宮城の春夏秋冬

日々の事や私の趣味の事などを綴ります。
独り言なので異論もあるかとは存じますが宥恕賜りたく存じます。m(__)m

蘭鉢(錦鉢)

2009年11月13日 | 古典園芸

写真:楽鉢

春蘭(東洋蘭)を育てるには、このような鉢を使うのが一般的なのです。
もちろん普通の駄温鉢などでも育てられるのですが、春蘭の根は結構長いのです。
それを入れるには大きめの鉢を使わざるを得ません。
すると用土の量が増えて乾きにくくなりがちなのです。
ところが春蘭の根は過湿にやたらと弱いときています。(-_-;)
で、縦に細長くして根を収める空間の確保と用土量の減少という相反する問題を解決して出来たのがこの鉢の形なのでした。
うぅ~ん 先人の知恵は凄いですぅ。(^^)v

この鉢は楽鉢と言って低めの温度での焼成(楽焼)なので柔らかな仕上がりとなっています。
壁面の1ミリ位しかない薄さとあいまって乾きやすく出来上がっているのですね。
口と足元だけは厚く作って強度を保っているんですが、強く握るとメリメリって壊れる程度の強度しかないので取り扱いには気を使います。(^_^;)
また、こんな形をしているので倒れやすいので普通の鉢のように置いておけませんので、以前紹介したようにぶら下げておくと言う方法をとるのです。。




写真:錦鉢

さて先の楽鉢は育成用の植木鉢と言うわけですが、展示会などで皆様の前に出す時は鉢も余所行きにします。
って言うか、基本的に「化粧鉢」でなければ展示会への出品を受け付けない事が多いようです。
と言うことで展示会に出そうと思った株は事前に「錦鉢」などに植え替えておくのです。

化粧鉢にはレベルがあって、「縁足金」という黒一色の鉢の口の部分と足の部分を金色で彩色した物があって、展示会には最低でもこのタイプが必要とされているようです。
そしてこれの胴の部分に絵を描いて「錦鉢」と成るのです。
更には口の部分に縄目文様などの造形を加えていくと更に高級とみなされていきます。

まあ楽鉢は手作りなので、手間がかかるほど高級(高価)に成ると言うのも納得ですね。
楽鉢は平均1000円位なのですが、錦鉢はその2・30倍するのがざらなのです。
でも「東洋蘭」は園芸の中ではかなり高価な植物なので、展示会の時くらいは鉢にも思いっきり奢ってあげちゃおうと言う訳です。(^_-)-☆

多くの錦鉢の場合は黒地に金などの色彩を使って絢爛豪華に描画するのですが、これのように白地にしたり、茶色地にして描画するのも有るのです。
白地の場合「御所車」などを華麗に書くのを良く見ますが、この鉢は水墨画風に単色で仕上げて有ります。
実はこの鉢はお気に入りで蘭も入れずに鉢だけを眺めて楽しんでいます。
派手好みのパパさんですが、たまにはこんな趣味もあるんですよぉ~。(^^♪
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2 コメント

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Unknown (eda)
2009-11-18 20:53:56
蘭は縦長なので品良くおさめるのに長い鉢なのかと思ってました(浅はか~)
考えられているのですね~。

この立派な化粧鉢に土を入れるなんて考えられません・・・
一度 東洋蘭の展示会見てみたいです。
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はいっ! (パパさん)
2009-11-18 21:05:57
その通りなんです。
葉の姿が縦にスウ~ッと伸びているので鉢も縦長でバランスが取れるのですね。
蘭の自生からすれば、浅くて平たい鉢の方が本来の姿なのでしょうが、やはり見た目…。
日本人の審美眼がそうさせたのだと思います。
蘭の本家の中国では大きな鉢で育てていてなかなか上手に育てられないそうですが、我々の先人は育成と美観の問題を解決したのですネ。

ところで、蘭(特に春蘭)の展示会って結構探すと沢山ありますよ。
edaさんはBLOGからするとF県のようですが実は春蘭界では東日本の中心地なのです。(^^)v
ぜひ見てみて下さいね。
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