゃれを遊ぼう!

製図基本操作 袖 2

2006-09-14 07:50:03 | 製図の基本


 ・・・ 格好よく、動きやすく、着心地よく 製図する方法

 ポイントは
(1) 身頃のアームホール・・・体型とデザインに合った適度な大きさを求める
(2) デザインに合った袖山の決定
(3) 程よい袖幅に収める


(1) 身頃のアームホール  は、「ブラウスソフト」ならブラウスに程よいアームホールの大きさに、「スーツソフト」ならスーツに程よいアームホールの大きさに、「ジャケットソフト」「ワンピースソフト」も同・・・という具合に、ノーマルな操作なら程よい大きさのアームホールが自動で描かれます。

 <特例 1>  バストを標準より小さく入力すると、ソフトは子供サイズと認識しますので、アームホールも小さくなります。特に身長が高くてバストが小さな方は、基準数値のままですとアームホールがきつく感じられますので、アームホールを大きくする様に調整しましょう。
 調整方法 「微調節AH」を基準より1cm下げる、1.5cm下げるなどの数値操作をします。この決定は最初は迷うでしょうが、何着か作る内に、「私は基準より1cmくらい下げるといいんだ」という具合に、自分の数値が決まってきますので、以後は基準より1cmほど下げて製図すると良いのです。
  「微調節AH」は、アームホールを自由に増減する機能です。詳しい使い方についてはマニュアルをご覧ください。
 バストが標準より大分小さい場合は、デザインによっては標準に近付けた方が、全体のバランスという点では収まりが良い場合があります。


 <特例 2> バストの大きな人は、従来の手書き製図ではアームホールが大きくなり過ぎて、それにより袖幅も太くなり、バランスが取りにくく苦労する作業でしたが、パタピッ は、バストが大きくなっても全体のバランスを整えて動きますので、かなり大柄な方でも、今まで叶わなかった格好の良い服に「大満足!」という声が各ユーザーから聞かれます。特にオーダー事業では、大柄なお客様が多いので、お客様に喜んでいただけるパタピッ は良きパタンナーとして活躍しています。
 「もっと袖を細く!」という場合は、「微調節AH」の数値の増減で調節できます。


 (2)袖山には一定の許容範囲があります。
パタピッ Magazine のサイズ表では「後身頃のAHの高さ」からの割合で指示しています。
これについて少し詳しく説明しましょう。




上右製図は、袖山を「後身頃のAHの高さ×0.6」で引いた袖と「後身頃のAHの高さ×0.7」の袖の比較です。
袖山が高い袖(70%の袖)の方が袖幅は狭くなります。


三角形をイメージしてください。二辺の長さが変わらない三角形の高さを高くすると底辺は短くなります。(下図) 逆に、高さを低くすると底辺は長くなります。



袖山の決定はこの三角形の原理と似ています。袖山の増減で程よい袖幅を見つけることができます。



バストが大きくても腕が細い人・・・バストサイズに比例して袖は大きくなりますから、バストが大きくて腕が細い人は袖が浮いてぶかつきます。袖幅(三角形の底辺)を標準より細くして、スリムに着たいですね。この場合は、袖山を高くします。
逆にバストが小さくて腕が太い人・・・こちらは逆で、きつくて動きづらい袖になり、幅を広げて着心地の良い袖にしたいでしょう。この場合は袖山を低くします。



 掛け率の増減操作で、袖幅は自由に変化します。


標準的な袖操作で思い通りの袖にならない場合は、掛け率を微量に変えて操作しましょう。
袖幅の計測は、画面の袖幅線上を右クリックすると長さが表示されますので、数値の打ち直しをしながら程よい袖を仕上げるのに時間がかかりません。


 (3) さて、ここで「程よい袖幅」 とはどの様に判断したら良いのでしょうか。
 程よい袖幅というのは、デザインによっても異なりますし、素材によっても異なります。
例えば、身頃がたっぷりしたデザインでしたら、袖も太くゆったりさせます。
ニット素材で作るぴたぴたのセーターでしたら、袖幅も狭くします。


パタピッ Magazine  で紹介するデザインは、入力表を参考に操作することができます。大方はそれで大丈夫でしょう。自分は標準体型と異なるという場合は、先の説明の様に掛け率を増減してください。数着作ると自分の数値が分かるようになります。


独自のデザインで製図する場合も、ご購入初期ではパタピッ Magazineを参考にしてください。新旧両Magazine の中の似たフィット具合のデザインを見つけて操作すると、迷いは少ないでしょう。


もう一つの決定方法としては、手元に程よい着心地の服があれば、その袖幅を計って、それに近づけるという方法もお勧めします。


画面に現れた袖幅を計り、メジャーでその寸法の輪を作り腕に巻いてみるという方法もあります。「窮屈そう」とか「太過ぎるな」などと様子がわかります。


経験を積み上げた人であれば、メジャーで腕回りを測って「何センチくらいゆとりが必要かな」・・・と感覚的に袖幅を決めることができますので、その数値に近付けるように袖山を操作してください。
パタピッ ユーザーにとっては、正確な製図が画面で瞬時にでき上がるという点では、従来の製図学習とは比較にならないほど数多くの「正確な製図体験」ができます。この難しい袖と身頃の関係の理解についてもさほど時間はかからないでしょう。
このページの説明が、なんとなくでも理解できる方であれば、技術は確実に向上していきます。自信を持って前に進んでください。


