バレー『ドン・キホーテ』

ハァ～～～、ここ２日間くらい体調不良～～～。

それと言うのも、奥歯３本の治療の性でリンパ腺が腫れてしまい抗生物質を飲んでいるのだが、その性か、一昨日辺りから喉がやけに痛くなり風邪でも引いている様な症状なのだ。
それに、奥歯に一時的に被せてある詰め物の一部がやけに尖って、舌に当たって凄く痛いッ！！（涙）

そんな訳で、昨日は殆ど家でグダグダし、今日（日曜日）もグダグダしようとしていたら、昼頃、メキシコ・シティーに今朝着いたと言う友人からの電話で、急きょソカロまで出向くことになった。
実は今日催されるバレー『ドン・キホーテ』の入場券を先日買っておいたのだが、こう具合が悪いので取り止めようかと考えていた矢先だ。
会場はソカロの近くだし、取りあえず切符持参で出向いた次第。

二人で時間つぶしにラグニージャと言う地域にある骨董品の野天市を見てから、『国立芸術院』（オペラハウス）の近くで昼食（と言っても３時過ぎ）を取りつつダベってから友人と別れ、自分は５時開演のバレーを見に直ぐ近くの劇場まで出向いた。

メキシコでバレーを見るのは本当に久し振りで（って見たっけ？？確か）、全く期待していなかったのだが、ただ単に『ドン・キホーテ』の題名に釣られて切符を購入した次第だ。

この『ラ・シウダー劇場』（都市劇場）は市民の憩いの場として大衆向けに建てられた劇場みたいで、決して汚くはないけれど、実のところ、まあ、あんまり大した事のない中流劇場だ。
今日の座席は前から３列目。まさに『かぶりつき』の位置！
マ、バレーだから良いものの、9月末に公演されるオペラ『マノン・レスコー』も同じ座席を購入してしまっている。チョッと、前過ぎる～～、と今から後悔！

さて、今日のバレー、オーケストラの伴奏かと思ったら、オケ・ボックスが蓋されている。チョッとガックリ！！

このレオン・ミンクス作曲の『ドン・キホーテ』、古典バレーの出し物の中でも、もっともポピュラーなものの一つだが、音楽だけで演奏される事は殆どなく、バレー『ドン・キホーテ』というセットで通常我々は接している。そこいら辺が、『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』等のチャイコフスキーのバレー音楽等とは異なるところだろう。

幕が開くと直ぐに第１幕、スペインの市場だ。
主役のキトリ登場。
この初っぱなからのこの場面は有名な見せ所で、結構期待していたのだが・・・、ガクッ！スペイン風な異国情緒が全く感じられない踊り・・。体操かぁ？？

マ、こんなもんだろうと諦めて、しかも、スッゴくトイレに行きたいのを我慢しつつ・・・、も、も、漏れそ～～～～！！！
チョッと顔面蒼白＝＝＝＝！！

この40分間が異状に長く感じた事か・・・。
一幕が終わるや否や、未だ誰も席から立っていないところを、ダダダダ～～～と廊下に走り出た！！！
ハァァ～～～～～～～～～～ッ、ホッ。

さて、ユトリを取り戻して、第２幕を見出した・・・。

・・・えっ・・アレッ？？ナンか日本人みたいな子が１名。
いや、絶対に日本人だ！
しかも、ドルシネア姫の役だ。
慌ててプログラムを見ると・・、”Mayuko Nihei”とある。

しっかし、白人系のスラリとしたメキシコ人達の中にいると、違和感感じるなぁ～～～～！と思いつつ行く末を見守る・・・。

彼女が踊り始めるや、隣の席のオバハンが、小さい溜め息ともつかない声で『ヒ～～～～～～ッ』。
実のところ、『うっ、上手い』！
メキシコ人の他の踊り子達とは、技術表現が全く異なる。
多分、日本で勉強して、それから、ヨーロッパにでも留学した経験があるのだろう。
的確な技術の裏打ちがあって、そして表現が優雅！
足もピッチし上がってる！！

しっかし、メキシコ辺りで踊らすんじゃあ、もったいないなぁ～～～と思いつつ、この幕は終わり・・・。

最終の３幕に移行した。
ここでは、また、主役キトリが相手役と踊る有名なグラン・パ・ド・ドゥがあって、今回切符を購入したのも、１幕の見せ場とこの『グラン・パ・ド・ドゥ』を見たい為だったのだが、案の定、期待に反して『全くエキゾチックな雰囲気のない』体操系バレー？だった。一生懸命に踊ってたんだけどネ。

と言うことで、今回の掘り出し物！
もちろん！日本人？日系人？の”Mayuko Nihei”さん！
もし、次回、また彼女が踊るようならば、是非見てみたい。

因に、外見の雰囲気は、ロイヤル・バレーのプリンシパルを長いこと務めた吉田都さんみたいな感じ、と言えば、大体分かるかなぁ～？