何故、青年海外協力隊に参加して、わざわざボリビアまで行ったのか。
この話を始めるには、先ず、協力隊を知る切っ掛けとなった1980年の11月まで遡って、当時の状況説明から始めなければならないだろう。
当時、バリトンからテノールに転向したての自分は、ある意味、オペラ歌手として羽ばたこうと夢を抱き、『粒々辛苦』の心境で練習に精進していたが、同時に、組織内での摩擦や軋轢に身も心もボロボロになっていた時期でもあった。
ある面、人一倍神経質で潔癖性な自分は、人から後ろ指を指されることに極端な拒絶反応を示し、自分自ら自身を追いつめ、精神的な破滅の方向に向けさせてしまっていた。
そんなある日、アマチュア・オーケストラの指揮者から、オペラ『椿姫』の端役に出演願えないかと電話が入った。
聞くところによると、予定してた人が役を降りてしまったため、急遽、人材を捜しているそうで、本番まで既に2週間を切っている状況なので誰にでもという訳にはいかず、人づてで自分に話しが回って来た訳だ。
それまで『椿姫』には何度となく関係して来ていたので、このガストンという役こそ演じたことは無かったけれど、人探しにもう後がないだろうからと快く引き受けることにした。
さて、当時のこのアマチュア・オーケストラは、団員数が優に100名を超すマンモス・グループで、確か彼らに取っては初めてのオペラ経験だったと記憶している。
政治手腕のある団代表のもと、主な練習は代々木にある元オリンピック村の体育館で行われていた。
オペラの練習に参加した方なら分かるだろうが、出番の多少に拘らず、総合練習には全員が参加するのが常だ。
夕方6時から参加したこの日、自分の出番が無い時にロビーに出て暇を潰していたら、偶然にあるチラシが目についた。
なに?青年海外協力隊・・・??
ナンだ~コリャ~~???
チラシを見始めた頃に自分の出番が近づいて来たので(練習音は体育館から良く聴こえる)、慌ててチラシをショルダー・バックに入れて練習場に入ったのだが、その練習の帰りに、暇な電車内でそのチラシを取り出して見てみた。
隊員・・・??
何だろう、右翼のグループみたいだナ~・・・。
技術を持った若者を、世界の開発途上国に派遣する???
ナンか音楽という狭い処で生きて来た自分にとって、それまでに見たことも聞いたことも無い未知の世界を垣間見せられた瞬間だったが、『へ~~、変わった組織があるもんだ』と思った程度で、そのチラシはまた自分の鞄に仕舞われたのだった。
ところが、いつの間にか頭の何処か片隅に『何か』が芽生え、チラシをまた取り出しては『無』の状態が徐々に『興味』に移行して行き、2日後には『受験してみよう』では無く、もう『行こう!!』と本心から決めたのだった。
この話を始めるには、先ず、協力隊を知る切っ掛けとなった1980年の11月まで遡って、当時の状況説明から始めなければならないだろう。
当時、バリトンからテノールに転向したての自分は、ある意味、オペラ歌手として羽ばたこうと夢を抱き、『粒々辛苦』の心境で練習に精進していたが、同時に、組織内での摩擦や軋轢に身も心もボロボロになっていた時期でもあった。
ある面、人一倍神経質で潔癖性な自分は、人から後ろ指を指されることに極端な拒絶反応を示し、自分自ら自身を追いつめ、精神的な破滅の方向に向けさせてしまっていた。
そんなある日、アマチュア・オーケストラの指揮者から、オペラ『椿姫』の端役に出演願えないかと電話が入った。
聞くところによると、予定してた人が役を降りてしまったため、急遽、人材を捜しているそうで、本番まで既に2週間を切っている状況なので誰にでもという訳にはいかず、人づてで自分に話しが回って来た訳だ。
それまで『椿姫』には何度となく関係して来ていたので、このガストンという役こそ演じたことは無かったけれど、人探しにもう後がないだろうからと快く引き受けることにした。
さて、当時のこのアマチュア・オーケストラは、団員数が優に100名を超すマンモス・グループで、確か彼らに取っては初めてのオペラ経験だったと記憶している。
政治手腕のある団代表のもと、主な練習は代々木にある元オリンピック村の体育館で行われていた。
オペラの練習に参加した方なら分かるだろうが、出番の多少に拘らず、総合練習には全員が参加するのが常だ。
夕方6時から参加したこの日、自分の出番が無い時にロビーに出て暇を潰していたら、偶然にあるチラシが目についた。
なに?青年海外協力隊・・・??
ナンだ~コリャ~~???
チラシを見始めた頃に自分の出番が近づいて来たので(練習音は体育館から良く聴こえる)、慌ててチラシをショルダー・バックに入れて練習場に入ったのだが、その練習の帰りに、暇な電車内でそのチラシを取り出して見てみた。
隊員・・・??
何だろう、右翼のグループみたいだナ~・・・。
技術を持った若者を、世界の開発途上国に派遣する???
ナンか音楽という狭い処で生きて来た自分にとって、それまでに見たことも聞いたことも無い未知の世界を垣間見せられた瞬間だったが、『へ~~、変わった組織があるもんだ』と思った程度で、そのチラシはまた自分の鞄に仕舞われたのだった。
ところが、いつの間にか頭の何処か片隅に『何か』が芽生え、チラシをまた取り出しては『無』の状態が徐々に『興味』に移行して行き、2日後には『受験してみよう』では無く、もう『行こう!!』と本心から決めたのだった。