3月4日〜11日までエジプトを旅行してきた。
それほどエジプトに行きたかったわけではない。
どこかに旅したいとツアーを探していたら、たまたま日程が合ったので申し込んだのだ。
しかし、予想していた以上に素晴らしい旅だったので、その一端を写真と共に紹介したい。
エジプト航空でカイロまで直行。国内線に乗継ぎ、1時間ほどでルクソールに到着した。
ルクソールは古代都市テーベがあったエジプト新王国時代の首都。
ナイル川の東岸にはカルナック神殿やルクソール神殿があり、生者の町と呼ばれている。
スフィンクスが並ぶカルナック神殿の参道
カルナック神殿は神殿建造物では世界最大といわれている
スカラベの像 反時計回りに7回回ると願いが叶うとか
色彩が美しいレリーフ
ルクソール神殿のオベリスクの前で
日が沈む西岸は死者の町と呼ばれ、歴代ファラオ(王)が眠る「王家の谷」や女王や王妃が眠る「王妃の谷」がある。
環境保護のため、王家の谷には電気自動車で向かう
草木1本ない砂漠の中の岩山。王たちは、盗掘を逃れるため、硬い岩山をくり抜いて墓を作った。
墓の中には金銀財宝など様々な副葬品があったが、そのほとんどは盗まれてしまった。
唯一、荒らされなかったのがツタンカーメンの墓で、玄室の棺にはツタンカーメンのミイラが安置されていた。
ツタンカーメンの墓はラムセス4世、同9世など、その他の王の墓に比べるとかなり小さい。
有名な黄金のマスクや数々の副葬品はカイロ考古学博物館に展示されており、旅の最終日に見学することができたが、その大きさ、数の多さには驚かされた。
ルクソールが栄えた頃の日本は、縄文時代晩期。その頃、エジプトでは見事な神殿が造られ、文字も使われていたと聞くと、その文化の高さに驚く。
ハトシェプト神殿
ハトシェプト女王葬祭殿も訪れた。ハトシェプトはエジプト最初の女王。自らの権力を示すため、切り立った断崖の下に在位中に築いたものだという。ここは1997年に外国人観光客を狙ったテロが起こった場所で、日本人も10人もが犠牲になった。見渡す限り岩と砂ばかりで、身を隠すものなど何もない。こんなところで襲われたら逃げる術などなく、テロに合った人たちはどんなに怖かったことか。
こうした事件の影響か、遺跡を観光する際はバッグの中まで調べられるなど、セキュリティチェックがかなり厳しかった。
ネムノンの巨像の前で
人口約9000万人のうち500万人が観光に携わっているというエジプト。
観光業がエジプトの大切な収入源であり、それだけに治安の安定は欠かせない。
厳しいセキュリティチェックのおかげで、安心して観光できた。
一方で、土産物の押し売りには閉口した。
エジプトでは、エジプトポンドと同様にUSドルも広く使われている。
「ワンダラー」というので、「えっ、1ドル?」とちょっと興味を示すと、もう大変。客にくらいついて離さないのだ。
しかも、1ドルというのは嘘で、実際は5ドルだったり、7ドルだったり。
「じゃあ、要らない」と歩き出すと追いかけてくる。
そして、「いくらなら買うか」と値段交渉が始まり、客が買うまで絶対に離れない。
最初はびっくりしたが、だんだん慣れてくると、そうした駆け引きに慣れて、エジプト流ショッピングが面白くなってきた。