夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

李朝刷毛目平盃

2019-11-02 00:01:00 | 陶磁器
先日の週末には町田市の版画美術館に出かけてきました。



美術館ではいつも飽きてきていた息子もそれなりに気に入った作品を選ぶようになってきたようです。なお下記の作品は町田市でふるさと納税で購入した作品のようで撮影可でした。



さて本日の作品の紹介です。

李朝の盃は盃ファンには不可欠な器のひとつでしょう。一番人気は粉引の盃でしょうが、入手困難ですので手軽に入手できるのは刷毛目の平盃かもしれませんね。時代にこだわらないならいい作品が入手できるのが李朝の盃だと思います。



李朝刷毛目平盃
誂箱
口径127*高さ30~34*高台径43



日本酒の冷酒を美味しく飲むなら平茶碗のように平ための器でしょう。「分とくやま」の主人によると漆器の平たいものが一番だそうですが、色変わりなどを愉しむなら李朝の平茶碗のような盃ですね。



筒状の盃と平茶碗上の盃で冷の日本酒を飲み比べるとその味は各段に違います。日本酒は香りを多少拡散したほうがさっぱりしていて美味しく飲めるようです。



熱燗で飲む以外は平茶碗上の盃、しかも大きめの器がいいと思います。なお男の人が酒を飲む時は盃の上側(向こう側)を持って、下側に唇を付けて豪快に飲むのが恰好いいと言われています。女性は喉を見せないように両手で飲むのが作法とか・・??



この器を茶器の碗として使うにはちょっと小さめですが、野点だったら茶碗として使えるかもしれませんね。



李朝の刷毛目の作品にはよく寄せ継ぎされて補修されている作品が多いのですが、それは発掘品に多いようです。補修を見どころとして唐津なども蒔絵の文様を入れた作品をよく見かけますね。ただこのような作品はやはり人間の欲が隠れ見えてくるような気がします。



いくら金繕いや蒔絵の補修が味わいがあっても、やはりある程度完品のものが良しとされます。完品の刷毛目の作品は意外に少ないかも?



残念ながら接待の会食以外は日本酒を嗜まない小生は、本作品は料理の器か茶器に使おうと思っています。



料理の器にもたしかにいいですね。ひとりで頂く膳にこのような器があると心豊かになり、贅沢な気持ちにさせてくれるでしょう。



繰り返しになりますが、李朝の刷毛目の盃は無傷の完品がいい・・・。


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