本日は平櫛田中作の「福聚大黒天尊像」、その5となります。入手理由はその共箱にあります。
福聚大黒天尊像 平櫛田中作 昭和47年作 その5(中)
昭和47年(1972年) 101歳作 共箱
作品サイズ:高さ160*幅160
「福聚大黒天尊像 平櫛田中作」と称する作品には粗悪な贋作やブロンズ像がありますが、そちらには興味を持たないほうがいいでしょう。
たまに共箱が消失している作品もありますが、これは飾る時に箱を別にしまっておくことから発生します。埃や退色から守るためにも共箱に入れて飾るのが無難なようです。
「福聚大黒天尊像 平櫛田中作」の彩色はいつ頃からか平野富山が施すことになっていますが、彩色には出来不出来もありどうも全部ではなさそうですね。
大黒天は五穀豊穣や商売繁盛の神、また七福神の一柱として親しまれてきました。小ぶりながら生き生きとしているこの作品は、日々の営みを見守る神のありようでしょう。「福聚」(福が集まる)の言葉に相応しい作品であり、素朴な幸福への祈りを平櫛田中が表現したといえるでしょう。
平櫛田中は晩年にこの同型の作品をたびたび製作して人に譲っていたそうですが、そのせいかどうか分かりませんが、共箱のない作品も多々あるようです。。
後述しますがこの作品の小槌は打ち出の小槌ではなく、こつこつ努力しない人の頭を打つ小槌だそうです。
人はこつこつ努力して大成するものです。華やかさや裕福さを一足飛びに願ってはいけませんね。
いいアイデア、恵まれた才能もすべて努力という礎の元で開花するものと小生も信じています。
思い付きやちょっとした才能だけでは人は大成しませんが、そのことを忘れている人が多いように思います。それはおそらく情報量の多さやマスコミの影響度が関与しているのでしょう。
事業も技も同じですね。基本があっての能力の開花です。
いつでも小槌をふるってくれる人がいるものではありません。常に自分で自分の頭に小槌を当てる努力が必要なのでしょう。
この作品の特徴は今までの「その1」~「その4」と違うのは台座裏面の刻銘にあります。台座裏には縁に沿って「福寿大黒天尊像則活尺法 昭和壬子(昭和47年 1972年)十一月去?辰百也一巧匠田中拝刀」と刻銘があります。
*「則活尺法」という銘文は本作の寸法を風水などの吉祥禍福の利に従って吉と定めたということのようです。また題の「福聚」(福を集める)との冠がついており、この像を持つ人のもとに幸せが集まるようにとの願いがこもった作品とされます。
この刻銘は100歳近くになって?からの刻銘のようです。同様の刻銘は下記の写真にある知人が所蔵していた作品が参考になります。この作品は思文閣に200万円で買い取られた作品でもあります。
福聚大黒天像 平櫛田中作 昭和40年作
昭和40年(1965年) 94歳作 共箱
作品サイズ:高さ160*幅150*奥行140
こちらの作品は台座裏には縁に沿って「福寿大黒天尊像則活尺法 昭和乙巳(昭和40年 1965年)□月九十四歳翁?拝刀」と刻銘があります。
本作品の共箱の蓋表は下記のとおりです。
同様の蓋表の箱書については下記の作を参考にしております。
この作品は本作品より丁寧に作られており、顔面が着色されていますし、平櫛弘子の鑑定がされています。
下記掲載参考作品:「福聚大黒天尊像 平櫛田中作 昭和42年作」
昭和42年(1967年) 96歳作 共箱(平櫛弘子鑑定)
作品サイズ:高さ160*幅160
本作品の共箱蓋裏面は下記のとおりです。
「このつちはたからうち だすつちあらで のらくらもの乃 あたまうつつち 以上大黒天のおことば也 □人堅一の守之とこと? とこと? 昭和壬子十一月□辰 百?也一巧匠田中拝刀拝題 押印」とあります。
参考にした作品の共箱蓋裏面は下記のとおりです。ほぼ同一の書付です。
この蓋の書付の説明は下記写真の資料のとおりです。「ぼ~っと生きてんじゃねよ!」という意味?
