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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

再評価されるべき画家 蓬莱山図 山元春挙筆 その10 

2019-10-10 00:01:00 | 掛け軸
義父の七十七回忌の法要も終えひと段落しました。月も10月となり、決算時期では下期にも突入しましたので、今まで捧げものの手入れができていなかった神棚をきちんとして拝むことにしました。



台所の神棚も・・。荒神様・・・。



我が家に3カ所もある大黒・恵比寿様。



福の神も・・・、買ってきた宝くじをおいておきました。さてひととおり神様に失礼のないようにするのは手間がかかります。おっと庭にはお稲荷さんがあった



さて本日の作品紹介は本作品で本ブログへの投稿が10作品目となる山元春挙の作品です。意外にネットオークションなどで入手しやすい画家ですが、甥の山元櫻月(春汀)と共に蒐集すると面白いですね。

蓬莱山図 山元春挙筆 その10 
紙本水墨軸装 軸先 共箱二重箱
全体サイズ:横490*縦2235 画サイズ:横310*縦1380

 

山元春挙の作品は着色の作品が人気がありますが、わりと水墨画もしっかりしています。



山元春挙の作品はなんといっても画題は山岳画です。雄大な山岳風景を題材に写実的で壮大なスケールの作品を次々と発表し、新時代の到来を感じさせる革新的な画家として当時は人気を博しました



逆に山岳画以外は意外にみるべき作品がないと言って過言ではないでしょう。



春挙は画業50年のうち、40歳前後からの20年間全てを「山岳風景」だけにその画題をしぼったと言われています。



山元春の作品は箱がしっかりしているものがいいですね。描いた当時の人気の高さがうかがわれます。

  

不運にも竹内栖鳳の陰にかくれることの多かった春山元春挙は次第に人気が薄れましたが、最近は再評価されています。

名都美術館(愛知県長久手市にある私立美術館)で2019年4月2日(火)から開催されていた「山元春挙 -大明神と呼ばれた画家-」展があり、好評だったようです。山元春挙自身は意外にルックスがいい男・・・。



大正6年(1917年)6月11日帝室技芸員に任命されるた同年、故郷の近くに別荘・蘆花浅水荘(国の重要文化財)を営み、のち庭内に記恩寺を建立、寛斎と父の像を安置しています。このことから本作品は大正6年頃以降の作で、画風から大正年代末の作ではないかと推察されます。

  

本ブログで紹介したたの所蔵作品の「秋渓早雪図」(上写真中央)、「秋山清影図」(上写真右)にも同じような落款があります。

なお作品中の左下には下記の印章が押印されています。どのような意図なのかは不明です。



いくら雄大で素晴らしい作品でも、その大作を飾るスペースが無ければ広げることさえできません。山元春挙の作品を飾るにはそれなりの大きな床の間が必要なようです。



今回に展示では手前は弓野焼の甕を置いていました。



ところで箱書きの表面に題名とともに、落款と印章を押印することの多い山元春挙の共箱ですが、このような場合は題字カバーが付くべきですが、題字カバーを破損してか、題字カバーがない作品が多くあります。



題字カバーを外そうとして題字カバーを破損する方が多くいますが、題字カバーでも扱いを慎重にしなくていけません。掛け軸の扱いには、落ち着いた所作が肝要です。

どうしても破損して外箱に入らなくなったりしたら、応急的に紙でカバーして保管しておくといいでしょう。紙の挿入にはちょっとしたコツが要りますが・・・。

*題字カバーは数千円でできます。




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