大関暁夫の“ヒマネタ”日記~70年代大好きオヤジのひとりごと

「日本一“熱い街”熊谷発コンサルタント兼実業家の社長日記」でおなじみ大関暁夫が、ビジネスから離れて趣味や昔話を語ります

ロンドン五輪閉会式とNHKの罪深さ

2012-08-13 | 洋楽
ロンドン五輪の閉会式は英国らしいロックレジェンドをフィーチャーした素晴らしいショーでした。

一番の注目は、五輪閉会式で再結成かと噂されたピンク・フロイド。フロイド・サイドから「ピンク・フロイドとしての出演はない」と公式メッセージがあったものの、もっぱら出演を公言していたニック・メイスンに加えて、ロジャー・ウォーターズかデビッド・ギルモアが共演するとの噂が。残念ながら二人の登場はなし。その代わりと言っては何ですが、ジェネシスのマイク・ラザフォードがベースで登場して、曲は名盤「炎」から「あなたがここにいて欲しい」を。ボーカルを務めたのは、若手シンガーソングライターのエド・シーラン。ギルモア張りの味な歌声を聞かせてくれました。ウォーターズ、ギルモアは出なかったものの、素晴らしいパフォーマンスでした。

ところがこのパフォーマンスの間、NHKの実況はパフォーマーの紹介はおろか、演奏そのものを全く無視で日本選手のコメントを紹介するという暴挙に。全然歌に集中できない状況を演出です(鈴木慶一氏は「だまれ!」とツイートしたとか)。今回の閉会式は英国が誇るレジェンドたちを一同に会しての素晴らしい音楽ショーが事前にアナウンスされていただけに、それに期待感を持って待ち楽しみに見ていた音楽ファンも多かったはず。このピンク・フロイドのシーンばかりでなく、他の場面でもパフォーマンスを無視したひどい実況が多く、ネット上での騒ぎはもとより苦情電話で回線がパンク寸前の状況に陥ったと聞きます。アメリカ在住の友人の話では、あちらのテレビでは余計なナレーションは最小限にとどめ、あくまで実況映像優先の放送であったと。日本の国営放送NHKでこれですからね。日本の文化観賞レベルの低さを表すもの以外の何物でもありませんね。

それはさておき、個人的にはやはりラストパフォーマーのザ・フーに尽きます。いまだ現役を貫き、今年はあの名作「四重人格」をライブで再現するツアーを敢行する生けるロックレジェンド、ザ・フー。貫禄が違いましたね。曲はメドレーで、「ババ・オライリー~シー・ミー・フィール・ミー~リッスン・トゥ・ユー~マイ・ジェネレーション」。個人的には、「四重人格」から「リアル・ミー」等の私が生で聞いたことのない何曲かを期待したのですが、今回は比較的オーソドックスな代表曲のメドレーでした。「四重人格」ツアーでの再来日に期待しましょう。フーはキーボードがこのツアーから入れ替わっていますが、その他は鉄壁のバックメンに支えられピートもロジャーも70歳近くとはとても思えない素晴らしいパフォーマンスでした(ピートは風車奏法も小さいながらもジャンピング・カッティングも見せてくれました)。

ここでもNHKはまたまたやってくれました。フーのパフォーマンスが盛り上がりを迎え「マイ・ジェネレーション」に入ったところで、いきなり画面は日本選手団のアップへ。同時にアナウンサーの余計な語りに移り、話が終わって画像がステージに戻った時には、既にフーの演奏も終了して出演者一同整列状態。一番いいところが見られずじまいでした。仕方ない、アメリカのテレビ画像がYOUTUBEにアップされるのを待ちましょう。他にも、キンクスのレイ・デイヴィス、ジョージ・マイケル、クイーン、スパイスガールズ等々、やはり英国は素晴らしい。四年前、北京五輪の閉会式でジミー・ペイジが登場してロンドン五輪の予告編を演じてから、楽しみにしてきただけに本当に満足のいく閉会式でありました。それだけに、NHKの罪は深いですね。