この書付のある共箱は非常に少なく貴重だと思います。「福聚大黒天尊像」の作品が「その5」にまで及んだ原因ですね。
どうも百歳を過ぎると刻銘や書き付けに字の乱れが生じているようです。作品裏面の刻銘は下記のとおりです。
さてたくさんの大黒様の小槌が小生の元に集まりましたが、頭がこぶだらけになりそうです・・・
ブログNOで紹介すると左から下記の作品順となります。
その2:昭和26年(1951年)79歳 共箱
作品サイズ:高さ165*幅180*奥行
その3:昭和27年(1952年)80歳 共箱
作品サイズ:高さ150*幅155*奥行150
その1:昭和26年(1951年)79歳 共箱 塗二重箱
作品サイズ:高さ115*幅115*奥行100
その5:昭和47年(1972年) 101歳作 共箱
作品サイズ:高さ160*幅160
その4:昭和26年(1951年)79歳 背面&台座裏に彫銘 誂え箱
作品サイズ:高さ165*幅150*奥行150
五体揃いましたので、五穀豊穣・・・。
*五穀豊穣:穀物が豊かに実ること。「五穀」は主食となる穀物で、諸説ありますが米・麦・粟(あわ)・豆・黍(きび)を指します。「五」は陰陽五行説からですで、「豊穣」は穀物が豊かに実ることですが、「穣」だけでも穀物が豊かに実ると言う意味があります。「豊」を付けて更にもっと、と強調することになります。 同じ「ホウジョウ」でも「豊饒」となると穀物に限らず豊かに多いという意味になります。 「五穀豊穣」は、「家内安全」「商売繁盛」と同じように、祈願の言葉としての意味もあります。
裏面の彩色から彩色にもパターンがありことがうかがわれますね。80歳前後は彩色が鮮やかな作品が多く、100歳を過ぎると渋い彩色になった・・??
家内曰く、「この作品(本日の作品)は日焼けしていて健康そう・・」だと・・・
出来からは中央の小さな作品と本日の作品がいいかな?
福聚大黒天尊像 平櫛田中作 昭和47年作 その5(中)
昭和47年(1972年) 101歳作 共箱
作品サイズ:高さ160*幅160
「福聚大黒天尊像 平櫛田中作」と称する作品には粗悪な贋作やブロンズ像がありますが、そちらには興味を持たないほうがいいでしょう。
たまに共箱が消失している作品もありますが、これは飾る時に箱を別にしまっておくことから発生します。埃や退色から守るためにも共箱に入れて飾るのが無難なようです。
「福聚大黒天尊像 平櫛田中作」の彩色はいつ頃からか平野富山が施すことになっていますが、彩色には出来不出来もありどうも全部ではなさそうですね。
大黒天は五穀豊穣や商売繁盛の神、また七福神の一柱として親しまれてきました。小ぶりながら生き生きとしているこの作品は、日々の営みを見守る神のありようでしょう。「福聚」(福が集まる)の言葉に相応しい作品であり、素朴な幸福への祈りを平櫛田中が表現したといえるでしょう。
平櫛田中は晩年にこの同型の作品をたびたび製作して人に譲っていたそうですが、そのせいかどうか分かりませんが、共箱のない作品も多々あるようです。。
後述しますがこの作品の小槌は打ち出の小槌ではなく、こつこつ努力しない人の頭を打つ小槌だそうです。
人はこつこつ努力して大成するものです。華やかさや裕福さを一足飛びに願ってはいけませんね。
いいアイデア、恵まれた才能もすべて努力という礎の元で開花するものと小生も信じています。
思い付きやちょっとした才能だけでは人は大成しませんが、そのことを忘れている人が多いように思います。それはおそらく情報量の多さやマスコミの影響度が関与しているのでしょう。
事業も技も同じですね。基本があっての能力の開花です。
いつでも小槌をふるってくれる人がいるものではありません。常に自分で自分の頭に小槌を当てる努力が必要なのでしょう。
