先日、NHKBS「アナザー・ストーリーズ」でザ・フォーク・クルセダーズの「イムジン河」を取り上げていた。
「懐かし、、、」思わず声に出して言ってしまった。
小学校3年生の時、1年間担任だった先生を思い出す。
とにかくすごい先生だった。
教えていただいたのは「国語」と「音楽」この2つだけと言っても過言ではない。
1時間目~6時間目まで1日中、歌っていた時もあった。
「えんぴつ録音」と言うという1冊のノートを1班5~6人の各班に1つ。
それを順番に回し、毎日、だれかが何かを好きなだけ書く。
先生はそれを毎日添削し、赤ペンで誤字脱字を直し、感想をたくさん書いてくれた。
同じ班の人は、自分の前に書かれた同級生の様々な文章が読める。
ノートの置き場所が決まっていて、他の班の「えんぴつ録音」も自由に読む事ができたように記憶している。
面白かった。1日の事を朝から寝るまで箇条書きしている子もいれば、奇想天外な物語を書いて「続きは次回、お楽しみに!」という子もいた。
約束事は、きちんと記名する事。SNSのように個人を誹謗中傷する事なんてなかった。
国語の授業は、先生がその中から抜粋した物を、当時はガリ版で印刷し教材とした。
特別に優れた文章と言う事ではなく、みんなで「○○さんは、この時どう思ったのか?本当はどうしたかったのか?して欲しかったのか?」かを話し合う。
そして本人に、真意を発表してもらったり、話し合いの中で本人に気付いてもらったりもする。
「もっと気持ちが伝わる書き方は?どこをどうすれば良いのか?」時には、本人に書き直しをしてもらい、再度授業で取り上げたりもした。
毎朝「今週の歌」という「歌係」が選んだ曲を歌う。
先生は自前のアコーディオンで伴奏してくれる。
選曲は生徒に任せ、今考えると「小学校3年生が、こんな曲?」と思う歌謡曲もあった。
その中の1曲が「イムジン河」だった。
だれがこの曲を選んだのか?もう、忘れてしまった。
だが、当時、発売自粛となったばかりの時だ。
この曲はみんな大好きで、数週間続けて歌った。
先生は何も言わなかった。毎朝、アコーディオンで伴奏してくれた。
今、思うに、、、発売自粛となった曲の大合唱が、3年生のあるクラスから、毎朝聞こえて来て、、、他の先生方はどう思っていたのだろう?
大人たちの都合や言い分も、きっとあっただろう。
だが子供たちに、そういった雑音は入ってこなかった。
「先生」と言うと、今でもこの先生が真っ先に浮かんで来る。
音楽が好き、書く事が好き。
今の私があるのは、この先生のおかげだ。