http://www.gizmodo.jp/2012/08/post_10740.html
先日ドキッとしたヤマトシジミの写真。英BBCが「福島の蝶に"重度の異常"」という記事で載せたもので、本文にはこうあります。
ある研究で、大気中に放出された放射性物質に触れた影響で日本の蝶に変形が生じていることがわかった。研究者たちが2011年の福島事故後に回収した蝶を調べてみたところ、脚や触覚の増加、翼の変形が見つかった。変形と放射性物質との間の関連性についてはラボ内の実験で確認されたという。成果をまとめた論文はScientific Reportsに掲載中。
2011年3月の福島第一原発事故から2ヵ月後、日本の研究班は福島地域を含む国内10ヶ所からヤマトシジミ(Zizeeria maha)の成虫144頭を採集した。
事故発生時、蝶は冬越えの幼虫だったものと思われる。
各地域の蝶の奇形を比べてみたところ、羽がずっと小さな蝶、目に発達異常がある蝶は線量の高い地域のものだった。
「昆虫は被曝に対する抵抗力がとても強いと考えられてきました」、「その意味で、今回の調査結果は予想外でした」―研究を率いる琉球大学の大瀧丈二氏はBBCニュースにこう話している。
大瀧准教授のチームはその後、事故現場から1,750km(1,090マイル)離れたラボ(人工的な放射線はほぼ検出できない)でこれらの蝶同士を交配させた。
先代の(福島で検出された)蝶には見られなかった異常(例:周辺探査・交尾相手探しに使う触角の奇形)に気づき始めたのは、この孵化の時だ。
その半年後、同じ10ヶ所から再び成虫の蝶を採集してみたところ、福島地域の蝶の突然変異率は事故直後の2倍以上だった。
突然変異率が高くなったのは、放射能に汚染された餌を食べたことや、親の遺伝物質に生じた変異が子の代に受け継がれて親の代に見られなかった変異が出たためではないかとチームでは結論付けている。
研究チームではこの蝶の種の研究を10年以上続けている。(後略)
採集された代には見られなかった奇形が遠隔地で孵化した次の代に出てきた、ということで遺伝子異常の可能性が疑われている、と。この話は米メディアも取り上げました。
CNN「福島近辺のチョウの奇形発生率が増えていることが研究者の調べでわかった[...]」
Discovery News「被曝原因の可能性のある突然変異の長期的影響を調べるため、研究班では採取したチョウの一部を原発周辺の被曝地域から遠く離れた場所で育ててみた」(ほぼBBCの内容のまんま)
NBCに大瀧准教授はこう話しています。
放射線への感度は種によって異なるので、この発見をそのまま人間に当てはめるのは早計だ、と警告も忘れない大瀧氏だが、今回見つかったチョウの遺伝子変異が福島の生態系破壊を示すことは明白、放射線の影響の全容を知るためにもさらなる研究が必要だ、と話している。「低レベルの被曝の影響は世代から世代に遺伝子で伝わっていき、つまり遺伝子損傷を示します。その影響は世代から世代に受け継がれていくことは明らかだと思います」(大瀧氏)
パニックするほどのことではないということでは海外メディアも一致しています。また、北ほど異常固体が出易いということもあるし母数も少ないし実験方法もどうなんだろうと早速日本では疑問の声も出ているわけですが、その騒ぎが一段落したら今度は福島のワタムシからも奇形が出たという報道...
『福島のワタムシ 1割奇形 被ばく原因の可能性』(北海道新聞) pic.twitter.com/zDx78MZ7