
本日は郷里出身の画家の平福百穂の作品を紹介いたします。簡略的に描いた作品ですが、茶味のある作品となっています。

鳴鶉 平福百穂筆 その130
平福一郎鑑定識紙付 紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱
全体サイズ:縦1410*横505 画サイズ:縦295*横372

郷里出身の画家の平福父子(穂庵と百穂)、寺崎廣業、倉田松濤、伊勢正義らの作品とその画家らと関連する画家、さらには郷里の関連する蓑虫山人らの作品を当方では蒐集しています。むろん郷里の美術館など公的な施設には代表的な作品はすでに所蔵されていますが、小作品をメインとして当方では蒐集を続けています。

たしかに今では郷里ですら人気の低くなってしまった画家らですが、だからこそ蒐集する者がいなくなると打ち捨てられてしまいそうなので蒐集しています。

作品中の落款から大正末期から昭和にかけての作品と推定されますが、当方では大正期として分類しました、



東京世田谷三宿(みしゅく)に大正8年に画室を建て、「白田舎(はくでんしゃ)」と名付け塾生をおいており、「白田云々」、「三宿云々」の印章や落款はこの頃以降のものと推察されます。よって箱書は大正8年以降のものと判断できますね。



ところで郷里の画家で平福百穂の作品ほど真贋の判断が難しい画家はいません。一番難しいのが版画に手彩色の作品ですが、これが平福百穂には驚くほど多いのです。平福一郎の署名のある複製までありますで、肉筆を勘違いしている方は数多いでしょう。当方でも幾つもの作品を見直すことがあり、閉口しています。