この作品の特徴は今までの「その1」~「その4」と違うのは台座裏面の刻銘にあります。台座裏には縁に沿って「福寿大黒天尊像則活尺法 昭和壬子(昭和47年 1972年)十一月去?辰百也一巧匠田中拝刀」と刻銘があります。
*「則活尺法」という銘文は本作の寸法を風水などの吉祥禍福の利に従って吉と定めたということのようです。また題の「福聚」(福を集める)との冠がついており、この像を持つ人のもとに幸せが集まるようにとの願いがこもった作品とされます。
この刻銘は100歳近くになって?からの刻銘のようです。同様の刻銘は下記の写真にある知人が所蔵していた作品が参考になります。この作品は思文閣に200万円で買い取られた作品でもあります。
福聚大黒天像 平櫛田中作 昭和40年作
昭和40年(1965年) 94歳作 共箱
作品サイズ:高さ160*幅150*奥行140
こちらの作品は台座裏には縁に沿って「福寿大黒天尊像則活尺法 昭和乙巳(昭和40年 1965年)□月九十四歳翁?拝刀」と刻銘があります。
本作品の共箱の蓋表は下記のとおりです。
同様の蓋表の箱書については下記の作を参考にしております。
この作品は本作品より丁寧に作られており、顔面が着色されていますし、平櫛弘子の鑑定がされています。
下記掲載参考作品:「福聚大黒天尊像 平櫛田中作 昭和42年作」
昭和42年(1967年) 96歳作 共箱(平櫛弘子鑑定)
作品サイズ:高さ160*幅160
本作品の共箱蓋裏面は下記のとおりです。
「このつちはたからうち だすつちあらで のらくらもの乃 あたまうつつち 以上大黒天のおことば也 □人堅一の守之とこと? とこと? 昭和壬子十一月□辰 百?也一巧匠田中拝刀拝題 押印」とあります。
参考にした作品の共箱蓋裏面は下記のとおりです。ほぼ同一の書付です。
この蓋の書付の説明は下記写真の資料のとおりです。「ぼ~っと生きてんじゃねよ!」という意味?
この書付のある共箱は非常に少なく貴重だと思います。「福聚大黒天尊像」の作品が「その5」にまで及んだ原因ですね。
どうも百歳を過ぎると刻銘や書き付けに字の乱れが生じているようです。作品裏面の刻銘は下記のとおりです。
さてたくさんの大黒様の小槌が小生の元に集まりましたが、頭がこぶだらけになりそうです・・・
ブログNOで紹介すると左から下記の作品順となります。
その2:昭和26年(1951年)79歳 共箱
作品サイズ:高さ165*幅180*奥行
その3:昭和27年(1952年)80歳 共箱
作品サイズ:高さ150*幅155*奥行150
その1:昭和26年(1951年)79歳 共箱 塗二重箱
作品サイズ:高さ115*幅115*奥行100
その5:昭和47年(1972年) 101歳作 共箱
作品サイズ:高さ160*幅160
その4:昭和26年(1951年)79歳 背面&台座裏に彫銘 誂え箱
作品サイズ:高さ165*幅150*奥行150
五体揃いましたので、五穀豊穣・・・。
*五穀豊穣:穀物が豊かに実ること。「五穀」は主食となる穀物で、諸説ありますが米・麦・粟(あわ)・豆・黍(きび)を指します。「五」は陰陽五行説からですで、「豊穣」は穀物が豊かに実ることですが、「穣」だけでも穀物が豊かに実ると言う意味があります。「豊」を付けて更にもっと、と強調することになります。 同じ「ホウジョウ」でも「豊饒」となると穀物に限らず豊かに多いという意味になります。 「五穀豊穣」は、「家内安全」「商売繁盛」と同じように、祈願の言葉としての意味もあります。
裏面の彩色から彩色にもパターンがありことがうかがわれますね。80歳前後は彩色が鮮やかな作品が多く、100歳を過ぎると渋い彩色になった・・??
家内曰く、「この作品(本日の作品)は日焼けしていて健康そう・・」だと・・・
出来からは中央の小さな作品と本日の作品がいいかな?