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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

夏景山水図 寺崎廣業筆 その47

2016-09-07 00:01:00 | 掛け軸
先日紹介した「氏素性の解らぬ作品」に水指の塗蓋が届きました。家内に依頼しておいたら2,3日で届きました。



変則なサイズでなければ、インターネットですぐに購入できるようです。また落とし蓋でも同じようです。価格は数千円で入手できますのでとても便利ですね。ただ、当方には変則な口径の作品が多いので、変則な形の塗蓋はオーダーで注文すると数万円になります。



蓋があるだけでなんとなく品が良くなった気がしますね。水指、建水に稽古用になら見立てられる作品を見つけるのは愉しいものです。

その中からさらに正式な場でも用いられる作品を見つけられれば禍福ですね。そう作品にあるようにふたつの福・・・・。

さて、本日は郷土の画家で本ブログでもおなじみの寺崎廣業の作品です。過ぎ行く夏に思いを馳せながら、台風の被害にあった人々を心配しながら掛けて鑑賞しています。

夏景山水図 寺崎廣業筆
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦2060*横620 画サイズ:縦1260*横500



状態がちょっと悪いのですが、本作品を購入した理由のひとつは印章の確認資料してということもあります。



本作品と同一印章には本ブログで紹介された「達磨之図」、「楊柳観音図」(二本廣業 1903年 明治36年)、「雪中山水図」の三作品が他にありますが、比較してみたところ「雪中山水図」(野田九甫、鳥谷播山鑑定)については印章に違和感がありました。



ちょっとでも印章に違いがあるとすぐに贋作という御仁が多いのですが、それは私は早計すぎると思います。

かつ贋作としての参考の資料に大いになると思っています。不思議なことに一度この印章は違うと発見すると、所蔵以外の他の幾つかの作品がその印章を押印してることがあり、戸惑うことが多々あります。



以前に本ブログで紹介した作品である「雪中山水図」(野田九甫、鳥谷播山鑑定)ともう一作品がどうも贋作の可能性がありますが、作風がまったく違う「達磨」という作品にも同一印章が押印されていました。これは複数の人が使った印章?



寺崎廣業の作品が今年の夏はどんどん入手できていますが、その中でもう一作品がどうも贋作ではないかという作品が出てきました。その作品については後日また。

暑い夏、豪雨の夏は狂乱の夏か・・・。



画家で分類すると、橋本関雪、竹内栖鳳の作品は作品そのものが贋作を製作しやすく、横山大観、上村松園の贋作は出来そのものが難しいので落款と印章の資料引用の前に出来から贋作と判明しやすいようです。



寺崎廣業、平福穂庵、平福百穂もまた贋作を製作しやすいかもしれませんね。真贋については橋本関雪と寺崎廣業は似ており、平福父子は横山大観らと似ています。

なかなかどうして寺崎廣業の作品も奥が深い 美術館で鑑賞してる分にはこのような悩みは決してありませんが、真に迫る知識や経験もできないのも事実のようです。どちらがいいのかは解りませんが・・。すべては夏の夢。

ちなみに本作品は落款に力強さが乏しく贋作と判断される方もおられるかもしれませんが、真作と当方では判断しました。



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