骨あらかじめ除去 / レンジだけで調理
魚をもっと気軽に食べてもらおうと、水産庁が提唱した「ファストフィッシュ」の商品が、店頭に並び始めた。
手軽に食べられるハンバーガーなどがファストフードと呼ばれるのにならって同庁が作った造語で、あらかじめ骨を取り除いたり、電子レンジだけで調理できるように加工したりするなど、生魚より簡単に食べられるのが特長だ。魚の消費拡大の起爆剤になるか注目される。
イオンは24日、「骨取りさんまスパイシー風味」(4匹、298円)など、4品目を約500店で発売した。サンマの骨を取り除き、ニンニクやバジルなどで下味をつけているので、フライパンで焼くだけですぐ食べられる。4品目合計で、1か月15万パックの販売を目指しており、担当者は「若い世代が魚を食べるきっかけになれば」と期待している。
厚生労働省によると、日本人1人あたりの魚介類の摂取量は、2001年は1日94・0グラムだったものが、10年には72・5グラムまで減少した。スーパーの鮮魚売り場では、「調理の仕方がわからない」と敬遠する若い消費者も多い。
水産庁は大手スーパーや食品メーカーが開発した53品を「ファストフィッシュ」商品として認定した。今後も随時選定を行い、商品数を増やしていく。
イトーヨーカ堂も23日から、全国約160店舗で「ファストフィッシュ」商品の販売を始めた。「銀鮭のバジルオイル焼用」(398円)など20品目で、若い世代に人気のある洋風の味付けが中心だ。トレーごと、電子レンジで1分半~3分半加熱するだけで食べられる。東急ストアも、骨を取り除いたサバなどの干物を販売している。