夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

北宋耀州窯 青磁劃花鳥紋様茶碗

2012-04-17 05:17:23 | 陶磁器
本日の作品は以前投稿したことのある小碗です。
耀州窯の青磁は近年、非常に精巧に出来ている贋作が多いので注意を要する作品群のひとつです。
それだけ本物は少ないということになります。1,993年頃上手のコピーが出回り、苦汁をなめた人も多いと聞いています。




北宋耀州窯青磁劃花鳥紋様茶碗
径126*高さ49*高台径32

耀州窯は華北の窯で唐末から五代には青磁を焼いていたが、北宋中期以降に隆盛し、毎年皇帝への貢物を製作する窯として知られた。オリーブグリーンの深みのある色と手彫紋様の劃花や型押の印花を装飾の特徴とする。手彫紋様は、紋様の輪郭線に斜めに刃を当てる技法(片切り彫り)によるもので、この装飾技法は江南の窯にまで影響が及んだ。本作品はその特徴を備えた逸品。



耀州窯の見所 


 
1、灰色がかった土が固く焼きしまっている点。

2、高台が小さくしまってよく削りだされていることは、この窯の特徴ですが、よいものは高台内に鉄釉を塗ったような渋茶色のあがりをしており、すこし高台内に砂がついた感じのものが多いです。まず高台にしまりがなければだめです。コピーのレベルもあがっていますが、このへんまでうまくできているものはありません。

3.裏側で高台の外から口辺にかけて、しのぎのように何本もの筋を刻んでいますが、コピーはこの筋のきさみの線が均一なのです。本歌はこの線が不均一で細いのも太いのもあります。

4.青磁の色は暗いのから、やや明るいのまで草色のなかにいろいろありますので、色かせはなんともいえませんが、青磁の釉薬に気泡があります。もちろんコピーにもありますが、この気泡の感じもポイントの一つです。耀州窯は別名を北方青磁ともいい、石炭で高温に焼かれている窯です。だから青磁の釉薬にも焼き物自体が焼きしまっている窯です。

5.中国陶磁は発掘のものですから、発掘の痕跡がかせなどに残っている場合があります。しかし全くないものも硬質のやきものには多いのです。青磁でもとくに耀州窯ではかせなどはない。


以上が簡単な真贋のポイントです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。