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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

郷土の画家 双鶴之図 藤森江岸筆 その3

2020-06-06 00:01:00 | 掛け軸
本日紹介する作品は亡くなった家内の実家にて所蔵する作品で、りんご台風(平成3年 1991年)で屋根が吹き飛ばされた際に実家の屋根裏から出てきた作品です。箱の中にいくつかの作品が納められており、たいした作品はなかったのですが、平福穂庵の若い頃の作品(本ブログで紹介されています)などがありました。すでに多くの作品において表具の状態は非常に悪くなっており、後日、当方にて「月日と費用をかけて」?あらかたの作品が修復されております。



この作品はその後は「男の隠れ家」の蔵に収納していましたが、昨年の蔵の改修を契機に少しづつ郷土の画家の作品の整理をしています。蒐集の基本は必ず地元にちなむものを対象とすることでしょう。地元の画家や縁のある芸術家、郷土作品を知らずして、何のための蒐集なのだろうかと思います。

双鶴之図 藤森江岸筆 その3
紙本水墨軸装 軸先 誂箱+タトウ
全体サイズ:縦1894*横530 作品サイズ:縦997*横404

 

藤森江岸は享和2年生まれ、明治2年1月10日没。別号芦月、陸曜。大館市花岡の目名家鳥潟一族に生まれています。又右衛門の長男で、本名は徳右衛門といい、長じて姉の養子となり藤森姓を名乗りました。



さらにそこを離れて44歳で大館市の伊藤徳右衛門家に入籍しましたが、画号は藤森姓を名乗っています。なお花岡の鳥潟一族からは優れた人物が出ています。なお当方の同僚にも鳥潟一族の出の方がいます。



藤森江岸14歳で江戸や京都で青年時代修行し、文晁の弟子の清水曲河(江戸、文政2年5月、73歳で没)に就いて学んでいます。秋田県内に遺作が多く、文晁派というより四条派に近いダイナミックな絵が遺されています。



多くの作品が地元に残されていますが、状態の良い作品は少なく、地元でも知っている人が少なくなり、蒐集する人もいなくなったようで、最近は骨董店でも作品は見かけなくなりました。

以前は地元在住の骨董愛好家らが集まって展覧会などを実施していたのですが、最近はそのような催し物が少なくなりましたね。

 

郷土出身の画家の中でも画力に優れた画家のひとりでしょう。

*表具を改装したのが平成10年より前の頃でしょうか? 久方ぶりに展示室に飾りましたが、風帯の跡が表具に付いているの見た際に、男の隠れ家の寝室の床に正月などに飾っていたことを思い出しました。郷里において亡くなった家内や義父との思い出の作品です。また元の場所に戻しておきましょう・・・・。








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