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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

連峯暁色 平福百穂筆 昭和6年頃 その152

2025-07-29 00:41:00 | 掛け軸
「男の隠れ家 その4」の改修工事では家具や建具の工事にも着手しています。既存の建具にステンドガラスが嵌め込まれています。ほぼすべての内部の扉にはステンドガラスが嵌め込まれてます。



内部の天井はすべて板貼にしています。工事金額が嵩みますが、クロスでは壁は将来他に張替えできても天井は将来的に他の張替が難しいので、今回は天井はすべて板貼りです。

既存の押し入れ部分が床の間としましたが、天井を極力高くしています。上框は極力掛け軸が良く見えるようにします。脇にはエアコンを付け、目隠し欄間を付けます。



2階がキッチンですが、設備の配管のために下がり壁となります。和室は真壁を大壁にしています。

ともかく小さな家のリフォームですが、コストを最小限にして少しでもアイデアを出していこうと始めた工事です。主に額製品の展示室・収納が多くなります。


さて当方にて蒐集した平福百穂の作品数は本日の作品で「その152」となりました。同郷の画家ということもあり、福田豊四郎、寺崎廣業、平福父子の作品は数が多くなりました。



連峯暁色 平福百穂筆 昭和6年頃
絹本水墨軸装 軸先骨 島田柏樹鑑定書添付 共箱入 
全体サイズ:横570*縦1280 画サイズ:横420*縦305



平福百穂の作品において近代南画と称される作品群は主に昭和期になってから描かれた作品であり、数は意外に少ないようです。平福百穂は1933年(昭和8年)10月25日、兄の急逝を受けて秋田県横手町を訪問中に脳溢血で倒れており、東京から三角和正、斎藤茂吉が駆けつけましたが、回復しないまま同年10月30日に死去 しているので、昭和期の作品は非常に少ないのでしょう。



1916年(大正5年)に金鈴社結成後は、中国の画像石や画巻、南画への関心を示す古典回帰が見られる作品を発表しており、やがて1932年(昭和7年)の「小松山」など、自然主義と古典が融合した作品を生み出すに至っています。本作品はちょうどその頃の作と推定しています。

本作品はシミが多少発生していますが、まだ改装するまでには至っていません。



題材とした風景の詳細は不明ですが、瀬戸内海を描いた作品でしょうか?

平福百穂は徳富蘇峰がとともに、大正2年6月末から8月にかけて、耶馬渓・瀬戸内海・青龍寺・山中湖などを旅しており、その場所ごとの印象を描いた絵画が遺っています。  



平福百穂の門下の島田柏樹の鑑定書が同封されています。



落款の書体に違和感はありません。

 

本作品の印章は使用例は非常に珍しく、図集に掲載されている「寒冬」(昭和6年作)という作品に押印されている印章と同一印章です。

 

箱書に押印されいる印章「白田舎人」は、よく見られる印章で、同じく図集に掲載されている1924年(大正13年)作の「泉」などに押印されています。

平福百穂の作品は贋作が多く、筋の良い平福百穂の作品を入手するのは意外に難しいものです。この作品は筋が良い・・・。



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