夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

揚子江 福田豊四郎筆 その160

2024-03-22 00:01:00 | 掛け軸
まだまだ寒い日もありますが、着実に春が近づいているようで、庭の草花も変化を見せています。



梅の木の下ではカタクリが一輪咲き始めていました。また岩の前では貝母も・・。



家内は庭の雑草をバーナーの火で退治・・。



そら恐ろしい行動を背に小生は花の撮影・・。



クマガイソウは芽を出し始めました。



息子はサバイバルゲームのガン。なんとも恐ろしい家族・・・。



メダカは寒さを乗り越えて水面に浮かび上がるようになりました。昨年春から夏に生まれたものは成魚に、飽きに生まれたものも少し大きな稚魚の状態です。



このまま大きくなって産卵になると、数が多くて(300匹以上?)手に負えなくなりそうです。



本日紹介する作品は、福田豊四郎の作品紹介は「その160」となります。ガラクタばかりながら我ながら「よく集めたな~」と思います。



揚子江 福田豊四郎筆 その160
絹本水墨淡彩軸装  軸先骨 共箱
全体サイズ:縦1300*横565 画サイズ:縦345*横425 
東京美術協会鑑定シール付 



落款と印章から昭和15年頃の作と推定されます。

昭和13年から翌年にかけ、陸軍従軍画家として中支・北支を巡歴し、翌14年1月帰国しており、この中国での景色を多くの作品として遺しています。



この作品もこの時に描いたスケッチをもとに描いたと考えられます。

下記の写真のような共箱に収められています。

  

印章は使用時期の限られた?印章です。この印章の作品は少ないと思われます。ただこの印章には印影の違う(もしくは大きさの違う)2種があるようにも思えます。検証は後日じっくりと比較してみようと思っていますが、本作品は真作に相違ないと判断してよいでしょう。

*後日、いろいろと調べるとこの2種の印章は意外に幅広い期間、小作品をメインに押印された作品がありそうです。

 

下記の写真のようなシールが同封されています。当時の昭和15年では600円はかなり高価?です。



この構図の作品は他にも描かれており、加島美術発刊の「美彩」というカタログには下記の作品が掲載されています。

江上泊舟 福田豊四郎筆
絹本着色軸装 共箱
全体サイズ:縦1520*横660 画サイズ:縦490*横540
カタログNO346 カタログ価格 10万円



現在でのカタログ価格は10万円のようです。大きさは本作品より大きめですね。



なおこのカタログには並列にて下記の作品が掲載されていますが、この作品は当方の所蔵となっています。



資料を多く集めることと、それを記憶しておくこで、このような偶発的にて作品の出所が分かる時があります。蒐集に関しては図書館の書籍より、インターネットや発刊されているカタログの方が知見を得ることが多いようです。



鑑賞するだけならいいのですが、美術館などの展覧会ではすでに発見されている作品が多く、新たな知見は少ないですね。



シミが多いので、染み抜きして締め直しの再表具をしています。
→現時点で終了しており、きれいに再表具されています。



綺麗な状態になりました。



この染み抜き+再表具(締め直し)の費用はおおよそ3万円ほどです。



おそらく格安のお値段でしょう。しかもきちんとした元の表具材の使用(締め直し)と技法によるものです。きちんとした表具師さんと付き合うことも日本画の骨董蒐集の条件です。



どうしても掛け軸は状態が悪いと鑑賞しづらいものですね。



掛け軸は「そのままの表具状態で遺すことの存在意義」がない限り、メンテ(再表具)が必要となります。骨董蒐集は購入費用と同等のメンテ(修理・保管・展示)の出費を覚悟しなくてはいけないように思っています。購入費用ばかりにお金をかけることは「片手落ちの蒐集」となるようです。

しかしながらメダカと同じく、数が多くなり手に負えない状態・・・、まいったな~~。


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