うさの珍道中

株式、時事を中心としたジャンルにこだわらない話題を何の脈絡も無く勝手放題に。あっちへふらふら、こっちへふらふら

インドの衝撃

2007年02月12日 21時38分27秒 | 日々の取引の状況、注目銘柄など株式関連
短期的見通しに関して目先2月相場は自分は、とりわけ火曜日からの今週は五分五分だと思ってます。
肯定材料はまあSQ明け、底堅い買い需要、信用の倍率、決算による次年度予想PER修正など上げる材料に、やや迷信的な節分天井の言葉と金曜日の引け方が気になります。金曜日に関しては既に先週の頭から短期的にはテクニカル指標で煮詰まっているのでそろそろ直近の移動平均の半値押しまでいったら面白いなと都合の良いことを考えていましたが、日経平均同様以外に粘りまして、こりゃひょっとすると上がるのか? 嫌だなぁと思ってました。
そう、ダヴィンチという銘柄は下がった時こそが肝心要の勝負で枚数を増やすことが出来る隙がわずかにみえますからね。
明日は金曜日にわずかながら鞘抜きして拾いなおしたおかげわずかなマイナスに過ぎませんので思いっきり下げるもよし、上げるもまた良しです。
希望と期待で下げてほしいものです。

HTTPSさんからの宿題、NHKスペシャルの「インドの衝撃」を見ました。自分が日本の教育に足りないと思っていた大学教育が、まさにインドで行われています。
そういう意味で確かに衝撃でした。
とりわけ教育という意味では、日本はインドどころか他の国から完全に遅れていています。
教育の方法がまず違います。まず理解=暗記ではなくて、考えさせることを重視します。模範解答を暗記させるようなことはしなく、答えにたどり着く方法を何種類も考えさせます。
例えば日本でも難関私立の入試を経験すれば所謂方程式で模範解答がありますが一方で別解があるような数学の問題があります。
これを正解にたどり着くスピードさえ考えれば所謂模範解答を覚えれば十分なのですが、別解でも答えは正解です。日本の場合は選択式のセンター試験、もっと言えば採点側の都合でその過程はあまり重視されません。
そうなると要は暗記量です。
一方インドでは少なくともトップエリートは、答える以前にそこにたどり着く方法を、複数の方法でかつ自分で考えるように頭の訓練をします。
よって、試験は記述式で試験時間を長く取って解答させ、最後まで考えることが重視され、例え答えが違っていてもその間の思考過程も「論理性」「独創性」で評価するそうです。
また、数学の試験であっても科学や物理の知識を使わないと解けない問題が試験となります。
毎日出される膨大な課題に対し、長時間考えるのは一緒でも学生仲間とそれぞれ違う方法、意見をぶつけ合わせその独創性を競うこことになります。
また、そういった人材の本当の意味でのエリート意識から社会への貢献意欲も高く、国を自分で栄えさせるといった人材につながるようです。
そういったインドの人材に対し、MSやインテル、ヤフーなどの企業から、外資系金融機関などに需要があるようで初任給は一千万円のところもあるようです。
にもかかわらず、どちらかといえば国内企業やベンチャーを起業する学生もおおいとのこと。
いやはや、恐るべき・・・・・。

インドについては、かなり以前に紹介した今から10年程前に書かれた八城氏の本に書かれていた事実から米国社会にて日本人よりも遥かに有力なインド社会のネットワークの存在を知りました。
とりわけ英語圏ということもあり米国の企業では非常に多くのインド人経営幹部がいるそうです。
初めて八城氏の本を読んだ時は私も学生でしたが、日本企業はおそらく国際競争において敗れることが容易に予想できるほど中にいる人材の待遇に差がありました。
しかし、やはり尊敬するジムロジャース氏の著作を読むとインドはインフラと政治という弱点があると指摘しています。
加えて、その当時は米金融企業による投資加熱で彼自身は否定的見解でした。その内容、日ごろのロジャース氏のまず現地に行ってみる姿勢に共感を持つので、インドについてはいまだに投資していません。
しかし、自分の中にロジャース氏の予想が外れてくる具体的論理的な反論が最近少し出てきました。

他ならぬロジャース自身の言葉に従い、自分の目で世界を見ようと自分の足で旅に出た時、やはり衝撃を受けました。
世界はこの2年で想像以上に変わっていて、それは過剰流動性が起こした革命といってもいいでしょう。
世界中で好景気になり、物価上昇が起こっており、とりわけ土地が値上がりし、新興国が急速に消費社会、競争相手、金融資産の蓄積を進行させています。
かっては親日国で知られ、教育とIT、先端企業の活躍で今や日本をしのぐ一人当たりGDPを誇るある国では経済の発展を裏打ちにして物価はチョー高いです。
その日も夏でも真夜中過ぎるとちょっと寒い白夜の遅い夜の中、近代的なデザインの飛行場でのターミナルで雑魚寝ってやつをする為に仲間を探しているときに知り合ったのがインド工科大学を卒業後、会社から奨学金をもらいこの国の大学院で研究生活を送るインドの出身学生です。
彼はインドお得意のSEで北部らしい背の高い人ですが、ビジネスマンも経験しインド哲学や文学、歴史にも詳しいので話が合い僕の下手くそな英語にもかなり付き合ってくれました。
日本人にはおおむね好意的で、とりわけ彼は北部インド出身なのでINA(インド国民軍)の話に及んだ時に、近頃はインドでもガンジー・ネールよりもボースの人気が上がって来ていると話していました。
学校では欧州なので、出身国ごとに固まるので若干人種の壁を感じなくは無いが、日本人ほどではないが欧州人でもインド人は受け入れられていると言ってました。
かれも卒業後にベンチャー企業を起こしたいと話していて、彼の話を聞く限り、日本の平均的な学生のそれとは違い可能性が非常に現実的な印象を受けました。
加えて、インドのインフラについてジムロジャースの見解を伝えると、ちょっとナショナリストですから憤慨していましたが、逆に日本の戦後の経済史の話題で切り返され、ちょっと慌てました。
直後に売店で拾ったF人のちょっとイカれたな女の子と地元のBeerが入ったので、謹直な彼との会話は途絶えてしまいましたが非常に認識を新たにさせられる経験でした。
そうです、上述のインドの教育方法や学校制度などや人材などは実は古い時代の日本では結構共通している面も多く、もちろんインドがインフラでたち遅れているのは事実ですが、それは例えば1950~1965と1965~の日本の経済の違いに例えられ、こちらが思わない反論に慌てました
日本でも実はインフラが充実したのはけっこう遅い時期なのです。しかしそれ以前にも確かに高度成長は来ていました。
戦後日本経済と言っても細かい段階は結構あるのですが、若い日本人の一般的戦後歴史観は高度成長とバブル以後しかないかもしれません。
しかし、遠いインドの地にそれを知る人がいて、歴史と哲学がもっとも投資に役立つと言うロジャース氏のインド悲観論に意を唱えたインドの若者の意気が勝るのか非常に興味深い出来事でした。

ただ、これもまたジムロジャースの教えですが人の意見などホドホドにしておいて自分の目で見て、自分なりの世界地図を頭に作るこの知的でアグレッシブな作業をみなさんも楽しんでもらいたいと心から思います。