京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間「京の悪夢時間」

2020-04-25 09:15:11 | 時計修理

4月25日土曜日。北野天神市のはずだった日。
報道でびっくり!新型コロナはニャンコにも感染するという。
これは気を付けたいね~。
賀茂川をお散歩するワンコにも濃厚接触は禁止!
「あっ!おやじだ。ちょっとよったろ!」
「くさっ!おやじくさっ!あ~くさきも~。たまらんなぁ~。」いつも挨拶してすれ違ういつものワンコ。
5月7日までしばらく挨拶抜きですれ違うことになる。寂しい話しですにゃ~。

写真は「夜と霧」。この長い閉鎖期間にはお勧めの本。
強制収容所に入ったユダヤ人の心理学者の本。
「となりに悪夢でうなされている仲間がいても親切心で起こしてはいけない。現実のほうが悪夢より厳しい」
この本の作者フランクル氏には及ばないが65歳まで生きてきた私もけっこぅ悪夢のような体験をやってきた。
隣でうなされている嫁さんを起こしてはいけない。「現実の貧乏生活がつらいんじゃ~」怒られます。

「私は神さまを信じない。神様など存在しない」と若い人が言う。そんな時には口に出さないがこれまで幸せな人生を送っている人だね~と思う。
本当に不幸な場面にあったら神様を信じるようになります。
「夜と霧」を読むとそう思えてきます。

いきなり人事異動の辞令が出る。飼っていたワンコがいた。急に里親を探しても無理。引き取りてもなく最後に保健所に行って安楽死の現地へ向かう。
人事異動の辞令はいつも最悪なタイミングで出る。つまりクビにしたいのだ。
当日は保健所までの道を2人で歩く。ワンコはいつもの散歩だと思ってうれしそうに手をぺろぺろとなめてくる。
辛いお別れの日でした。
今も彼の鑑札は財布のポケットに入ったまま。いつも二人一緒に生きてきました。
ワンコは天国の神様の下で生きている。時折夢に出てきて私の手をペロペロなめてくる。
そんな犠牲を払ってでもしがみついたお仕事だ。そんなわけでどんなに貧乏でも時計師の仕事を辞めるわけにはいかないのです。
こんなコロナ災害程度でくたばるわけにはいかないのです。

現実の世界ではこのコロナ災害でペットショップで売れ残ったワンコ、ニャンコの里親探しが急増しているという。
ミックス犬の可愛いのがいるよ~どうします?嫁さんが聞いてきた。
私はあの辛い別れを思い出すととても飼えない。ごめんなさいです。血も涙もないオヤジです。
ワンコの寿命は15年生きるという。
ちょうど私があの世へ行くタイミングの80歳。ワンコと一緒に無理心中もいいかな~?

もう一つの写真は金属ベルトのコマをつなぐピン。コイルバネで止めるタイプなので数年使うと錆びて抜ける。
時計はご主人といつも一緒の友達。価格が安い高いではない友達。
簡単の抜け落ちたら切ないお別れになるぞ~!もうちょっとしっかりしたものを使え~!と言ってきた。
ピンの頭が抜けてきたらお越しくだされ~。少しはましな松葉ピンに取り替えます。
今日もぼちぼち開店時間。夜の6時30分まで一頑張りなのじゃ~。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 時計師の京都時間「酷い時間」 | トップ | 時計師の京都時間「京のオマ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時計修理」カテゴリの最新記事