諦めない教育原理

特別支援教育は教育の原点と聞いたことがあります。
その窓からどこまで見えるか…。

74 音楽の経営術#1 指揮者

2020年04月11日 | 音楽の経営術
ヴィンヤード型(ブドウ畑)のホール(ベルリンフィルハーモニー 小ホール  ウィキペディアから)

 ※「憲章」についてはしばらくお休みして、もう少し気楽?なものにします。
よかった読んでください。
(エンタメですが、実は学校などヒューマンサービス関連の経営と関係がある気もしています。)

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 チケットに示された2階H扉から入ると、オーケストラの背面の席である。
「あれ、ここかぁ」
失敗?。この席は一般に音が良くない。

 でも、圧倒的に景色が新鮮に感じる。
ティンパニーがそこにあり、奏者の椅子の背中、譜面台上の譜面はこっちに向き、その先に指揮者が立つ指揮台、さらにその向こうにこれから音が広がるであろう大きな空間がある。

指定された席について改めて見上ると天井が高い。
ここはヴィンヤード型(ブドウ畑)のホールだ。
オーケストラを囲むように客席がイタリアの丘陵のブドウ畑に似ているという。その雰囲気がよく人気がある。

 このホールはそれだけではない。
傾斜地に作られた畑はその傾きを緩和するために石垣を施しているが、それと同じように一つの座席ブロックとその下のブロックの間にが屹立しいるのである。
単に客席をオケに近づける意図だけではない。
この壁をぐるっと客席側から目で追ってみると、打楽器の並ぶオケの最後部へと続いていて大きな円を描いている。
 たとえば、エルサレムに嘆きの壁というのがあり、壁に向かって囁いたことが弧を描いた壁にそって伝搬し、遥か向こうの壁で耳を当てても聞こえるという。
このホールの「石垣」はこの効果を生むらしい。
たとえば、オケ後方でならした微かなトライアングルの音が「チン」とそこで鳴らしたように聞こえる。

 音楽ホールは一般に残響が多いほど良いのだが、それが過多だと銭湯のように籠った音になり、個々の音の独立性が損なわれる。
このホールなどは構造的な工夫によって調和性と個々の独立性を図った革新的なホールと言えるらしい。海外の一流演奏家からも評判がいい。

 エンタメと言って気楽に書いて、話が少しそれました。ホールは今回の主役ではありません。

 さて、そろそろ団員が各パートに散り始めた。黒のスーツとドレス。
そして、指揮台の向こうのお客さんもこちら側も静かに指揮者を待っている。

 この間、ホール全体が緊張している感じ。
あれ、そういえば、この緊張、昨日観察役をやった若い先生の研究授業前の感じと似ている!、とよぎる。

それは、いつもの聴衆側ではなく、今日は音楽をつくる工房側の席だからでもあろう。

 指揮者が袖から現れる。名指揮者 尾高忠明だ。
さて、これからどんな授業?をするんだろう。

                       (つづく)


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