程よい袖幅を求めすぎて、デザインに対して袖山が高くなり過ぎたり、逆に低くなり過ぎると、動きづらい服になったり、見た目の格好が悪くなったりと問題が生じます。パタピッ Magazine で表示する掛け率から10%前後の増減は良いでしょう。それ以上になる場合は、身頃のアームホールが「大き過ぎるかも知れません」或いは「小さ過ぎるのかも知れません」
身頃の「微調節AH」の数値を変えることで解決しますので、もう一度身頃ソフトに戻って数値の入れ直しをしてください。新たにでき上がった身頃のアームホールを計り、その数値で袖を操作してください。



 一度数値を打ち込んででき上がった身頃は、一旦保存するとそのデータに再び数値を入れても動きませんので、数値の打ち直しは必ずパタピッ ソフトで行ってください。






セットインスリーブ ドロップスリーブ という用語を知っていますか?


 この二種類の袖の解説をここですると説明が長くなりますので、これについては、操作マニュアルの中で詳しく解説していますのでそちをご覧ください。初めて耳にする方は、一度マニュアルを見てからこちらの解説に進んでください。


袖山の決定は、最上が後身頃のAHの高さです。最下が「0」です。でも、後身頃のAHと同じ高さの袖山で服を作ると、腕の上げ降ろしが窮屈で着心地が悪いので、同じ高さは避けましょう。仮に90%でも動きづらいので、最上は80%までにとどめましょう。


また、「0」はきものではOKですが、洋服の場合は、身頃のアームホールがカーブの形状である限り「0」にはなりません。(きものは身頃も袖も直線ですから、袖山という認識はありません。)


上の三角の原理にもう一度戻ってみましょう。袖山を「0」にすると、袖幅(底辺)は最大限長くなります。つまり、低くなれば低くなるほど袖幅は広がり動きやすい袖になります。さて、見た目の格好はどうでしょうか。袖山が低い袖は、直立不動の姿勢で斜めじわができます。低ければ低いほど斜めじわの本数も多く、格好は今ひとつです。


作業着(土木作業用や電気工事の上着)の袖をじっくり見たことがありますか。作業着は動きやすい袖に製図しますので、ドロップスリーブとして袖山を低く製図し、袖幅もゆったりと広くします。この袖は、直立で立った時は斜めじわが見られます。でも、これは格好より動きやすさを優先した服ですから、作業着の場合はこのしわはOKなのです。


スーツやジャケット、フォーマルワンピースなどでは、このしわはできれば無い方が格好が良いでしょう。袖山を高くすればするほどしわは消えますが、反面動きにくい袖になりますので、この場合「格好」を取るか「動きやすさ」を優先するかが製図をする際の袖山の決定の判断材料になります。



動きにくいということを解消するために、近頃の既製服ではストレッチ素材を使用したものをよく見かけます。最近の流行はスリムシルエットですから、身頃も細く袖も細く窮屈です。そこでストレッチ素材を使用して動きやすい服に仕立てているのです。





焦らず一歩一歩!


一通り身頃と袖の基本操作を解説しましたが、製図がまったく始めての方はちょっと難しかったかも知れません。まったく服を作ったことがない方は「0」からのスタートですが、これは製図に限らず、料理でも語学学習でも同じことです。でも、何着か作ると様子が分かり、案外早く理解できるものですよ。諦めず前進してください。


パタピッ が簡単で学習の流れがスムーズに進んでいくのは、製図で最も難しい部分を自動で行ってくれることと、初めて操作するビギナーでも、基本法則を守ると最初の一着目から「カッコいい~!」と涙するほど嬉しくなるからです。


ファッションに興味のある方は「おしゃれ」をとことん追求します。従来の製図方法ではこの「おしゃれ」が手の届かない夢でした。製図を勉強しても勉強してもカッコいい服が仕上がらず、「もうや~めた!」と投げ出す人達が数えられないくらいいました。


パタピッ は正しい操作をしていただければ「おしゃれ」は常に手中にあります。創作が楽しくなれば繰り返し服を作るでしょうから、その自然なサイクルで技術は知らぬ間に身についていきます。しばらくすると、自分がデザインし、その製図を自分で自由に起こすことができるようになるでしょう。この基本原則をしっかり覚えて一歩一歩技術を高めてください。夢の実現は意外と身近にあるものです。




体型にくせがある方は補正も覚えましょう


マニュアルで、体型的なくせのある方の補正方法を載せていますので、ここでは補正操作の詳細は省略しましたが、基本をしっかり覚えた上で、補正が必要な場合はマニュアルに従ってください。仮にバストが120cm以上の大柄な方でも、パタピッ なら着易くカッコいい服ができ上がります。



パタピッ 製図で ステキなファッションの創造を楽しみましょう。


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