夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

梅下老人之図 柴田是真筆 その6

2014-10-21 04:16:03 | 掛け軸
若い女性大臣については本ブログで投稿したように、非常に不適切な人事であると述べましたが、思ったより早く辞任になったようです。少子相の時になにもできない大臣と評したようにもっと適切な人の経済相になっていただきたいものです。人事はとても重要なことですが、それは政界も会社も同じことのようですね。人事の重要性は上司に徹底的に教え込まれた経験があります。

そんなニュースを見ながら週末も夜は幸喜が就寝後にお茶・・。



家内とお菓子は半分ずつ・・・、とても美味しいお菓子でした。



さて、今日から全国行脚・・、一便で広島へ・・・。

本日の作品の作者の柴田是真は著名がゆえに贋作も多い画家、漆工芸家です。本作品も通常なら席画程度の作であり、真贋が難しく入手するのをためらう作品でしょうが、小生は購入に踏み切りました。理由は鑑定箱書きです。通常は鑑定箱書きも贋作が多いので、あまりあてにはできないのですが、この箱書きは信頼できると判断しました。

梅下老人之図 柴田是真筆 その6
紙本水墨淡彩 軸先鹿骨 庄司竹真鑑定箱入
全体サイズ:縦2083*横 画サイズ:縦*横788



むろん購入理由は箱書きだけではありません。画風やタッチも判断対象であり、購入実績からの経験則による購入判断です。



本作品は梅の枝を剪定しようとしてるのでしょう。「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」ということわざがあります。このことわざは、梅は管理上、「剪定しないといけないよ」と言う意味であって、梅の剪定の必要性を教えたものと思います。ただ世間で言われているように、桜は「ほったらかし」でよいと言う意味ではありません。桜には、テングス病など病気の他に、樹形をみだす徒長枝が発生するとのこと。これらを剪定することをおそれるあまり放置すると、病気の蔓延による衰退、他の桜への感染、後者は、放置の結果枯損することで枯損部位からの腐朽につながりそうです。

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庄司竹真は東京生まれの日本画家。名は余四郎。字は有敬。別号に可寛菴、精々軒等がある。柴田是真に師事し、絵画、描金、漆画を学んだ。昭和11年(1936年)没、82才。柴田是真の作品の鑑定を行っている。

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随分前に庄司竹真の箱書のある下記の作品を入手しております。まだまだ柴田是真を充分知らない時に購入したものです。

甲子之図 柴田是真筆
絹装軸紙本水墨鑑定箱入 
画サイズ:196*788

箱書きや落款、印章を他の作品と比較するのも掛け軸の骨董の愉しみのひとつです。

  

柴田是真の作品は贋作が多く、未だにこれらの作品の真贋は解っていませんが、ま~、いいではありませんか、愉しむのが一番。



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柴田是真は、幕末から明治時代に活躍した絵師・蒔絵師。文化4年(1807)に生まれ、蒔絵師古満寛哉に入門して蒔絵の技術を、文政5年(1826)には円山四条派の絵師鈴木南嶺に就いて絵画を学ぶ。居宅を「対柳居」と命名。以後、亡くなるまでの50余年間、この対柳居で数々の名品・秀作を制作した。和紙に色漆で描く漆絵も多数遺し、是真は下図を描くことにより、画期的な蒔絵・漆絵を生み出す。是真の号は、聖徳太子が遺したという「世間虚仮 唯仏是真」の偈に拠る。

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あと何年梅の花を愉しめるのか? そんな是真の思いが伝わるような絵ですね。梅の整枝や剪定の時期は、10月~1月頃に行うのが通例(夏もあるらしい)からその時期用の掛け軸かな。



高齢にて長女が誕生した柴田是真に我が身を重ね合わせる、そのような作品です。



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