人生ラベリント

人生は迷路!! 芸術と日常、たまにミスコン・ネタも紹介しちゃうブログ。
最近はバレエ・ネタに執着中😅💦

あの遥か彼方の頂で(2)

2011年01月22日 | あの遥か彼方の頂で
何故、青年海外協力隊に参加して、わざわざボリビアまで行ったのか。

この話を始めるには、先ず、協力隊を知る切っ掛けとなった1980年の11月まで遡って、当時の状況説明から始めなければならないだろう。


当時、バリトンからテノールに転向したての自分は、ある意味、オペラ歌手として羽ばたこうと夢を抱き、『粒々辛苦』の心境で練習に精進していたが、同時に、組織内での摩擦や軋轢に身も心もボロボロになっていた時期でもあった。

ある面、人一倍神経質で潔癖性な自分は、人から後ろ指を指されることに極端な拒絶反応を示し、自分自ら自身を追いつめ、精神的な破滅の方向に向けさせてしまっていた。


そんなある日、アマチュア・オーケストラの指揮者から、オペラ『椿姫』の端役に出演願えないかと電話が入った。

聞くところによると、予定してた人が役を降りてしまったため、急遽、人材を捜しているそうで、本番まで既に2週間を切っている状況なので誰にでもという訳にはいかず、人づてで自分に話しが回って来た訳だ。

それまで『椿姫』には何度となく関係して来ていたので、このガストンという役こそ演じたことは無かったけれど、人探しにもう後がないだろうからと快く引き受けることにした。


さて、当時のこのアマチュア・オーケストラは、団員数が優に100名を超すマンモス・グループで、確か彼らに取っては初めてのオペラ経験だったと記憶している。
政治手腕のある団代表のもと、主な練習は代々木にある元オリンピック村の体育館で行われていた。

オペラの練習に参加した方なら分かるだろうが、出番の多少に拘らず、総合練習には全員が参加するのが常だ。

夕方6時から参加したこの日、自分の出番が無い時にロビーに出て暇を潰していたら、偶然にあるチラシが目についた。

なに?青年海外協力隊・・・??
ナンだ~コリャ~~???

チラシを見始めた頃に自分の出番が近づいて来たので(練習音は体育館から良く聴こえる)、慌ててチラシをショルダー・バックに入れて練習場に入ったのだが、その練習の帰りに、暇な電車内でそのチラシを取り出して見てみた。

隊員・・・??
何だろう、右翼のグループみたいだナ~・・・。

技術を持った若者を、世界の開発途上国に派遣する???


ナンか音楽という狭い処で生きて来た自分にとって、それまでに見たことも聞いたことも無い未知の世界を垣間見せられた瞬間だったが、『へ~~、変わった組織があるもんだ』と思った程度で、そのチラシはまた自分の鞄に仕舞われたのだった。

ところが、いつの間にか頭の何処か片隅に『何か』が芽生え、チラシをまた取り出しては『無』の状態が徐々に『興味』に移行して行き、2日後には『受験してみよう』では無く、もう『行こう!!』と本心から決めたのだった。





コメント (3)
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あの遥か彼方の頂で(1)

2011年01月16日 | あの遥か彼方の頂で
今日から新シリーズの始まりです。

ってか、気まぐれ人間の自分のこと、急に思い立って書き始めるので、このシリーズがどのように進行するかは『神のみぞ知る』ところです。

そんな訳で、余り自分に負荷をかけたくないので、従来の『メキシコ・シッチャカメッチャカ』の様に、気が向いた時に更新して行くことになります。

但しまぁ~、このシリーズを書くことによって、自分と言う存在が可成り特定されて来てしまうンだろうケド・・、マーー良いかぁ~~~。

= = = = = = = = = = = = = = = = =



『ミス・コン』の去るファン・サイトを覗いていたら、1枚の画像が目に付いた。




たまたま目にしたこの画像を見て、ふと、そうふと、懐かしいあの頃の映像が走馬灯の如く脳裏に浮かんだ。

そう、忘れもしない、もう30年近くも前のことだ・・・・・。



当時、青年海外協力隊の音楽(声楽)隊員としてボリビアに赴任し、ラ・パスの国立音楽院で半年間を過ごした後、受け入れの悪さから在外事務所に自分から配属先変更を申し出て、地方都市のコチャバンバに移り、エドゥアルド・ラレド音楽学校で教鞭を執り始めた、そんな頃だった。

ある日、登校するなり校長室に呼ばれて、校長から『イクオは身障者に対してどう言う意識を持っている?接触を持ちたくないか?』と突然聞かれた。

『えっ?いえ、全く差別する気持ちはありませんが。』

『そうか。実は、以前から良く学校に遊びに来ている知恵遅れのお嬢さんがいるんだが、彼女がイクオのことを知って、是非とも声楽を学びたいと言っているんだ。』

『あぁ、そう言うことでしたら、喜んでお手伝いしますヨ。』

と言うことで、その翌日だったか、その彼女が教室に現れた。


見るからにチャーミングで上品そうな美しい娘さんで、正にこの画像の彼女をモッと華やかに美しくした顔立ちだ。

知的な雰囲気さえ漂うその顔立ちからは、知恵おくれとは一見しただけでは想像も付かない。

『ヒメナです。ムーチョ・グスト(初めまして)。』

『あ、ムーチョ・グスト。イクオです。』

当時の自分は、片言のスペイン語をどうにか話せる程度だったので、相手の言葉を良く理解出来ず、そんな自分を、ヒメナは『こう言うの』と何回も言い直して教えてくれた。

え~~と、それはね~、と人差し指を顎に当てて考える仕草。

ン~~~、と人差し指をこめかみに当てて考えたり、腕組みをして首を傾げたり、ごく普通の話しでも難しいことを考えながら言う様な仕草をするので、確かにチョッと普通の人とは感じは異なる。


『歌を歌うには呼吸が凄く大切なので、発声練習を始める前に、先ず呼吸法について少し練習してみましょう。』

『・・・~~~・・・では~~、少し前に体を倒して息を吸ってみましょうネ~。』

『ハイ、先生の側腹(そばはら、脇腹のこと)の辺りに手を置いてみて~~』と彼女の手を取って自分の脇腹の位置に当てさせ、横隔膜を使って腹式呼吸をしようとしたら~~~・・・・・・、

いきなり!!そう、いきなり!!!
ギューっと脇腹を鷲掴みにされた!!!!!

ヒエ~~~~~~~~~!!!!!!
ナ、ナ、ナンジャ~~~!!!!!!

っっっとビックリした途端、

彼女はーーー、

アッハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ~~~、

アッハッハッハッハッハッッハ~~~~~~~~~、

アッハッハッハッハッハッッハ~~~~~~~~~、

と笑い出し、その笑いが止まらなくなった!!!!!(大汗)

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多分、5分くらい続いただろうか・・・。

ヤッと笑いが止まったので、『どう~したの~』と聞くと、『えっ?何が??』ともう平常心だ。

『じゃあ、もう一回、ハイ、先生の脇腹に手を当ててみようか』と言うと、やはりギュッと鷲掴みにする。

『ううん、掴まなくていいヨ。こうやって、ただ手を当てれば良いからネ~』と優しく指導すると、直ぐに出来る様になった。

この頃、ヒメナは確か18歳になったばかりだったと思う。

(この項、続く。)


(画像の出典先)
< http://www.voy.com/197533/ >





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