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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

花菖蒲 松尾敏男筆

2018-11-27 00:01:00 | 日本画
先週末は三連休を利用して息子の七五三。朝から家内共々三人とも着物を着て準備しました。



息子の羽織は小生が着た着物を仕立て直したものです。



裏の絵柄は翁の面。元気で長寿を祈願。



小生が着ている大島紬の羽織の裏地は富士、こちらは義父方の親戚からのお下がりです。



さて手頃な価格で入手できる色紙の作品・・・、とくにまだよく知識がなく検証する画家の作品を紐解くには色紙の作品を入手することが有効な手段です。

本日は松尾敏男の色紙を入手し、調べてみましたので投稿します。

花菖蒲 松尾敏男筆
紙本着色 色紙 タトウ
画サイズ:横242*縦273



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松尾 敏男(まつお としお):1926年3月9日~2016年8月4日。日本画家、日本芸術院会員、日本美術院理事長。長崎県長崎市生まれ。堅山南風に師事。東京府立第六中学校(現・東京都立新宿高等学校)卒業。在学中は体操選手であった。



1949年に『埴輪』が院展初入選。以後院展に出品を続け、1962年初の院展奨励賞、1966年院展日本美術院賞、1971年芸術選奨新人賞、1975年院展文部大臣賞、1979年日本芸術院賞。



1988年多摩美術大学教授に就任。
1994年、日本芸術院会員。1998年、勲三等瑞宝章。
2000年、文化功労者。2012年、文化勲章受章。



2016年8月4日、肺炎のために死去。90歳没。歿後に従三位追叙。

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いたってまじめの性格の画家という記述が記事にあり、作品もたしかにまじめさがよく表れている作品だと思います。



といってつまらない絵かというとそうではなく、色紙という小さな作品でありながら迫力が伝わってきます。

画題の菖蒲は中国では古来より、ショウブの形が刀に似ていること、邪気を祓うような爽やかな香りを持つことから、男子にとって縁起の良い植物とされ、家屋の外壁から張り出した軒に吊るしたり、枕の下に置いて寝たりしていたそうです。



日本でも、奈良時代の聖武天皇の頃より端午の節句に使われ始め、武士が台頭してからは「しょうぶ」の音に通じるので「尚武」という字が当てられるようになり(勝負にも通じる)ことから吉祥として、軒先に魔除けとして吊るしたり、風呂に入れる習慣が伝えられてきています。



ご存知のように菖蒲湯として用いられており、薬用効果を高めるために、芳香のある生の根茎や葉を大まかに刻んで布袋に入れて煮出したものが風呂に入れられる風習があります。調べてみると浴用の効果は、血液循環促進、冷え性、肩こり、疲労痛に効能があるとされています。また古くは漢方薬(白菖、菖蒲根)にもなっているようです。苦味芳香性の健胃薬の効果があるものの、特殊な不快味があるうえ、悪心、吐気感を催してしまうことがあるため内服には使われないとのこと。



こういう作品は色紙のタトウに入れておくよりもきちんとした色紙の額に入れてときおり飾りたいものですね。色紙用の額は数多くありますが、色紙の額は数が多くまた様々な工夫のされた額がありますが、一目でいい額かそうでないかはすぐに解るものです。



飾ってる色紙の額から蒐集している中身が解るものです。骨董とはそういう怖いところがあります。本日、紹介している額は色紙としては最低限の方の額・・。一万円程度の額ではお里が知れる・・。



とはいえ額はたくさん誂える必要はありませんね。色紙は普段は色紙用のタトウに入れ、さらに箱や箪笥の収納し和紙で全体を包むなど防虫や湿気防止の処置して保存しましょう。当方ではたとえ色紙の作品でも飾りぱなっしにはしないように注意しています。カビの跡のある作品、陽に焼けた作品では価値がほとんどないことになりますから。

着物も骨董品も同じ。いいものは良い保存方法で長く愉しむもの・・・。なにを後世に伝えるかは大事な現世を生きる者の務めですね。



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