夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

急灘 木島桜谷筆 その4

2015-11-20 00:37:56 | 掛け軸
企業のコンプライアンスが取り沙汰されている最近の報道ですが、企業人としての個々に資質が問われています。もっと個々のモラルの向上を企業としても促す必要を痛感します。

本日は木島桜谷の「その4」です。もともと秋田の田舎で実家が材木を扱っていた商売なので、材木の切り出しの絵の作品や山神様の掛け軸はよく目にしました。そのような環境で育ったので、本作品のような筏での材木の切り出し作業の一環の作品には興味をそそられます。

急灘 木島桜谷筆
絹本着色軸装 軸先象牙 共箱 
全体サイズ:横560*縦2070 画サイズ:横420 *縦1280



急難(きゅうだん)は「急湍」に同じで「流れの速い瀬。早瀬」を意味します。印章は他の所蔵作品「秋景山水図」や思分閣掲載「春苑」の印章と同一です。夏目漱石に展覧会への出品作を酷評された木島櫻谷ですが、彼の作品の評価は再評価されるべきですね。

  

木島櫻谷は京都で過ごすことが多かったので、むろん秋田での風景とは違うのですが、雪解けの水の残る季節の新緑の景色がいいですね。急流での筏下りは命がけの仕事だったと思います。戦後まもなく、戦後復興のために木材は必需品でした。各地の材木業はとても忙しかったようです



材木に切り出しで命を失くす作業の方々も多かったようです。家々には山神様が祭られていました。山神は女性ですので、やきもちをやくから女性は山に入ってはいけないという風習がありました。以前はトンネル現場に女性が入るのは抵抗があったようです。



よく作業していた男集が「家の山神様が怖い」というのは自分の奥さんのことです 会社にも山神様が必要なようです。











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