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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

鯛釣図 中村左洲筆 その2

2017-06-23 00:01:00 | 掛け軸
亡くなった家内の墓参りです。墓参りは月曜日になり、すでに家内の友人が墓に来ていただいたようで、花が添えられていました。



家に戻ると仏壇には遠方から花が届いていました。



もう無くなって10年近くなりますが、ありがたいことです。感謝・・・



昼食は皆で食事、久方ぶりのきりたんぽ



皆で作った食器や古い器で・・。仏壇にも食事を供えるましたが、写真を撮り忘れました。

食事中は今回来れなかった息子の写真を見ながら盛り上がりました。母との写真を見ながら「皆を元気づけるために生まれてきたみたいだね。」と義妹が話したのが印象的でした。そう、母も義母も家内も小生も家族皆・・。亡くなった家内からの贈り物かも・・・。



帰りの飛行機の乗る前にも食べて帰りました。

闘病中の義母の「今度はお盆ね!」という元気な顔と声を聞きながら帰宅しました。そう「またね。」

本日、紹介する作品は中村左洲の二作品目の紹介です。

鯛釣図 中村左洲筆 その2
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:縦2035*横540 画サイズ:縦1170*横420



中村左洲といえば、 伊勢地方では 「鯛の左洲さん」 として広く親しまれている画家です。 昭和28年に81歳で没するまで、終生二見の地にあって鯛の絵をはじめとする多くの作品を残しました。




10歳で父を亡くした左洲は、生業の漁業に従事するかたわら絵を描き、伊勢では、左洲といえば鯛の専門画家のようにいわれることがあります。



それは、左洲が漁師でもあったこと、 魚類は円山四条派の重要な写生対象であったこと、 鯛の絵は吉祥画として多くの需要があったことなどが主な理由でしょう。



伊勢神宮が近くにあり、皇族や宮司からの依頼や招待が多く、作品を献上することもあったとのことです。



確かに、鯛を描いた作品には終生伊勢の海に親しみ、伊勢志摩の自然と一体化したかのような彼の特質を見ることができます。



一方、内宮や外宮、山岳風景を主題とした情趣こまやかな風景作品には画家中村左洲の技量が より強く現れているように思われます。本作品はその両方が伺える佳作といえる作品です。



夜明けの海上で鷗が舞い、鯛を釣り上げて喜ぶ人の様が写実的に、かつ叙情的に描かれています。



中村左洲の作品の鯛を比較してみました。



「内宮や外宮、山岳風景を主題とした情趣こまやかな風景作品」より、生業の漁業に従事するかたわら絵を描いた中村左洲の作品の真骨頂はやはり鯛を題材にした作品ですね。



「内宮や外宮、山岳風景を主題とした情趣こまやかな風景作品」はよく見かけますが、見るべき作品とは言えないように思われます。



印章・落款は下記のとおりです。



表具は波の図柄です。



天地が傷み、箱もないので天地交換、収納箱をあつらえる必要があります。

墓参りに吉祥の図柄はそぐわないかもしれませんが、元気をもらった墓参りの帰郷であり、亡くなってから10年経っても、家内は小生に元気をくれているようです。





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2 コメント

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印譜裂地 (夜噺骨董談義)
2017-06-28 06:03:12
へいはちさん、コメントをありがとうございます。

郷里では出身の画家に愛着ある方が多いようですね。ただだんだん少子高齢化もあって、郷土出身の画家が忘れ去られているようでさみしい思いをすることもありますが・・。

本作品は天地交換、軸先交換などによって、蘇らせる予定です。

後世のことは後世の人に任せるしかないのでしょうね。
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Unknown (へいはち)
2017-06-27 11:58:18
コメントを失礼いたします。

郷土の方では、かなりの数の左洲が残っており、左洲の品を愛する人が多かった証拠に当時の数寄者や、コレクターが愛蔵したと聞く印譜裂地も残っております。

取り合わせも、本紙の雰囲気を生かす、素晴らしい荒磯の中廻しですね。
天のシミ以外はまだしっかりとした状態そうなので、軸先交換だけで楽しむことは楽しめそうな状態ですね。

しかし後世の事を考えると…と悩ましくも思ってしまいますね。
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