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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

忘れ去られた画家 寿星図 矢野夜潮筆

2013-08-26 05:57:10 | 掛け軸
七福神信仰は我々日本人は深く根付いているものですが、七福神をそらんじて言える人が何人いるでしょうかね?

本日もまた忘れ去られた画家のひとりと言える画家の作品です。

本日から手術後から初の出社です。まだ充分回復しているとは言い難いのですが、体を無理くりでも慣らして直していくのもひとつの手段のように思います。「人間、甘えさせておくと碌なことはない」というのが私の考えですが・・・。

寿星図 矢野夜潮筆
紙本水墨淡彩 軸先木製 鑑定箱
全体サイズ:縦1638*横395 画サイズ:縦1002*横291



矢野夜潮の遺墨は少なく、思文閣墨蹟資料目録「和の美」第458号作品NO31に掲載されているのも数少ない作品のひとつでしょう。

 

箱書には「夜潮画寿星図」と題され、庚辰(かのえのたつ)於□方紀元二千六百年 高干題鑑 印」とあり、昭和15年の鑑定であると分かります。

文化10年版の平安人物誌の画家の部に収録されるほど当時は人気を博したようですが、現在はその作品を見かけることはほとんどないとのことです。




現在に残る遺墨葉非常に少ないため、その画業全体が不透明ですが、画技の高さは僅かな作品から知ることが出来ます。

矢野夜潮 (やの-やちょう):天明2年生まれ( 1782年)~文政11年12月(1829年)。 江戸時代後期の画家。代々画家の家である矢野家第二代目長兵衛の次男として京都に生まれ、応挙の高弟である山口素絢(そけん)の門人で,花鳥・人物画を得意とした。文政11年12月18日死去。47歳。名は正敏。字(あざな)は仲観。通称は物集女(もずめ)。

 

題名となっている「寿星」は南極老人星(カノープス)とされ、容貌は時期によって諸説あるが近代以降は禿げた長大な頭に白ひげをたくわえた老人とされることが多く、また厳密にはもともとこの寿星(南極老人)が単独で日本に伝わったのが寿老人です。

寿老人や福禄寿は南極老人星の化身とされ、酒を好み頭の長い長寿の神とされます。寿老人は不死の霊薬を含んでいる瓢箪を運び、長頭で長寿と自然との調和のシンボルである牡鹿を従えています。手には、これも長寿のシンボルである不老長寿の桃を持っています。


家内が言うようには東方朔という人物像ではないかと言うのですが・・・。東方朔は西王母が植えた三千年に一度しかならない桃の実を三つも盗むなどと荒唐無稽な逸話が東方朔については創作されています。日本の能の演目『東方朔』では、朔は仙人として登場し、本作品もその可能性がないわけではありませんが、本作品は寿老人、福禄寿とするのが妥当でしょう。。




参考作品
納涼美人図
思文閣墨蹟資料目録「和の美」第458号作品NO31



美人画ということもあり、評価額は無名に近い画家の割には高い値段です。思文閣は一般に作品の出来で値段を判断し、たとえ無名や多少マイナーな画家でも出来の良い作品は高い値をつけるようです。



本日から長寿の神の寿老人、福禄寿に見守られて健康で長生きといきたいものです




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