夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その129 緑釉草花文銚子 & 平野庫太郎作 竹節向付

2019-11-28 00:01:00 | 陶磁器
昨日改めて昨年に亡くなった平野庫太郎氏の作品を紹介しましたが、本日は下記の竹節の形をした向付の作品の紹介です。むろん以前に本ブログで紹介したことがあります。



家内は気に入っていて野点用のお稽古の茶碗として使っているようです。



ちょっとした器にもこだわりがあって、瀟洒な品格のある作風が平野庫太郎氏の作品の魅力ですね。裏には「庫」の印銘があります。平野庫太郎氏は寡作であり、今ではもはや入手できないであろう平野庫太郎氏の作品です。



本日紹介する作品は源内焼の作品です。基本的に当方で蒐集している源内焼でまだ入手していないのは「地図の大皿」という認識ですが、源内焼は作品が思いのほか多様で本日紹介する作品のように銚子のような器形をした作品もあります。



上記の写真は、江戸期の織部焼の滑車の上に置いてみました。

源内焼 その129  緑釉草花文銚子
注ぎ口裏面補修跡 合箱入
幅230*奥行120*高さ140

本作品のような銚子の器形は図録にもない作品ですので、おそらく作品数は少なく、注文で作られた可能性があります。



取っ手部分の金属は特注で作られたのでしょう。口先部分は破損して補った可能性もありますね。



祝い事に使われた器でしょうから、もう少し色気のある三彩を使用したような釉薬で色彩豊富な作品があるかもしれません。



源内焼はとくに四国地方で他の窯で似たような三彩や陽刻の作品が作られましたので、本作品を源内焼に断定するのに異論のある方がおられるかもしれませんが、文様、胎土、釉薬から当方では源内焼と判断しています。



陶磁器で共蓋の作品は作ってみると解りますが、意外に厄介なものです。



蓋と受け口が釉薬で張り付いたり、蓋が歪になったりとすることがありますので、おそらく特注以外は生産性が上がらないので、源内焼のような材質や釉薬ではかなり作りにくいこともあり、共蓋の作品数はかなり少ないと推察されます。



補修跡は共色で処理されているようです。



今までの作品の説明で申し述べたように、源内焼の作品は黒い汚れが非常につきやすいものです。胎土が軟質、吸水性が多いので、このようになるのでしょうが汚れを落とすときれいになります。



共色直しが雑なところは削りとって金繕いしておきました。






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