夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

資料としての作品 大黒天尊像 平櫛田中識(昭和42年記)

2021-05-12 00:01:00 | 彫刻
家内共々、楽しみにしていた東京芸術大学で開催されている「渡辺省亭の展覧会」が、コロナ禍で中断されています。日曜日美術館で紹介されましたが、ファンとしては欲求不満の溜まる状況ですね。当方では注目される前に蒐集を始めていましたので20点ほどの作品が蒐集され、本ブログでも拙文にて紹介されています。家内も展覧会を観たかったらしく、画集を取り寄せてくれました。家内から自宅にて展示するようにせがまれてとうとう連休中に段取りしました。目新しい作品はありませんが、近々投稿する予定です。

*渡辺省亭の作品については順次に投稿予定です。

ところで連休中はその段取りと並行して家中のガラス掃除・・。



息子も手伝ってくれましたが、だんだん手伝いが遊びに変わっていきます。しまいには小生に叱られてしまい、小生ひとりで三日かかってようやく完了・・。



さて当方には平櫛田中の大黒天像らしき作品の数が手元に集まってきました。全部で現在6作品、蒐集した契機は以前ブログに投稿してとおりです。



3作品を並べて鑑識中・・、これが意外に共箱を含めて判断が難しいものです。ちなみに所定鑑定人は平櫛弘子という方らしいです。



ところで平櫛田中の大黒天像らしき作品の数が増える従って、下記のような作品も蒐集に加わりました。



資料としての作品 大黒天尊像 平櫛田中識(昭和42年記)
昭和42年(1967年) 96歳作 共箱二重箱
作品サイズ:高さ*横幅



例えるなら円空のような味のある大黒様ですね。



木槌は無くなったのかもしれません。箱書は平櫛田中の書体としてよさそうです。本ブログで紹介している「福聚大黒天尊像 平櫛田中作 昭和42年作 その6(中)」と同年の箱書です。



箱書には「大黒天尊像」と記され、裏面には「近代制作 定(? 「とある」という意味か?)大工さんの楽しんでものしたらしい?(作った?)感じでした 昭和丁未(1967年 昭和42年)四月□□ 九六翁中題 押印」と記されています。

平櫛田中の箱書によく書かれている「吉辰(きっしん)」とは「よい日。めでたい日。吉日 (きちじつ)」という意味のようです。

平櫛田中が気に入って箱書を記したのかもしれません。



平櫛田中の印章などの詳しい資料は手元にありませんが、許される範囲で見かけるごとに写真などにて蒐集には努めています。



本作品の印章と上記資料とを比較したのが下記の写真です。ただ平櫛田中の印章は同様な印章が数多くあるように思われます。長寿ゆえに、また多作ゆえに印章は多種多様のようで、まったくの同一印章という判断にはかなりの情報が必要かもしれせん。

 

この作品は由縁はどうあれ小生は気に入っています。この作品を含めて当方での7作品は平櫛田中によるものと判断しています。



なにか似合うような厨子を探したのですが、他の大黒天など極彩色の作品は埃を嫌うので、便利な扉開閉式の人形用のガラスケースを用意しました。開閉式にみえないのがいい・・・。本日のブログは実はガラスの話、見えるようで見えないのがいい。



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