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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

贋作考 叭々鳥 伝田中一村(米邨)筆

2016-10-10 00:01:00 | 掛け軸
男の隠れ家から引っ張りだしてきた膳。



20人揃いのうちの10客。



残りの10客はいずこへ・・・、男の隠れ家の家捜しが必要か?



10客すべてが絵が違います。「都名所蒔絵」らしい。



昔の蒔絵職人は絵師について絵を習ったらしい。現代とは絵の腕前が違います。

京都で作られた漆器、現在では材料は中国、工程も中国というものを京漆器で高値で売っているらしい。現代の漆器は買う価値はありません。自業自得というのが日本の伝統技術にはあるようです。



時代は幕末から明治頃かな? 柴田是真だけ注目しないでいただきたいと思わせる作品。現代漆器より古いもののほうがいいのが現実です。



奇抜なデザインの絵柄もあります。日本の漆器は古いものの修理だけしているのがいいと思います。現代の漆器技術はとても過去のものに手が届く技術のレベルではない。



箱の中は補強や傷防止に古紙が貼られている?



「黒吸物膳」・・、そう吸物碗、本膳が付いています。紹介は後日また。



保存用の紙(写真の紙はその上に保護用の紙で小生が包んだもの)もそのまま残っています。昔の人は扱いに手馴れていたのでしょう。今の人なら紙は破って捨ててしまうでしょうが・・。

本日は休日、一休みしての贋作考。読者の方からは本ブログは「贋作も投稿されるから役に立つ」というご意見もありますが、当方は好き好んで贋作を購入しているわかではありませんが・・・・。

叭々鳥 伝田中一村(米邨)筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱入 
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横*縦



田中一村の作品は「米邨」銘時代の南画風の作品は時折見かけますが、「一村」銘時代の八丈島の頃の人気作品はまずは市場には出てこないでしょう。一村時代の作品の本作品のような画題はあるのだろうか?



半ば贋作と承知のうえで購入する理由もあって購入しているのも事実・・。今回の購入理由は箱が立派だったから・・



印章は一致していないようですが、この作品だけ見たときには気がつかないくらいです。見比べて解る程度。印章はすっかり真似するのはこの当時は無理だったのでしょう。

 

息子は「この鳥、おもしろいね~」だと・・。そう面白い。



表具の跡に下を切り詰めた形跡があります。つまり全体の絵の下の部分を切り詰めて落款や印章を取り除き、改めて「一村」の印章と落款を記した贋作と推察されます。下を切断して脇に落款と印章を押印した可能性がありますが、真実は遺憾、もとい如何? 



箱はいいものでしたので別の作品に転用。幸い箱にはないも書いていない 

ただし田中一村とは断定できないですがいい作品です。叭々鳥だけでも切り取って額にしたい作品ですが、花もよく描けていますのでそれもまずい。なにゆえこのような贋作に仕立てるのか・・・、腹の立つやり方です。

落款と印章があるので、ビジネスとしては成り立たない作品ですが、そこを膳の如く良き部分だけ鑑賞するのも、懐の広い鑑賞方法でしょう。でもやはり当方ではお払い箱の対象となります。


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