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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

古砥部くらわんか染付輪線草花文茶碗 その5

2025-03-18 00:01:00 | 陶磁器
資金の乏しい時期に、その乏しい資金でも購入できる作品を衝動的に購入するが当方の悪い癖です。乏しい資金での購入は大概は失敗しますね。今回は「くわらんか碗」です。



古砥部くらわんか染付輪線草花文茶碗 その5
『古砥部陶片文様集(砥部焼文化研究会)』同手文様の掲載 誂箱
作品サイズ:口径115*高さ69~71*高台径46



くらわんか碗(くらわんかわん)は、江戸時代の磁器製の普段使いの庶民の雑器のことです。長崎県の波佐見焼、愛媛県の砥部焼、大阪府の古曽部焼などの製品が伝存されています。

釉薬を生掛けしているのが、まずはくらわんか碗の条件です。



昔はくらわんか碗に、ご飯にかぎらず、汁物などをよそったり、酒を飲んだりするのに使用しており、舟遊びしている客人にも配られたようです。骨董としての価値についてはしばらくなかったようですが、近年見直されているとされます。1970年代、骨董展で1個10万円の値がついたこともあったという記録がります。



名称は、江戸時代に淀川の京都・大坂間にある枚方宿で、商人が小舟(煮売船)で三十石船に近づいて「酒食らわんか餅食らわんか」と囃しながら食事などを売った「くらわんか舟」に由来します。「くらわんか」は「食べないか」の方言です。



揺れる船の上でも転びにくいよう、厚手で重心が低いのが特徴で、船中で料理を食したのちに数をごまかすために川に捨てる客もいたようです。



本作品は江戸後期ごろの古砥部くらわんか染付輪線草花文茶碗と推定されます。砥部によく見られる同心円状の輪線文様が描かれた意匠となっており、くわらんか碗の中では上等品とされ、『古砥部陶片文様集(砥部焼文化研究会)』にも同手文様の作品が掲載(下記写真参照)されています。



それまで磁器は赤絵染付など高価なイメージが強く、磁器の器は庶民にとって高嶺の花でしたが、このくらわんか碗は「磁器は高い」という従来の常識を覆し、庶民に普及しました。中にはくわらんか碗の上手のものもありますが、これは、一般的なくわらんか碗を参考に作られたお碗で、これらも含めてくらわんか碗と称することもあります。

とても手頃なお値段にて購入できます。食器のひとつにいい器ですね。今回は乏しい資金でも大きな失敗ではなかったようです。一般的には逆によく言われるは資金がたくさんあるときほど失敗するというものですが、これはこれでビギナーによくあることで、ある程度の鑑識眼と良識が身に付くと資金に見合った買い物をするものです。





































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